ご回答いただいたのはこちらの3人

●福永涼子さん(FPオフィス「あしたば」所属)
●安藤宏和さん(FPオフィス「あしたば」所属)
●平原直樹さん(「ブロードマインド」所属)


Q1

支出から月1万円を削減したい。まずどこを見直すべき?

[見直すべき4大固定費はこれ!]

「即効性があっておすすめなのは毎月の固定費。特にスマホを含む通信費は格安スマホなどの選択肢が増えているので、それだけで毎月数千円が浮くことも珍しくありません。保険に加入しているなら、同じ内容で保険料が削減できるケースもありますし、本当に必要かどうか見直す余地はあると思います。車なら維持費、住宅ローンなら金利の見直しを。低金利時代なので少額かもしれませんが、金利が安くなるなら借り換えを検討しましょう。最近は、サブスクを見直すとまとまった金額に。支出項目を洗い出して、使途不明金をクリアにすることも大事です。月1万円なら簡単に削減できると思いますよ」(福永)


Q2

月々の収入のうち、教育費にどのくらい回すべき?

「子ども1人を大学まで進学させるのにかかる金額は、1000万〜2000万円。一般的に最も教育費がかかる時期は18歳頃なので、それまでに300万〜500万円は用意しておきたいところ。例えば年収600万円と仮定すると、年収の3〜5%は教育費(5%の場合月換算2万円)として毎月積み立てましょう。また、幼少期の習い事で使いすぎると必要な時期に足りなくなってしまいます。教育費は将来必ず必要なコスト。子どもが18歳になるタイミングから逆算して、習い事にどこまで出せるか判断を。結婚・出産から18〜20年がたつと住宅ローンに加えて家電の買い替え、親の介護など、さまざまな出費が重なる時期でもあります。日々のやりくりでしのぐのは難しいので、20年先を見据えて用意していくことが重要。児童手当をそのまま貯蓄するのも賢い手です」(福永)



●児童手当:子ども1人につき総額約198万円が支給される(第1子、第2子の場合)。中学校卒業まで1人につき原則月1万円(第1子・第2子の0〜3歳未満、第3子以降の小学校卒業までは月1万5000円)を支給。年収960万円以上の場合、子ども1人につき月5000円を支給。2022年10月以降、年収1200万円以上は適用外となる。出典:『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)


Q3

40歳を過ぎての第1子。子どもを大学まで行かせられるか不安

「40歳だからといって特に心配はありません。収入の一部を確実に貯蓄に回していきましょう。ただし、年収の3〜5%分を教育費に回すのは小学生ぐらいまでのイメージです。40代で収入が上がったぶんは、支出ではなく教育費にしっかり回す意識を。40歳で子どもが生まれた時点で貯蓄が少ないなら、やや後れをとっているので意識的に増やす必要があります。教育費に限らず、貯蓄は年収の20%を目指すといいでしょう」(安藤)

出典:文部科学省「子供の学習費調査(平成30年度)」、FPオフィス「あしたば」お金の基礎知識〜


「マンション購入を考えている。住宅ローンの返済計画の立て方が知りたい!」

Q4

住宅ローンを借りるにあたって、固定金利と変動金利ではどちらがいい?

「大前提として、借り入れ限度額いっぱいで借りるのは、大幅な給与上昇の可能性がある20代まで。給与の上昇幅が少ない30代〜40代は避けたほうがいいでしょう。毎年の返済額の目安は年収の4割程度で考えるのが一般的ですが、家族の出費なども必要な30代〜40代は3割ぐらいまでに抑えて計画を立てるのが現実的です。最終的に固定金利と変動金利のどちらで借りるにせよ、購入時のシミュレーションは必ず固定金利で計算してください。金利の低い変動金利のほうがたくさん借りられる計算になるので、不動産会社は『いくらの物件を買えるか?』という視点から変動金利で計算しますが、われわれは『きちんと返していけるか?』という視点から返済計画は必ず固定金利で計算します」(平原)


Q5

子どもの学費はいつからどのように準備すれば?
学資保険は必要?

結論:早ければ早いほどいい



「生まれた直後はもちろん、夫婦で子どもをもちたいという共通認識があるなら、授かる前や妊娠中からコツコツため始めるぐらいのスピード感でもいいと思います。早く始めれば15年、20年とためる時間があるので、預貯金より積立投資のほうが利回りも見込めます。学資保険も選択肢の一つですが、重要なのは毎月、収入の一部を強制的にためられる手段であること。超低金利時代なので各種保険も高い利回りが望めず昔ほどは増えません。学資保険のように保障をつけたいなら、学資保険よりも期待利回りの高い変額保険が人気です。特に保障が不要なのであれば、国の制度で税優遇のあるつみたてNISAなど強制的に口座から引き落とされる方法を使って早めにため始めましょう。ちなみに、子ども名義で積み立てられるジュニアNISAは児童手当やお小遣いなど、子どものためのお金を運用していくイメージです。ただし、2023年での制度廃止が決まっています」(安藤)



●変額保険…掛け金の一部を運用することで、満期保険金や解約返戻金が増減する仕組み。元本保証はないが、死亡保険金・高度障害保険金は最低保証あり。
●つみたてNISA…毎月、自分で決めた額を積立投資していく少額投資非課税制度。毎年40万円の投資が20年間非課税となる。投資可能期間は2037年まで。
●ジュニアNISA…子ども名義で積立投資ができる制度。年間80万円までが非課税となる。2023年で廃止予定。


Q6

70歳までの住宅ローンを提案されたが、現実的とは思えません

「通常は35年ローンが一般的ですが、65歳までに完済できるのが理想的。資金をためてきた人であれば問題ありませんが、例えば45歳以降にローンを組む場合は借り入れ期間が短くなるため上限金額にも制限が出てきます。また、定年後にもローンを返済していけるのか心配する人も多いですが、賃貸であれば定年後も家賃は発生します。老後も家賃のコストがかかり続けることを考えれば、それほど大きな負担ではないはず」(平原)


Q7

持ち家と賃貸のメリット・デメリットを知りたい

「これは宗教論争のように昔から議論の絶えないテーマですが、結論としては物件次第です。賃貸の家賃は何も残らず消えていく一方で、持ち家を購入した場合は住宅ローンの返済こそあれ値下がりしない(売却が見込める)いい物件を獲得できれば、のちのち売却したり、賃貸に出せば家賃として戻ってくるのでメリットは大きい。『いい物件』とは、基本的には都市部でアクセスがよく、駅近の物件を指します。また、30代でのマイホーム購入は子どもの成長によって住み替えるなど、ライフプランが変わる可能性があるので新築にこだわる必要はあまりありません。それから、購入時より高く売れない=損をすると考える人がいますが、そうとも言い切れません。例えば3000万円で購入した家を2800万円で売却できれば、それまで差額分の200万円で暮らせたということになります。しかも分譲物件は一般的に同額の賃貸よりも広くていい物件であるケースがほとんどですから、都市部で、大きく値下がりする物件でなければ持ち家のほうが有利です」(平原)


Q8

持ち家に住んでいるが、子どもが成長して手狭になったので引っ越しを検討中。持ち家を誰かに貸して賃貸に住むのと、売却して新たに購入するのでは、どちらがいい?

「残念ながら明確な正解はありません。私の場合は、20代後半で結婚する際に2LDKのマンションを購入し、子どもが大きくなったタイミングで売却して新たに購入しました。一部例外を除いて住宅ローンの返済途中で新たに住宅ローンを組むことはできないため、売却金で完済してから新たに組むのが一般的です。誰かに貸して賃貸に移り住む手もありますが、入居者が入るまではローンと賃貸の家賃を二重に支払うことになるので負担は大きくなります」(平原)


Q9

夫婦共働きで財布は別々。毎月、生活費のみ共通口座であとは自由にしていますが、財布自体を一緒にすべき?

「別財布の家庭は増えていますし、共働きならなおさらです。別々なのが悪いわけではありませんが、一緒にすることで家庭としてのお金の流れが見通せるメリットは大きいと思います。別財布にする場合は、共通管理の項目をできるだけ増やしましょう。生活費だけでなく貯蓄用の共通口座をつくるなど、個々が自由に使えるお金があまり大きくならない工夫を。見えない部分が多いと浪費グセなどにも気づけませんし、お互いに『相手がためているだろう』と期待した結果、ほとんどためられていないケースも見られます。また、別財布だと不測の事態で片方の収入がなくなった場合に、もう片方の負担が大きくなって立ちいかなくなる可能性も。老後資金をためるうえでも、お互いがわかる形でシェアする部分を増やすことが大事です」(福永)



Interview&Text:Miyuki Kokubu
Illustrations:Yutaka Nakane