黒スニーカーは大人の足元の大定番だが、周りと差をつけるなら手に入れるべきは人気ブランドやショップがタッグを組んで送り出したコラボ・別注モデル。東京スニーカー氏ことエディターの小澤匡行さんが注目する5型の新作は、どれもスタイリッシュでインパクトも抜群だ。
01:COMME des GARÇONS HOMME PLUS|NIKE AIRMAX DOLCE SP CDG
25年経った今ちょうどいい“近未来的”デザイン
「2002年に発売された知る人ぞ知るナイキ エア マックス ドルチェを今シーズン、コム デ ギャルソン・オム プリュスがナイキとのコラボレーションでピックアップしました。エア マックスの中でもかなりマイナーなモデルです。サイドパネルのモールドに近未来的なムードが漂うデザインは、2000年前後のバッシュにもあって、当時のエア ジョーダンにも似たようなモデルがいくつかありました。スニーカーの形が大きく変わり始めた “あの時代感”が凝縮されています。
今はY2Kの近未来的なデザインがブームですが、リアルな2000年代にはむしろ脇役的な存在でした。あの頃は復刻文化がストリートの主流だったので、80年代のアメリカの靴――ナイキならダンクやエア フォース 1が軸。だからこの時代を象徴するハイテクな新作を、僕は通ってこなかった。ただ2000年代が再評価される今、こうしたコラボや復刻を見ると、懐かしさと新鮮さが同時に押し寄せてきます。
25年を経て漆黒のナイキ エア マックス ドルチェを目にしたとき、素直に“カッコいい”と思えて、今なら履けるかも? とも感じました。モード文脈の人たちは当時、こうしたハイテクシューズを “近未来的”なサイバーシックで履いていたけれど、僕は未来を感じるような履き方はしません。スポーティに振りすぎず、ギャルソンならではの“黒”の魅力を活かしながら、革靴を履くような感覚でコーディネートしたいです」(小澤)
02:BLACK COMME des GARÇONS|NIKE LD-1000
“青春”を呼び起こす名品が意外性のある配色で
「ヴィンテージブームの90年代、10代の僕にとってナイキのLD-1000は憧れのランニングシューズでした。後から見るとハの字のような末広がりの台形型ソールは、安定性を高めるためのデザインでした。1977年の発売当時、画期的でしたが、走行時にソールが当たる不具合でリコールとなり、逆にその対応によってナイキの信頼が高まったというエピソードがあります。
ここ数年、ナイキとギャルソンとのコラボはミニマルな黒×黒のカラーパレットが多かったので、この黒×ピンクという配色は想像もしていなかった。ギャルソン・ファンにはそれほど違和感がないのかもしれませんが、LD-1000にショッキングピンクという配色は僕にとってかなり意外でした。
実は今年最初に買ったスニーカーがLD1000で、レザーの黒×オフホワイトの配色を選びました。この時代のメッシュのランニングシューズは、自分の中でいつもまでも“青春感”があり、つい手が伸びてしまう。それこそ当時はイエロー×オレンジのような派手な配色が当たり前だったので、今になって黒×ピンクに惹かれたのかもしれません」(小澤)
03:FOOT INDUSTRY for BEAUTY&YOUTH|SOFT GAT SHOES
ファッション系薄底シューズのエントリーモデル
「アスレッチックシューズとは別の文脈で薄底を楽しみたい人に、ちょうどいい一足を見つけました。国内でフットウェア製品の製造・研究・開発を行うフットインダストリーに、ビューティー&ユースが別注した『バレエトレーニングシューズ』です。このブランドは2014年にスタートしていて、ファッション視点をうまく捉えたスニーカーを多く手がけています。
『ソフト ガット シューズ』は薄底のレトロランニングシューズをベースに、バレエシューズのディテールをミックスしたモデル。ビューティー&ユースの別注ではアッパーの素材を光沢のあるナイロンとやや毛足の長いスエードを切り替え、履き口にギャザーを入れることでモダンなルックスと快適な履き心地を両立させています。アッパーをブラックのワントーンにして、よりミニマルに見せているのもビューティー&ユースらしいです。
この別注シューズにはトレンドのキーワードがいくつもバランスよくミックスされています。モード感のある薄底ファッションシューズを気軽に楽しみたいと思っている人にとって、とてもいいエントリーモデルになるのではないでしょうか」(小澤)
04:ASICS SportStyle × MIYAKE DESIGN STUDIO|HYPER TAPING
共同プロジェクト「イッセイミヤケフット」の第1弾
「昨年、パリで発表された三宅デザイン事務所とアシックスによる共同プロジェクト、『イッセイミヤケフット』の第1弾スニーカーが1月5日に発売されました。ミッドソールのないロープロファイルで、モデル名は『ハイパー テーピング』。アシックスのアイコンであるアシックスストライプを、テーピングとして再解釈しています。
アシックスストライプはほかのスポーツブランドのアイコンと同様に、もともとはアッパーの補強やフィット感の向上など機能の一部として考案されました。そういう背景から生まれてきたものを、運動をサポートするテーピングの概念に置き換え、デザインに昇華しているのが実にイッセイミヤケらしい。そういったファッションの視点からとらえた革新性や哲学を楽しめるシューズって貴重だし、何よりもこのデザインが素直にカッコいいと思いました。
グリーンやグレーといったよりイッセイのイメージが強いカラーもラインナップしている中で、やっぱりUOMO世代にはこのブラックをおすすめします。オールブラックで、レザーやエナメル、メッシュなどアッパーの素材の配し方が際立つし、テーピングの使い方も巧みです。ルメールのストレートスラックスを穿いていたときに試着したのですが、上から見たときの計算された素材の切り替えに感動しました。デザイナーズブランドが関わってこその端正な一足は、まさに大人のためのスニーカーだと思います」(小澤)
05:adidas Originals for ADAM ET ROPÉ |SAMBA OG
サンバOGをちょっとしたアレンジで鮮度UP
「少し見飽きた感があるかもしれないサンバは、ブロークコアの流行で2022年頃から脚光を浴び、Y2Kファッションと結びついて大ブレイクしました。そこから枝葉のようにトレーニングシューズやフットボールシューズがリバイバルし、大きな流れを生んだことで、若い世代にとってサンバは“ひとつの軸”としてとらえられていると思います。
僕から見ると、いよいよサンバがスタンスミスやスーパースターと肩を並べる存在になっている気がして、フットボールのような一過性の流行がなくなってもサンバは残るんじゃないかと感じます。サンバ自体は1950年代にルーツがあるモデルですが、Y2Kという現代のファッションやスニーカーカルチャーの大きなカテゴリーの中で、アディダスの時代性を象徴するのがサンバなのだろうと思います。
サンバは基本的にベーシックカラー中心だから、一足持っていたら買い足しは不要だし、特に派手な色に挑戦したいわけでもないじゃないですか? そんな中にあってアダム エ ロペの今季の別注は、モダンなアレンジが施されていて目を引きました。
アウトソールをブラウンのガムソール、ライニングもブラウン系のレザー調素材でまとめ、コントラストカラーの白ステッチをきかせています。黒×茶色の配色やクラフト感といった旬の要素がうまく落とし込まれていて、シンプルながらも大人っぽく見えたので、今回ピックアップしてみました」(小澤)
コム デ ギャルソンTEL:03-3486-7611
ビューティー&ユース 丸の内店 TEL:03-6212-1500
アシックスジャパン カスタマーサポート部
ジュンカスタマーセンター TEL: 0120-298-0133














