Vol.14

ポール・スミスのMINIと
ひねりの美学

Paul Smith×MINI

ポール・スミス_MINI_コンバートEV

 クラシックかつモダン。シックでいてヴィヴィッド。一見、相反する要素でありつつも、巧みなデザインの力でいつの時代も幅広い層を魅了し続けるポール・スミス。ジェントルさの中に独特なユーモアが感じられるのは、デザイナー本人のキャラクターが垣間見えるからだろうか。


 ポール・スミスとMINIのコラボレーションは、’90年代のクラシックMINIへと遡る。そもそもクラシックMINIのデザインに改善の余地などあるのか?と思えるが、1998年に登場したリミテッドモデルは、ポール・スミスらしい特徴的なブルーのボディとアクセントカラーが人気を博し、日本では1000台を超えるセールスを記録。そんな伝説のコラボモデルがコンバートEVとなって「MINI Recharged」として復活した。


 注目すべき点は、単にパワートレインを電動化しただけではなく、サステナビリティにより注力すべく、内装にプラスチックやレザーでなく再生可能素材を使用したアップサイクルな仕様になったこと。


 さらに現行のMINIのEVモデル(国内未発売)をベースに、ポール・スミスがより持続可能なデザインに挑戦したコンセプトカー「MINI STRIP」も目のつけどころが面白い。ボディをあえて塗装せず、鉄板剝き出しの状態でクリア加工した斬新な仕上がりや、インテリアのダッシュボードまわりには接着剤を使わずに再生コルクを採用するなど、クリエイティブな視点でアップグレードされた点が随所に見受けられる。どちらのMINIもコンセプトカーだが、ぜひとも販売してほしいものです。



ポール・スミス_MINI_粗削りな状態のまま

1〜3【MINI STRIP】あえてボディはペイントをせず、粗削りな状態のままに。サビを防ぐためのクリア加工はしてあるが、所々に工場での研磨跡などが見てとれる(1)。

ポール・スミス_MINI_ダッシュボード

ダッシュボード中央のメーター部分にはスマホを置くことができ、そのままメーターの役目を果たす想定。ダッシュボードやドアトリムには再生コルクを用いている(2)。


ポール・スミス_MINI_給電口のリッド

3Dプリンターで作った給電口のリッドは、ポールによるデザイン。どことなく顔に見えるのが面白い(3)。

ポール・スミス_MINI_エンジンルーム

4〜6【MINI Recharged】ライムグリーンのバッテリーボックスが鎮座するエンジンルーム。即興でサインしたというラフさがユニーク(4)。


ポール・スミス_MINI_ステアリング

とことん無駄を排した内装だが、スポーティとは違った印象なのがポール・スミスらしい。ステアリングにはこれまた自転車好きなポールらしく、ロードバイクのバーテープが巻かれている(5)。

ポール・スミス_MINI_シャツの色

’90年代のコラボモデル開発時に、ボディ色についてエンジニアから相談された際、ポールがそのとき着ていたシャツの色を指定したのは有名なエピソード(6)。


神保匠吾
1982年福岡県生まれ。オンラインモーターマガジン「DRIVETHRU」ディレクター。学生時代に乗っていたBMW初代3シリーズ(E21)を電動化し、EVライフを実践中。詳しくはhttps://drivethru.jpへ。



Illustration: Tabito Sugiyama
Text: Shogo Jimbo

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ポール・スミス_MINI_コンバートEV

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