香りは男のたしなみ。どれを選んだらいいかわからないという初心者から、複数の香りを使い分けている上級者まで、一度は試したい各ブランドを代表する香りをピックアップした。
01:エルメス|テール ドゥ エルメス
仰向けに横たわり、空を見つめ、大地を感じる。そんな感動を表現した草木とミネラルに溢れる香りは、大地と空の間で生まれた男性のためのもの。
ウッディノートをベースに、シダーの力強さとグレープフルーツのさわやかさをプラス。そこに溶け合うのは、人間と大地に生命を吹き込む“内なる炎”を暗示するシレックス(火打石)の力強いノート。“TERRE(大地)”の名を冠したこの香りは、無限の変化を続ける魅力を秘めた男のシグニチャー。カジュアルからシック装いまで、幅広いシーンで纏いたい。
02:シャネル|ブルー ドゥ シャネル オードゥ パルファム
アロマティックでインテンスな香りで世の男性を魅了し続ける「ブルー ドゥ シャネル」。シリーズの4つの香りの中でも、濃厚でラグジュアリーなブルー ドゥ シャネル オードゥ パルファムは定番中の定番だ。
シトラスのパワフルな爽やかさで心を惹きつけ、センシュアルなセダーと、ニューカレドニア産サンダルウッドによる、なめらかで深いウッディの余韻が長く穏やかに続く。高濃度でありながら拡散しすぎず、肌の近くで静かに香る“濃いのにうるさくない”芳香が、落ち着きや上質感を演出。さりげない色気を求めるビジネスパーソン必携だ。自分の道を自分で拓く男性に捧ぐ香りは、スーツとも好相性。
03:ロエベ|ロエベ エセンシア エリクシール
ロエベ パルファムのなかでもとりわけ話題のエリクシールコレクション。ブランドのアイコニックな香りを再解釈して生み出される、“進化した香り”だ。なかでも人気を集めるのは、生命のコード・DNAからインスピレーションを得たというエセンシア。
アロマティックでウッディなアコードに、レザーやパチョリ・ベチバー・アンバーなどのスモーキーなノートをブレンド。30%というかなりの高濃度で配合されたエッセンシャルオイルが、アロマティックな独特の残り香を漂わせ、まとう人に力と自信を与えてくれる。ここ一番の大切な日に、スーツの奥にそっと忍ばせて出かけたい。
04:ディオール|ソヴァージュ オードゥ パルファン
日没後の涼しい空気が、地球の最も深い香りを呼び覚ます魔法の時間。そんな神秘的なトワイライト タイム“マジックアワー”を表現。みずみずしくもほろ苦いカラブリアン ベルガモットが、パプアニューギニア産バニラ アブソリュートに包まれ、センシュアルで神秘的な印象をもたらす。世界で最も売れているというのも頷ける、力強くも気高い、多面的な美しさをもつ香りは、ファッションを選ばず“自分”を象徴する香りとして常に手もとに置いておきたい。
たとえば、夕方のオン・オフ切り替えのスイッチなど、香りで雰囲気を変えたいときに最適。深みのある大人の気品を演出し、内に秘めた魅力を引き出してくれるはずだ。
05:トム フォード|ネロリ・ポルトフィーノ オード パルファム スプレィ
イメージソースはイタリアの避暑地、リビエラ地方ポルトフィーノ。クールなそよ風、弾ける透明な水しぶき、そして青々と茂るフレッシュな木々の緑。ヨーロッパの伝統的なオーデ コロンをトム フォード流に解釈した、爽やかでどこか懐かしさも感じさせる、爽やかなネロリの香りの虜になる人が続出。
チュニジアン ネロリをはじめとする選りすぐりのシトラスに、ラベンダーやローズマリー、アンバーがリッチで複雑な趣をプラス。まとう人に清潔感と安心感をもたらす香りは、シーンを選ばす愛用できそうだ。マイベーシックな1本として持ち、ウッド系やフルーツ系の香りとのレイヤリングを楽しむのもおしゃれ。
06:ディプテック|オー ド パルファン オルフェオン
ディプティックの創業者たちが愛したジャズクラブ「オルフェオン」を香りで表現。トンカビーンズの温かみ、シダーの深み、ジャスミンの豊かさ、そして快活なジュニパーベリーが描き出すのは、店内の木製品やカウンターに染みついた、くゆるタバコの煙や女性たちのパウダリーな残り香。
知識人とボヘミアンのエスプリ、さまざまな独創性が出逢って混じり合い、いくつもの夢がかたちになった“カルチェラタンの社交場”にオマージュを捧げたウッディフローラルは、性別問わず高い人気を誇る。夜遊びのお供にもぴったりだ。
07:メゾン マルジェラ |レプリカ オードトワレ ジャズ クラブ
ニューヨーク・ブルックリンのプライベートジャズクラブをイメージしたエモーショナルな香り。ラムアブソリュートとバニラビーンで再現されたラム酒の芳醇な甘さと、タバコの煙を思わせるエレガントなスモーキーさが混じり合った豊かで心地よさが、大人の余裕と深みをブーストする。
香りが持つ重厚感とヴィンテージ感に合わせた装いや、レザーアイテムを着た日にまとうのは大正解。だが、あえてデニム×白シャツのカジュアルアップにこの香りをチョイスしてギャップを楽しむこともおすすめしたい。
08:ジョー マローン ロンドン|ピオニー & ブラッシュ スエード コロン
優美で華やかなフローラルに、赤く熟したリンゴのジューシーさとスエードのやわらかさが重なる、上品でモダンな香り。肌にのせることでほどよい温かみと奥行きが生まれ、男性にも絶妙に、そして自然になじんでいく。
柔らかさと色気のオーラをもたらして、さりげなく華を添えてくれる香り立ちは、ごくシンプルなシャツやジャケットスタイルによく似合う。
09:ル ラボ |サンタル 33 オード パルファム
ル ラボのシグニチャーとして、ニューヨーカーに特に愛される香り。イメージは、アメリカ西部の険しく広い平原で孤独に座って眺める焚火。サンタル(白檀)の名が示すように、最初は焚火が消えた後に柔らかく煙る数種の木のような香りが。スパイシーでレザリーなムスキーノートの間からやがて立ち上るカルダモンやアイリスのノートは、広大な砂漠に吹くやわらかな風を思わせる。
奥深いのに重くない、野生を感じさせながらも洗練を極めた、世代や性別を軽く飛び越えてしまう心地よい香りのクリエイション。ほどよく力の抜けた、洒脱感ある大人たちによく似合うはずだ。
10:イソップ|タシット
「タシット(Tacit)」とは、言葉にせずとも伝わる“暗黙の”という意味。その名の通り、このフレグランスはまとう人のパーソナリティを静かに、しかし確信を持って引き立てる。
親しみやすいユズのシトラスノートから始まる香りは、バジルの清々しいグリーンへと移ろい、都会的で凛とした知性を演出。肌をなでる風に溶け込むような爽快感、過度な装飾を排したそのクリーンな佇まいは、ビジネスシーンにおいても相手に心地よい信頼感と、洗練を印象づけてくれるに違いない。