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2026.06.08
最終更新日:2026.06.08

ジュネーブW&Wで取材。なぜ40歳男子はA.ランゲ&ゾーネに惹かれるのか?【サクソニアとランゲ1に新作登場!】

世界最大の時計見本市「ウォッチズ アンド ワンダーズ」には、多くの時計ブランドが参加するが、独特の存在感を放つのが「A.ランゲ&ゾーネ」である。高級時計の本場はスイスだが、このブランドの発祥はドイツ。華やかさのあるスイス時計とは趣が異なり、その質実剛健さが他にはない個性となる。

“幻の時計”A.ランゲ&ゾーネ

A.ランゲ&ゾーネは、旧ザクセン王国の首都ドレスデンの近郊にある小さな街グラスヒュッテにて、1845年に創業された。創業者のフェルディナント・アドルフ・ランゲは、時計修行を終えたのち、スイスなどの視察旅行を経て、理想の時計をつくるために弟子たちとグラスヒュッテに移住。この地はかつて銀細工産業で栄えた街で、銀山の閉山と共に困窮していたが腕のいい職人が多かった。そこでランゲは、一種の地方再生という使命も帯びて、この地に時計産業を持ち込んだのだ。

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ブースの入り口に飾られる巨大な時計の時刻やカレンダーは正しく動いており、裏面のムーブメントも正確に作り込まれている。

ランゲとその弟子たちは、パーツを規格化することで時計の品質を高め、デザインや仕上げを統一することでブランド認知度を高めた。それは“グラスヒュッテスタイル”として名を広げ、その名声はスイスにも轟いたという。

しかし第二次世界大戦の末期の連合国軍の空爆で社屋は崩壊。さらに戦後は東ドイツ側になったため会社は国営化。時計の歴史からひっそりと名前を消してしまうのだった。

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新作だけでなく、過去の傑作や現行モデルも展示。まさに“ランゲの楽園”である。

こういった社会情勢もあって、長らくA.ランゲ&ゾーネは“幻の時計”であった。しかし1990年に東西ドイツが再統一されると、再び針が動き出す。ランゲ家の末裔であったウォルター・ランゲを中心にブランドが復興。そして生産体制を整え、1994年に復興モデルを発表するに至る。これは国営会社であったために時計の製造技術が継承され、また腕のいい時計師たちが多く残っていたからだ。

デザインはシンプルで、仕上げも歴史を継承して徹底的に手仕事にこだわった。その時代を超越したクラシシズムは、当時の時計業界では極めて異端。それが逆に高く評価され、A.ランゲ&ゾーネは瞬く間に人気ブランドの仲間入りを果たすのだった。

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「ウォッチズ アンド ワンダーズ」のブースには、時計師も常駐し、ムーブメントの組み立て実演を行う。

A.ランゲ&ゾーネは、新作として発表する時計が極めて少ない。それは1モデルに対して1ムーブメントを開発するというこだわりがあるから。たとえケースサイズの変更であっても、全体のバランスが崩れることを嫌ってムーブメントから開発するので、どうしてもバリエーションを増やすことができないのだ。しかしそのおかげで、ダイヤル上の表示のバランスは端正で、ケースの直径と厚みのバランスも良い。また徹底的な手仕事から生まれるムーブメントは、じっくり鑑賞したくなるほど美しい。

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過去に製作されたムーブメントたちも展示。その仕上げの美しさに誰もが目を奪われる。

サクソニア・アニュアルカレンダー

その美学は、今年の新作ウォッチにもしっかり反映されている。

実用的な機構をバランスの良いダイヤルで表現したのが、「サクソニア・アニュアルカレンダー」。こちらは、6月は30日まで、7月は31日までという“月の大小”がプログラミングされた高度なカレンダー機構を搭載する。ただし閏年が関係する2月のみ非対応なので、3月1日だけはカレンダーの修正を行う必要がある。

この機構自体は実用性が高いこともあって、高級時計の世界でも人気が高いが、今回の「サクソニア・アニュアルカレンダー」は、ケース径は36㎜と非常にコンパクト。小径サイズは近年のトレンドであり、UOMO読者の好みでもあるが、同社の商品開発責任者であるアントニー・デ・ハスにインタビューすると、「トレンドに乗れたのは、非常にラッキーだね」と笑顔。実際には小さなアニュアルカレンダームーブメント、キャリバーL207.1を開発することは技術的な挑戦であり、小型の複雑機構というノウハウを得たことで、さらに魅力的な時計を生み出すための布石にもなるという。

またシンプルな操作性にもこだわっており、10時位置のプッシュボタンを押すだけで、全てのカレンダー表示を1日分早送りすることができる。しかもこのカレンダー操作はリューズを引いた状態でのみ作動するようにセーフティ機能も組み込まれる。

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サクソニア・アニュアルカレンダー 自動巻き、18KPGケース(右)、18KWGケース(左)、ケース径36mm、ケース厚9.8㎜。(価格は要問合せ)/A.ランゲ&ゾーネ

ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー“ルーメン”

また、ブースの顔となる“ジャイアントウォッチ”にもなったハイ・コンプリケーションモデル「ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー“ルーメン”」は、ハーフスケルトンのダイヤルからメカニズムが見える特別仕様で、カレンダーディスクなどに夜光塗料を塗っているため暗所で美しく光る。ちなみにルーメンとは光の明るさの単位であり、この仕様の時計は、これが7モデル目。生産本数が少ないため(このモデルは世界限定50本)、世界のコレクターたちのウィッシュリストの上位に書き込まれる傑作だ。

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ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー “ルーメン” 自動巻き、PTケース、ケース径41.9㎜、ケース厚13㎜。世界限定50本。(価格は要問合せ)/A.ランゲ&ゾーネ

ドイツウォッチらしい、かっちりとしたデザインや作りで、小径ながらゴールドケースの重みで腕に馴染む「サクソニア・アニュアルカレンダー」は、エンジニアリングへの情熱やマニアックなこだわりに加えて日常使いの利便性、さらには流行の小さめケースでファッションとの相性も抜群だ。

 そしてブランドを象徴するモデルに夜光というギミックを盛り込んだ「ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー“ルーメン”」は、ブラックアウトされたハーフスケルトン仕様でモノトーンの美しいルックスを誇る。こちらはA.ランゲ&ゾーネの実力を語る教養として、覚えておきたい傑作だ。

どちらも40歳男子にとって間違いない選択肢となるだろう。

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ブースの奥にはビアバーがあり、ザクセンの人気ビールを堪能できる。

A.ランゲ&ゾーネ

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