レンジローバー・バンデンプラ 
1994年式

利便性より好きなモノと暮らしたいか。
覚悟があれば乗り越えられる。

レンジローバー・バンデンプラ 1994年式

乗るだけで気分があがる。
しかし一筋縄ではいかない

松川 総さん(40歳)/スタイリスト
 松川さんが初代レンジローバーを手に入れたのは、約1年前。それまでは、三菱・デリカD:5に乗っていた。
「デリカはすごくいいクルマだったんですが、優等生すぎてテンションがあがらなくて。仕事柄、自分のクルマで動くことが多いので、次は乗っているだけで気分をあげてくれるようなクルマを選びたいと思ったんです」
 専門店から買ったレンジローバーは、クルーザーのような乗り心地といい、品格漂うインテリアといい、期待どおりに気分をあげてくれた。しかし…。
「1年で5回修理に出して、レッカーも二度経験しました。7歳の息子は気に入ったようですが、わが家はこれ一台なので妻はデリカが懐かしいと(笑)」
 いま悩んでいるのは、夏に熱害を受けたエンジンからの異音で、オーバーホールの見積もりは150万円。レンジと過ごす充実した時間と、150万円を天秤にかけ、悩む日が続いている。



レンジローバー・バンデンプラ 1994年式 トランク レンジローバー・バンデンプラ 1994年式 座席

初代レンジローバー、いわゆるクラシック・レンジは1970年から’96年まで生産された超長寿モデル。実は’94年に二代目レンジが発表されたが、ファンの希望に応えて、初代も2年間併売された。松川さんの愛車はその最終型で、最上級仕様のバンデンプラ。外観だけでなくインテリアの上品な世界観もお気に入りで、広い荷室に衣類や小道具を積み込んで仕事をこなす。



レンジローバー・バンデンプラ 1994年式 ハンドル

バンデンプラのレザーシートは、ロールスロイスなどにも使われるコノリー社製。前後シートともに着座位置が高く、見晴らしが良いのも初代レンジローバーの特徴だ。

レンジローバー・バンデンプラ 1994年式 サイド

品格漂う「モスウッドグリーン」はバンデンプラの専用色。後輪からリアバンパーにかけての切れ上がったラインは、現行モデルにも受け継がれている。



Photos:Kosuke Tamura 
Text:Takeshi Sato