AI機能付きの「レイバン」に、何ができる?
真夏の必需品、「Ray-Ban(レイバン)」を手掛ける伊・EssilorLuxottica社と米・Meta Platforms社が共同開発した次世代スマートグラス「Ray-Ban Meta(レイバン メタ)」が、米国で2023年9月27日に電撃リリースされ、同年10月17日に欧米諸国にて発売。それから2年7ヵ月後の今年5月21日(木)、遂に日本でも発売された。
価格は7万3700円(税込)から。梅雨も明け、夏のボーナスが支給されたタイミングで、「AIグラスに何ができるのか?」を編集部員が検証してみた。
洋服とは勝手が違うアイウェアの「試着ルポ」。副編の薬師神(左)とウェブ担当の北條が参加する。
北條:まあ、「AIグラスに何ができるのか?」というよりも、「AIグラスへの過度な期待値を正す」ことのほうが大切な気がしますけども…。
薬師神:とりあえずワクワク。開けてみます。
まずは用語から。世界各国の大手企業がこぞって参画しており表記は各社まちまちであるが、「レイバン」で公式使用されるワードの「AIグラス」は「スマートグラス」と同義。サングラスの他に度付きメガネもあり、一括して「グラス」表記である。
よくよく見るとメカっぽい!
いざ、開封の儀。
薬師神:大学時代に買ってはみたものの、似合うにはまだまだ年季が足りなかった「Wayfarer(ウェイファーラー)」から試着します。
北條:オブラートに包んではいらっしゃいますが、日本人の鼻の高さに関する指摘ッ。
テンプル内部の機能を視認しやすいよう、6色のカラバリから「シャイニー トランスペアレント グレー」を選択。日本展開第1弾として提案されたAIグラスは、新規でデザインを起こしたわけではなく、大人男子に馴染みのある「レイバン」の世界的ベストセラーをベースにした5型展開だ。
北條:目立つ箇所は丸いカメラレンズくらい。そこまで近未来的なデザインではないですね。
薬師神:いかにも。ウェイファーラーほか、「レイバン」の代名詞的存在に、画期的なAI機能を搭載して上書きした点を評価したいです。
北條:テンプルの内部はSF映画っぽい。基盤の回路部分に怪しい緑の光が走ったり…。
薬師神:ボクの大好きなブライアン・デ・パルマ監督の『ミッション:インポッシブル』第1作(1996年)にあったみたいな…。しません。
次世代スマートグラスの根幹を司る、「META AI(メタAI)」の主な機能(2026年7月時点)を以下にまとめてみた。この4つのポイントが、「レイバン メタができること」である。
①:装着したまま「META AI」に話しかけることで、本日の天気、夕食の提案、位置情報、駐車場所などの回答が得られる。
②:テンプル(つる)に内蔵されたオープンイヤー(耳底を塞がない)型スピーカーから発せられるオーディオ機能と、内蔵マイク経由での通話機能。
③:「Hey Meta、写真を撮って」の音声コマンド認識により、レンズ越しの景色をキャプチャー(写真撮影)可能。1200万画素。動画は高精度3KウルトラHD画質。
④:「英語・日本語」ほか、多言語へのライブ翻訳。
北條:英語が苦手なもんで、④に関しての検証はまた別の機会に…。
薬師神:ツルにある細い溝はスピーカーかな。全体的にスッキリとしたデザインで驚いちゃった。
北條:では、さっそく専用アプリを立ち上げ…。
①Ray-Ban Meta Wayfarer
北條:…って、ええ!?
薬師神:掛けちゃいました。どうかしら。
北條:たしかに、メタAIうんぬんよりも、ファッション的な目線が第一。お似合いです。
薬師神:ボクのワードローブに眠ってる通常のウェイファーラーよりもちょっぴり重い。
その差は2グラムほど。重量50~52グラムであり、鼻が重くなる心配は皆無だ。この重量は、今回発売された「レイバン メタ」の「Gen2」でのもの。欧米で2023年10月に発売された初代は、通常の「レイバン」とほぼ同じ重量であった。
専用アプリと連動させて音楽を聴く
度付き、もしくはサングラスとして、もちろんそのままでも着用可能。メタAIの機能を楽しみたいならば、専用アプリのダウンロードが必須だ。
薬師神:画面にメガネケースの表示があるね。これが充電値のバロメーターにもなってる。
「レイバン メタ」の連続駆動時間は約8時間。アイウェアケースに収納することで充電される。このケース自体もUSB-Cケーブルでの充電式だ。
北條:一石二鳥のケースですね。メガネそのものに充電ケーブルを差すのかと思ってました。
薬師神:「Hey Meta、音楽を再生して!」
北條:あら。機能①のハンズフリー機能を発動。
薬師神:なんかメタAIが喋った! OKってこと?
収音マイクはノーズパッドやテンプルなど計5つ、スピーカーもテンプル下面に2つ設置。自身のスマホに蓄積している音源とリンクさせ、さっそく機能②の「オーディオ」を発動させた薬師神であった。
薬師神:わわわ。ボリュームが大き過ぎたよ。
北條:そうか。次世代といえどオーディオはアナログ。イヤホン型ではないので、隣にいると乃木坂46の新曲「命の色」が微かに漏れ聞こえる…。
薬師神:満員電車では気を付けないと。テンプルをスワイプしてボリュームを調節するみたい。
写真・動画を撮影する
続いて機能③の「写真・動画の撮影」へ。アプリの指示によると、右のテンプル上部にあるボタンを長押しすると、動画が撮影できる。
北條:げ。フレーム右側のライトが光った。
薬師神:「動画を撮ってます~」の意思表示だね。
北條:盗撮してもバレバレ。よくできてます。
薬師神:「Hey Meta、写真を撮って!」
北條:あっ。
薬師神:「カッシャーン」ってしっかりめのシャッター音もあるんだね。共有された撮影画像を見ると、スマホカメラをマイナス倍率に設定して引き気味で撮影した感じ。天井まで入ってしまう画角には慣れたほうがいい…って、あれ? 北條さんも?
②Ray-Ban Meta Headliner
北條:私も「レイバン メタ」の「Headliner(ヘッドライナー)」を試着してみました。映画『ゼイリブ』(1988年)のごとく、サングラスを装着して一変した世界線を眺めています。
薬師神:北條さんは「レイバン メタ」をカメラ用に使いたいでしょ。スマホを取り出して、ロック解除して、カメラアプリを起動させるよりも断然早いもの。展示会やイベント取材で重宝しそう。
北條:しかも両手がフリーです。
薬師神:それね。
北條:頭に「GoPro」を付けると目立ち過ぎましたからね。思いついた「レイバン・メタ」の「写真・動画の撮影」用途についてまとめてみました。
●ラーメンを両手で受け取ってテーブルに置いてその流れのままに上から盛り付けを撮影
●左手に中華鍋、右手にお玉を持ってパラパラ炒飯を最大火力で豪快に炒める様子を撮影
●パーティ会場にて左手にシャンパンを持ち、右手に女性の肩を添えながら来場セレブを撮影
●トラブルに巻き込まれたときに怪しい動きをすることなく証拠保全のために一部始終を撮影
●大谷選手との対面キャッチボールを撮影
●映画『ゼイリブ』のラスト直前の(無駄に長い)プロレス格闘シーンを演者本人目線で撮影
●麻雀
薬師神:ペットとじゃれ合いながら自然な表情を撮影できるね。カメラ嫌いの子も多いから。
北條:購入は決定。あとはどのモデルにするか…。
③Ray-Ban Meta Blayzer Optics
薬師神:「レイバン メタ」のバリエーションを試着。スクエアフレームの「Blayzer Optics(ブレイザー オプティクス)」も既存の人気モデルがベースです。スペックは一緒で度付きレンズ対応。
北條:ギラつきが薄めで生真面目な印象です。なんらかのオーディションで審査員席にいそう。
薬師神:北條さんのサングラスも試着したい。
北條:どうぞどうぞ。
北條:薬師神パイセンが黒サングラスの「ヘッドライナー」を掛けると、そこはかとなく杉山清貴感が漂いますね。さよならオーシャン愛の海…。
薬師神:北條さんが試着すると「ウェイファーラー」が小ぶりに見えるよ。
北條:えっと、この企画、「似合うサングラス探し」ではなくて「AIグラスの検証」なので!
④Ray-Ban Meta Scriber Optics
薬師神:試着する4モデル目はラウンドフレームの「Scriber Optics(スクライバー オプティクス)」。これも度付きレンズ想定です。
北條:個人的には丁番の裏側で小さくドヤってる「Meta」の企業ロゴが好みです。
薬師神:ボクはメカニックが透けて見える薄いトーンのほうが好きかも。「AIグラスを着用しています。大丈夫ですか?」って周囲にわかるし自分にとっても他人にとっても安心感があると思うの。なんだろうこの日本人的な感覚は…。
北條:黒のAIサングラスで記念撮影しましょう!
薬師神:ええっ!?
最後に、メタAIを採用したそもそもの「レイバン メタ」について。「AI」と混同されがちな「AR(拡張現実)」とは異なり、レンズ内で目視できるスカウターのような透過型ディスプレイは搭載していない。「レンズを媒介にした音声感知型のスマートグラス」、それが「レイバン メタ」だ。
薬師神:すでに欧米諸国では700万台が売れています。あと、ARバージョンも米国のみで販売中…。欲しい。
日差しが突き刺さるこれからの季節、サングラスと旬の「AIグラス」を併せ持った「レイバン メタ」はボーナスの投入先にうってつけ。リアルかつ等身大の試着ルポを参考に、購入計画を立てよう。
薬師神:「ウェイファーラーが至高」などと決めていないのであれば、お店でたくさん試着して、店員さんと一緒にAI機能を試すとよいと思います。
北條:「Hey Meta、話題の『レイバン メタ』は買うべき?」
Ray-Ban Meta (Gen 2)
発売日(日本):2026年5月21日(木)
モデル名(6):Ray-Ban Meta [Wayfarer, Headliner, Skyler, Scriber Optics, Blayzer Optics]
価格帯:¥73,700~¥89,100
問い合わせ先:
Luxottica Japan Customer Service
TEL:0120-990-307