2021.10.19

ジェントルメン中村「作画も台詞もバイブスを大切にインパクトのある一話を」

連載中の「セレベスト織田信長」「異世界プロレスラーマキト」をはじめ、とにかく熱くシュールな漫画にコアなファンが多数。ひたすら漫画を描き続ける日々、その制作背景を聞いた。

ジェントルメン中村「作画も台詞もバイブスの画像_1

ジェントルメン中村さん(漫画家)

迫力ある作画にユーモアあふれる展開。一度見たら癖になる漫画で熱い支持を集めるジェントルメン中村先生にその創作過程を尋ねた。

「一話ごとの構成であるネーム作業はいまだにつらい。睡魔に襲われてはツイッターを眺めたり散歩をしてみたり、早朝に起きてダイニングテーブルの周りをぐるぐる歩き続けてひねり出すことも」

生みの苦労がある中でもネタ帳や資料を使うことはなく、着想は人間観察にあるという。

「僕は人間味のある人が大好き。キャラクターのモチーフは人生で出会ってきた先輩方や後輩たちの集大成のようなものです。日々の具体的な出来事を集めているわけではなく、価値観を理解することに肝がある。例えば、豪快な人なら迷いのある局面でどういう思考をするのか。エピソードそのものよりも、人の“イズム”を知ることが面白い。そのほうが応用がきくのでどんなストーリーにも落とし込みやすいんです。人の顔もよく観察していますよ。よく見ると人間の筋肉やシワってつながっていて、直線ではできていませんから表情にうねりがある。それをとらえて人の内にあるバイブスごと描き出したいですね。実際、自分の想定を超える作画ができている実感があるときは、幸せな瞬間。脳汁が吹き出しますね」

次の一作にも期待せずにいられない。


撮影したのは神保町の街を代表する大型書店
「書泉グランデ」
住所:東京都千代田区神田神保町1の3の2 
TEL:03-3295-0011 
営業時間:11時~20時 
休み:元日


Gentlemen Nakamura
2003年、別冊ヤングマガジンにて「マスラオ桶狭間」でデビュー。代表作は『プロレスメン』『ようこそ!アマゾネス☆ポケット編集部へ』。



Photo:Kanta Matsubayashi
Interview&Text:Takako Nagai

RECOMMENDED