2023.07.28

【ネオクラ名車5選】今こそ大人が乗りたい日本車まとめ|ホンダ「シティ」から日産「グロリア」まで

1980年~90年代の日本のネオクラシック車の魅力を余すことなく紹介。クルマとの出会いや愛着など、文化系男子のクルマ生活のあれこれを聞いてみた。

【ネオクラ名車5選】今こそ大人が乗りたいの画像_1

「ネオクラシックカー」とは?



1980年代から90年代にかけて製造されたクルマを、主に1960年代から70年代に製造された従来のクラシックカーと区別して「ネオクラシックカー」と呼ぶ。 30代から40代にとっては青春時代の憧れのクルマであり、若い世代にとっては最新のクルマとは異なる、メーカーの姿勢が色濃く反映された個性的なつくりが新鮮に映り、世代を問わず人気を博している。また車種にもよるが「クラシックカー」よりは、まだ現代でも日常使いしやすいものが多いのも魅力的だ。とはいえ昨今では、状態のいい人気の車種は年々価格が高騰している。買うなら今がラストチャンスだ。



ネオクラシックカー日本車

三菱_ジープ デリバリワゴンJ36_フロント

01. 三菱・ジープ デリバリワゴン(J36)(1982年式)

一生乗り続けたくなる「わがままなクルマ」
平 健一さん(スタイリスト)


ジープといえばこの顔、という人も多いだろう。三菱・ジープは、かつての警察予備隊、防衛庁に卸され、民間用としても広く愛された元祖国民的4×4だ。今回ご紹介するのは、希少な4ドアモデルである「ジープ・デリバリワゴン(J36)」。見た目はクラシックカー然としているが、1982年式というから細やかなアップデートが行われている。そうした実用性の高さからしても、十分にネオクラシックと言える年ごろだ。オーナーでありスタイリストの平 健一さんは、10年前に友人からこのジープを譲り受け、その後幾度となくトラブルに見舞われたものの、修理と日常のメンテナンスを繰り返し、大切に乗り続けている。

三菱_ジープ デリバリワゴンJ36_オフロードタイヤ
日常の買い物からアウトドアでの撮影まで、日々の足として欠かせないジープ。キャンプ場への乗り入れも考慮し、モダンなパターンのオフロードタイヤに履き替えている


【ネオクラ名車5選】今こそ大人が乗りたいの画像_4

02. いすゞ・ピアッツァ XE(1983年式)

初の愛車はジウジアーロと決めていた
後藤和樹さん(空間デザイナー)


トラック業界で世界有数のシェアを誇るいすゞ自動車。同社にはかつて乗用車部門があり、多くの名車を世に送り出していたことをご存知だろうか。その中の一台が、今回ご紹介する「いすゞ・ピアッツァ」。イタリアの工業デザイナーの巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによる美しいボディラインは、一見すると国産車ではないような錯覚を覚える。こうしたクルマに出会えるのも、ネオクラ車の面白いところだ。

【ネオクラ名車5選】今こそ大人が乗りたいの画像_5
1981年にデビューしたピアッツァ。79年のジュネーヴショーで発表された、ジウジアーロのコンセプトカー「アッソ・デ・フィオーリ」をほぼそのまま製品化した前衛的なデザインが話題を呼んだ。91年に生産終了。


ホンダ・シティ カブリオレ_オープンカー

03. ホンダ・シティ カブリオレ(1985年式)

「自分と気が合う」シティのオープンカー
小野康太郎さん(フィットネストレーナー)


ホンダが生んだハッチバック「シティ」は、エポックメイキングなクルマだ。1980年代はVWゴルフやプジョー205、ルノーの5など、実用的で小洒落た3ドアハッチバックが花咲いた時代だった。が、シティはそうした欧州勢とも一線を画す、日本独自のコンパクトカーだった。1981年にデビューしたシティは、「トールボーイ」と呼ばれるポップなスタイリングがヒット。次第にターボを搭載した刺激的なモデルを追加するなど、走りの面と合わせて当時の若者の心を掴んだ。

「マルセイユブルー」と呼ばれる地中海をイメージした青がまぶしい小野康太郎さんのシティは、1985年式。前年にラインナップに加わった「カブリオレ」だ。この小さなクルマも、イタリアのカロッツェリア(ボディデザインの工房)ピニンファリーナの手にかかれば、ご覧のようなソフトトップとルーフバーを備えた本格的なオープンカーに様変わりする。

ホンダ・シティ カブリオレ_サイド_CABRIOLET
すっきりと収まったプロポーション。サイドに入った「CABRIOLET」の文字のように、当時は仕様やブランド名をグラフィカルに主張するデザインが流行した。


ホンダ_シティ GG_フロント

04. ホンダ・シティ GG(1987年式)

あえて地味な2代目シティがよかった
中川拓海さん(CRANK TOKYO スタッフ))


1981年にデビューしたホンダ・シティ(初代)は、まごうことなき傑作だった。愛嬌のある丸い目に背が高い個性的なプロポーション、過激なターボモデル、そしてシティに積むことを前提に設計されたモトコンポ……まさにそれは、80年代日本のユースカルチャーを代表するアイコンのひとつといえる。

その一方で、先代がそこまでの名声を得ると、その後に続く者はどうにもやりづらい。今回登場する2代目シティは、初代とは異なるスタンスに舵を切った、真新しいコンパクトカーだった。いま改めて見ると、直線的で緊張感のあるデザインとワイド&ローなスタンスは実に格好いい。それに走りだってなかなかにスポーティだ。

ホンダ_シティ GG_全長3560mm
オーバーハングを切り詰めた端正なプロポーション。全長は3560mmと短い。


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05. 日産・グロリアバン V20E(1996年式)

渋いカタチと純白なボディのギャップがいい
瓜坂拓海さん(スタイリスト)


軽から普通乗用、そして商用にいたるまで、すっかりハコ型のクルマがもてはやされる世の中になった。そんな今こそ、見るだけで急に懐かしい気持ちが込みあげてくるのが、ワゴン・バンタイプのクルマだ。50年代後半から90年代後半までにつくられたミドルクラスの乗用車のなかには、ワゴンや商用バンなどのボディバリエーションをもつ車種が一定数存在していた。今回ご紹介する「日産・グロリア(Y30)」もそのひとつ。乗用車がベースであるからこそ生まれる“ゆとり”は、国産ネオクラ車にしかない魅力といえる。

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7代目グロリアのデビューは1983年。「セド・グロ」の愛称で親しまれた姉妹車のセドリックも同年に発売され、法令適合などをクリアし1999年まで製造された。瓜坂さんのグレードは「V20E デラックス」。



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