2026.09.12
最終更新日:2026.09.12

1位はオールブラックの「別注アディダス」。大人が買うべき新作スニーカーBEST5【2026年9月】

2026年8月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!

BEST5:JIL SANDER|ELBE SLIP ON

JIL SANDER|ELBE SLIP ON
スニーカー¥110,000[9月発売予定]/ジル サンダー(ジルサンダージャパン)
JIL SANDER|ELBE SLIP ON
JIL SANDER|ELBE SLIP ON

スキューバシューズをモードの視点で再解釈

「2026年秋冬のランウェイショーで披露されたジル サンダーの新作シューズです。初めて見たとき、1980年代に登場したナイキのアクアソックを思い出しました。後でヴィンテージのスキューバシューズにインスパイアされたと知り、そういった着想源があるからこそ、レザー調のアッパーにヴィブラムソールを採用しているのだと納得。今のトレンドの薄底シューズへと巧みに昇華させています。

スポーツブランドは往年のマリンシューズを復刻することはできても、それを今のトレンドに即してつくり替えるのは至難の業です。復刻モデルが時代にマッチすればヒットはするでしょうが、自分はそのオリジンを履きたいとは思わない。やはりジル サンダーのようなラグジュアリーブランドが、モード的なアプローチでファッションとの距離を縮めてくれるからこそ履きたくなるわけです。

いつもラグジュアリーブランドの着眼点には感心します。シモーネ・ベロッティになってからのジル サンダーは特にその精度というか、感度が高いなと思います。今回のエルベ スリッポンはしっかりオリジナリティがあり、アッパーの素材もしなやか。細身のシルエットもモダンで、ちょっと太いボトムスを被せると、スリッパみたいできれいです」(小澤)

BEST4:PUMA × Graphpaper|H-STREET

PUMA × Graphpaper|H-STREET
スニーカー¥16,500/プーマ×グラフペーパー(グラフペーパー 東京)
PUMA × Graphpaper|H-STREET
PUMA × Graphpaper|H-STREET

注目モデルを大人に響くブラウンのワントーンで

「最近、若年層を中心にプーマの薄底スニーカーを履いている人が増えました。そのブームを牽引しているのがスピードキャットや、その流れで復刻されたこのHーストリートです。プーマの人気はレディース優勢でしたが、この春、ジル サンダーがHーストリートをベースにしたK-ストリートをコラボレーションで発表したことで、メンズにもだいぶ響き始めているようです。

ただ、インラインのHーストリートのラインナップを見ると、配色や素材感がやや若々しい印象です。それをグラフペーパーが手がけると、ヴィンテージライクな質感のナイロンアッパーにヌパックを採用し、トレンド感のあるブラウンのトーナルカラーで大人の男性に似合う一足へと着地させてくれる。

プーマが支持されている理由は“薄底がトレンドだから”というというわけではなく、90年代のプーマにはドライビングシューズや陸上スパイクなど、もともと薄底シルエットが多かったということがポイントです。当時流行していた、足を守るバスケットシューズ的なものよりも、ヨーロッパのブランドらしい感覚で、素足に近い接地感や軽さを実現することを得意としていた。

つまりスピード感を体現する靴づくりに長けていたわけです。その頃のアーカイブが今も新鮮に見えるのは、デザインが本質的に優れていたからで、だからこそ“今プーマ”なのだと思います。グラフペーパーのコラボはとても品がよく、大人が自然に取り入れられる仕上がりです」(小澤)

BEST3:Notace|Yama T1

Notace|Yama T1
スニーカー¥ 25,300/ ノータス(ストライド)
Notace|Yama T1
Notace|Yama T1

日常にも取り入れやすい本格トレイルシューズ

「アルトラで走りはじめてからゼロドロップシューズに魅了され、アルトラを日本で展開するストライドから、アメリカ生まれの新しいブランド、ノータスを紹介してもらいました。フットシェイプの見た目も可愛らしいし、ファッション的にもミニマルでいい。最近はこの『ヤマ T1』で走っています。履いてみてまず感じたのは、トゥ部分がワイドな靴は思いのほか走りやすいということ。長く走っているとつま先からむくんでくるので、『ヤマ T1』は10km、15kmと距離を伸ばしても快適です。

地面とつながる感覚にも敏感になりました。トレイルにおいては、ソールが厚すぎると“どこを踏んで走っているか”、足裏の感覚が曖昧になるため薄底がいいという理由があります。ただ、この『ヤマ T1』は薄さに固執せず、足本来の働きを引き出すために柔軟性を重視している。ソールの厚みとしなやかさを最適化することで、ベアフットシューズを進化させています。実際このシューズは、屈曲性がめちゃくちゃいいんです。

最近はファッション業界のアウトドア愛好家も、普段からアルトラのようなゼロドロップのパフォーマンスシューズを履いていたりします。デザイン的に優れているという側面もありますが、そのブランドの思想に共感する“アティテュード”の部分も大きい。足を自然な状態に戻してくれるノータスの『ヤマ T1』は、日常的に取り入れやすい条件を満たしているので、いいなと思った人はぜひ履いてみてください。おすすめです」(小澤)

BEST2:KEEN|JASPER HW

KEEN|JASPER HW
スニーカー¥20,680[9月発売]/キーン(キーン・ジャパン)
KEEN|JASPER HW
KEEN|JASPER HW

ロングセラーを上質なレザーでアップグレード

「キーンのロングセラーシューズ、『ジャスパー』の新作です。最近のキーンはアイコンシューズをプレミアムなレザーでアップグレードする動きがあって、この『ジャスパー HW』もその流れに沿った一足。クライミングシューズとコンフォートシューズを融合したハイブリッドモデルで、2008年の誕生以来ずっとラインナップされているようですが、近年さらに評価が高まっていて、僕も気になり始めました。

つま先までシューレースが通るクライミングシューズらしいディテールはトレンドだし、ソールも薄めで、どこかアプローチシューズのようなシルエットも今っぽい。基本はスエードアッパーで少しほっこりとしています。それをプレミアムなレザーに替えることで高級感が加わると、アウトドア方向とはまた違った可能性が生まれる。この『ジャスパー HW』に限らず、キーンの変化には個人的にも注目しています。

キーンといえばアウトドア愛好家のためのシューズ、もしくはフェスの鉄板という印象が強かったけれど、今はそれ以外の、それこそUOMOの読者のような人たちにもリーチしている気がします。こういう上質なレザースニーカーなら、ファッション的な視点からも魅力に気づいて、そこからキーンを好きになる人も増えていくのではないでしょうか」(小澤)

BEST1:adidas Originals for UNITED ARROWS & SONS|BW ARMY DECON

adidas Originals for UNITED ARROWS & SONS|BW ARMY DECON
スニーカー¥19,800/アディダス オリジナルス フォー ユナイテッドアローズ&サンズ(ユナイテッドアローズ&サンズ 渋谷)
adidas Originals for UNITED ARROWS & SONS|BW ARMY DECON
adidas Originals for UNITED ARROWS & SONS|BW ARMY DECON

デコンでジャーマントレーナーをモダナイズ

「ユナイテッドアローズの展示会でこのオールブラックの『BWアーミー デコン』を見たとき、珍しいなと思いました。アッパーはブラックでガムソールというパターンはよく見ますが、オールブラックのジャーマントレーナーはあまり見かけません。しかもデコンなので、『BWアーミー』のきれいめな雰囲気は残しつつ、スポーツ色を抑えたいというときにちょうどいい“ファッションシューズ”になっています。

デコン=デコンストラクテッド(deconstructed)は脱構築という意味の通り、芯材を使わず素材を薄くするなど、引き算の発想でつくっていく手法。薄くて細身の削ぎ落とされたシューズがトレンドということもあり、ラグジュアリーブランドを筆頭にデコンモデルが増えていて、今のファッションとの親和性を高めています。だからジャーマントレーナーという定番もデコン仕様であれば、今また履きたくなる人も多いのではないでしょうか。

ユナイテッドアローズ&サンズの別注は、オールブラックだと表革を選びそうなところを、スエードで仕上げているところも、このスタイルと相性がいい。ここまでやわらかなスエードシューズは僕の記憶ではあまりありません。もちろんオールブラックだから合わせやすく、デコン仕様で履きやすい。いろいろな意味で引き算の発想が活きています」(小澤)

小澤匡行プロフィール画像
エディター
小澤匡行

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。

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