ファッションの現場で働くおしゃれな大人たちが、私的愛用品をレビュー。今回は「NEAT(ニート)」デザイナーの西野大士さんが愛用するLevi’s(リーバイス)のヴィンテージ「646 Big E」。パンツを知り尽くす西野さんが選んだのは、普段よりかなり大きい40インチ。あえて大きいサイズではくことで、646本来のフレア感をほどよく抑えたシルエットを楽しんでいる。
1983年、兵庫県淡路島生まれ。ブルックス ブラザーズ ジャパンのプレスを経て独立し、パンツ専業ブランド「NEAT(ニート)」を立ち上げる。現在はPRオフィス「にしのや」のディレクターとして国内外のブランドを手がけるほか、コラボレーションやショップ運営など幅広く活動。
30年近く、デニムの90%以上はリーバイス
「僕、デニムはほぼリーバイスしかはいていないんですよ。ファッションが好きになって30年近く経ちますけど、多分90%以上はリーバイスですね。
一番持っているのは501なんですけど、ヴィンテージのリーバイスとの最初の出会いは646だったんです。大学生の頃に働いていた古着屋のオーナーが西海岸好きで、その影響もあって、18〜20歳くらいの時に初めて646のビッグEを買いました。
当時はフレアパンツも流行っていて、よくはいていましたね。その一本は今も持っているんですけど、年齢とともにサイズが変わって、もうはけなくなってしまって。それから20年くらい646から離れていたんです」
「この一本を買ったのは5年くらい前。福岡にある、新品とヴィンテージを独自にセレクトするショップ『spares(スペアーズ)』で見つけました。福岡に行くとちょこちょこ寄るお店で、価格は4万円くらいだったと思います」
大きいから、フレアの見え方が変わる
「これ、実際にはいてみたら、サイズの大きさがすごく効いていたんですよ。 僕はもともとジャストサイズではくのがあまり好きじゃなくて、普段も34〜36インチくらいを選ぶことが多いんですけど、それでも40インチはかなり大きい。ベルトをしないとストンと落ちちゃうくらいです」
「でも、実際にはいてみると、この大きさがすごくよかったんですよ。646って、膝あたりが細くなって、そこから裾に向かって広がるシルエットじゃないですか。でもこれは40インチあるから、その細くなる部分自体が太いんです」
「しかも、買った時から裾が切りっぱなしで、もともと広がっていた部分も少しなくなっている。だから、ちゃんとフレアではあるんですけど、いわゆるラッパっぽさがそこまで強くないんですよね。
太さがありながら、裾に向かって少しだけ開いている。そのバランスがすごく好きです。5年くらい前に買ったものですけど、今でもちょこちょこはいている、かなりお気に入りの一本ですね」
シルエットを変えたくないから、ほとんど洗わない
「僕、そもそもパンツをあまり洗わないんですよ(笑)。ブルックス ブラザーズにいた頃は毎日スーツを着ていて、スラックスって基本的には家で洗わないじゃないですか。その感覚がずっと残っているんだと思います。
この646も、5年間でほとんど洗っていないですね。バーベキューに行って汗だくになって、炭の匂いまでついたとかなら洗いますけど、普通にはいたくらいなら洗わない(笑)」
「パンツブランドをやっていて改めて思うんですけど、男性って自分の好きなパンツのシルエットがかなり決まっていると思うんです。僕はよく『パンツって下着と一緒』って言っていて、一度気に入った形が見つかると、ずっと同じものをはきたくなる。
洗って縮んだり、丈が2cm変わったりすると、パンツの見え方って結構変わるじゃないですか。気に入っているシルエットを変えたくないというのは、自分の中ではかなり大きいと思います 」