2022.07.26

香山 哲(漫画家)「アドレスホッパーのように心地良い場所を常に探求中」

2018年からドイツ・ベルリンに拠点を移し、近著『ベルリンうわの空』では、人と街と社会のかかわりを温かくもユーモラスに描いている香山さん。揺れるヨーロッパでいま考えていることとは。

香山 哲(漫画家)「アドレスホッパーのよの画像_1

香山 哲さん/漫画家

 自分らしく暮らせる街を探し続け、現在はベルリンに定住して4年目の香山さん。不安定な情勢に見舞われている欧州にあって、次作はどんな構想を練っているのか聞いた。

「コロナ禍に加え、1000㎞ほど先ではウクライナ侵攻が続いていますが、僕のベルリンでの暮らしは特に変わりません。人間はパンデミックを何度も経験してきたし、ヨーロッパにいると日本では大きく報道されない軍事ニュースがたびたびあります。その一つ一つで心がネガティブに引っ張られないよう、自分のできることに打ち込むしかありません。そもそも、どこでも一人で熱中できる仕事をしていますから。次作は“越境”をテーマにしたファンタジー。制作のヒントはあらゆるところにあふれていて、例えば今、夢中の『クラブハウス』では遠いエジプトからの参加者と交流したり、世界各地の人の話が聞けて面白い。今の興味は、気温が年中フラットなグアテマラなどの国々。公用語に多いスペイン語を勉強中です。実は本質的に人間が好きになれないというか…もっと社会はよくなれるはず、と期待して次の居住地を探し越境を求めてしまう。ベルリンは好きですがここじゃなきゃ嫌だという考えはないんです」

『中南米うわの空』が読める日も近い!?


TETSU KAYAMA
1982年兵庫県生まれ。2008年から漫画、デザイン、アプリ開発などフリーランスで活動。代表作に文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査員推薦作品『香山哲のファウスト1』、アングレーム国際漫画祭オルタナティブ部門ノミネートの『心のクウェート』、『ベルリンうわの空』シリーズ。次作への構想過程を現在進行形で漫画化している『香山哲のプロジェクト発酵記』をebookjapanで無料連載中。



Interview&Text:Takako Nagai

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