100年前のデザインが、いまのファッションにこんなにもよく似合うとは!
1926年に登場したハミルトンの「クッション」が、現代の技術で蘇った。新作「クッション メカ」は、丸みを帯びた角型ケースや繊細な装飾に、アールデコの美意識を受け継いでいる。30㎜と34㎜という小ぶりなケースサイズも、いま見ると新鮮だ。
そんな時計を着けこなすのは、俳優の滝藤賢一。洒落者としても知られる彼が、3本の「クッション メカ」をそれぞれ異なるスタイルで楽しんでくれた。
100年の時を経て復刻した時計を、いまのスーツで遊ぶ
最初に登場するのは、34㎜のステンレススチールケースに装飾を施したモデル。丸みを帯びた四角いフォルムやベゼルの繊細なレリーフ、文字盤に並ぶ個性的なアラビア数字など、1920年代の華やかなデザインを随所に受け継いでいる。
この一本に、滝藤は黒を基調としたスーツを合わせた。ストライプシャツとタイで端正にまとめながら、鮮やかなパープルのニットを肩に掛けて遊び心をプラス。時計はクラシックでも、着こなしは決して懐古的ではない。小ぶりなケースが、色や柄を楽しむスタイリングに自然と溶け込んでいる。
「最初に見たときは、レトロでヴィンテージで、クラシックで、とても可愛らしい時計だなと思いました。見た目はこんなに可愛いのに、アメリカの時計らしく実用的でタフだというところにも惹かれますね」
そもそも、ハミルトンが初めてクッション型の時計を発表したのは1919年のこと。1920〜30年代には、こうした優美なフォルムの腕時計が紳士用のドレスウォッチとして人気を集めていた。1926年に登場したモデルでは、装飾的なベゼルや力強いアラビア数字、線路を思わせる目盛りなど、当時のデザインを象徴するディテールが目を引く。
こうした歴史を踏まえると、34㎜というサイズの見え方も変わってくる。現代の時計を単に小さくしたのではなく、かつて男性が楽しんでいたプロポーションを受け継いでいるのだ。
スーツに合わせれば品よくまとまり、色や柄を効かせた装いにも埋もれない。滝藤の着こなしを見ていると、34㎜という小ささが、むしろコーディネートの幅を広げてくれることに気づかされる。
ジャケット¥41,800・パンツ¥24,200/ともにスティーブン アラン(スティーブン アラン シンジュク) シャツ¥42,900/インディビジュアライズド シャツ・ネクタイ¥23,100/インディビジュアライズド アクセサリーズ(ともにメイデン・カンパニー) 肩に掛けたニット¥59,400/バーチ ヴィンテージ 靴¥61,600/フット・ザ・コーチャー(オーセンティック・シュー&コー) その他スタイリスト私物
30㎜の小ささに、職人の技が詰まっている
続いては、3本のなかで最も小さな30㎜モデル。ホワイトエナメル調の文字盤にローマ数字を配した、すっきりと端正な顔つきが特徴だ。
黒のジャケットにストライプシャツ、チェック柄のパンツ。柄を重ねたスタイリングながら、腕元の小さな時計が全体をさりげなく引き締める。大きな時計で存在感を主張するのとは、まったく違う楽しみ方だ。滝藤も、このサイズ感がすっかり気に入った様子。
「サイズは最高じゃないですか。僕はこれぐらいのサイズを探していました。小さいほうがいいですね。小さくて薄い時計には、それだけ職人さんの技術が詰まっていると思うとロマンがあるし、リスペクトできますから」
その小さな時計の内部に収められているのが、ハミルトンが新たに開発した手巻きムーブメント「H-42」だ。厚さわずか2.5㎜ながら、約57時間のパワーリザーブを確保。文字盤の6時位置には、時分針から独立した小さな秒針を備えている。
さらに、当時のアクリル製風防を思わせるドーム型の形状を、現代ではサファイアクリスタルで再現。クラシックな佇まいを守りながら、実用性にも配慮されている。
30㎜という小ぶりなサイズに加え、滝藤が驚いたのは、その着け心地だった。
「きちっとした格好をしたときとか、ドレスアップしたときに着けたいですね。それに驚いたのがフィット感。着けている感覚がないぐらい馴染んだんです。時計は毎日使うものだから、ストレスを感じないことも大事だと思います」
ドレスアップしたときの美しさだけでなく、毎日気持ちよく着けられること。30㎜という小さな時計に、滝藤が惹かれた理由がよくわかる。
ジャケット¥28,600・パンツ¥26,400/ともにスティーブン アラン(スティーブン アラン シンジュク) シャツ¥46,200/バーチ ヴィンテージ Tシャツ¥16,500/アニエスベー 靴¥61,600/フット・ザ・コーチャー(オーセンティック・シュー&コー) その他スタイリスト私物
ゴールドの時計こそ、普段着で楽しみたい
最後は、34㎜のゴールドPVDケースを採用したモデル。サンドブラストを施したベージュの文字盤が、柔らかなヴィンテージ感を漂わせる。
ゴールドウォッチと聞くと、華やかなスーツやフォーマルな装いを連想しがちだが、滝藤が着こなしたのはボルドーのアウターに柄シャツを合わせたリラックス感のあるスタイル。落ち着いた赤とゴールドが響き合い、ほどよい華やかさを生み出している。
こうした普段着にすんなり馴染むのも、34㎜という控えめなサイズだからこそ。ゴールドが過度に主張せず、装いのさりげないアクセントになっている。
「クッション メカ」の魅力は、100年前のデザインを単に再現しただけではないところにもある。クラシックな文字盤やケースの意匠を受け継ぎながら、5気圧防水やサファイアクリスタルなど、現代の時計に求められる実用性にも配慮されている。
その一方で、手巻き式ならではの楽しみも残されている。リューズを回してゼンマイを巻くひと手間が、時計と向き合う時間を生み出してくれる。手間をかけることさえ楽しく思えるのは、こんなクラシックな時計だからこそだろう。
滝藤が時計選びで大切にしているのは、見た目だけではない。
「どうしても、デザインだけじゃなくて、その時計にどんなストーリーや歴史があるのかに惹かれるんです。自分が生きてきた時代を振り返ったり、憧れの時代や映画とのつながりを考えたりしながら時計を着けるのも、すごくいいと思います」
そんな歴史に思いを馳せながら、いまの自分のスタイルで楽しむ。スーツから色や柄で遊んだ普段着まで、滝藤の着こなしを見ていると、100年前のデザインがぐっと身近に感じられる。
ブルゾン¥129,800/マックレガー フォー スティーブンアラン・靴¥75,900/スーゲン・スカーフ¥11,000/ボドコス(すべてスティーブン アラン フタコタマガワ) シャツ¥53,900・パンツ¥55,000/ともにブラームス(ワンダリズム) その他スタイリスト私物
ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン
TEL:03-6254-7371