ファッションの現場で働くおしゃれな大人たちが、私的愛用品をレビュー。今回登場するのは「BODHI(ボーディ)」のデザイナー、水谷倫さん。以前から、スウェットのように気軽に着られて、季節や場所を選ばないニットが欲しかったという。その思いを形にしたのが、自身が手がける「OPAL(オパール)」だ。
「BODHI(ボーディ)」デザイナー。カシミヤを中心とした上質な天然素材にこだわり、素材本来の魅力を生かしたものづくりを手がける。服だけでなく、靴やアクセサリーにも独自の審美眼を持ち、ワークやアメカジをベースに、モードなアイテムを取り入れたスタイルを好む。
黒とグレーを、週3〜4日着ています
「このオパール、普段から本当によく着ているんです。 黒とグレーの2色を持っていて、週に3〜4日はどちらかを着ています。
夏はTシャツやタンクトップの上に重ねて、冷房の効いた室内で着たり、暑ければ肩に巻いたり。秋から冬にかけては、一枚で着てもいいし、アウターの下に重ねてもいい。寒かったら着る、暑ければ脱ぐという感じで、気温に合わせて使っています」
「BODHIでは、もともとカシミヤ100%のアイテムを中心に作っていたんですけど、暖かい時期には暑くて着られない。もっと気軽に着られるものが欲しいと思ったのが、これを作ったきっかけでした。
普通のスウェットだと暑すぎることもあるし、カジュアルに寄りすぎることもある。かといって、いわゆるセーターとも違う。スウェットのように着られて、場所を選ばないものを作りたかったんです」
スウェットに見えて、実はニット
「見た目はスウェットですけど、実際は一枚編みのニットなんです。スウェットとニットって、そもそも編み方が違うんですよ。スウェットはアメリカの文化で、ニットはヨーロッパの文化。うまく2つの特性をミックスしたら、新しいものが生まれるのではないかと考えたんです。
スーツやドレス寄りのニットにも使われる細くて長い梳毛糸を使って、編み地の密度を調整しながら肉厚に仕上げています」
「襟や袖口の太いリブや、2本針ステッチも、機能性を考えて取り入れたディテールです。そうした要素が組み合わさることで、結果的にスウェットらしい見た目になっているんです。
素材はシルクとカシミヤで、表面は起毛させずにサラッと仕上げています。スウェットっぽい見た目だけど、着るとニットらしい柔らかさがあるんですよね」
気兼ねなく洗えて、長く着られる
「シルクカシミヤって聞くと、扱いが難しそうに思うかもしれませんけど、僕は裏返してネットに入れて、洗濯機で洗っています。2〜3回着たら一度洗うくらいですね。
昔、ヴィンテージの服を扱う仕事をしていたときに、何十年も前のカシミヤがきれいな状態で残っていることに驚いたんです。天然素材は着込むことで表情が変わっていくものですけど、カシミヤには長く使える魅力がある。だからこそ、日常で気兼ねなく着られるものにしたかったんですよね」
「このオパールも、特別な日に着るというより、普段から気兼ねなく着るためのもの。自分で作ったものなので手前味噌ですけど、黒もグレーも、今の僕には欠かせない存在になっています」