2025.10.03
最終更新日:2025.10.03

【ビスポークテーラー 平野史也が語る「時計とスタイル」】時計と靴の色は必ず合わせる

ドレッシーな格好を極めた大人は、どう時計を選んでつけているのか。

時計のベルトと靴の色は必ず合わせる

サイドアジャスターでウエストを絞ってサスペンダーでつっています
「スラックスのベルトの色と時計のベルトの色を合わせる人がいますが、バックルの主張が強くなることもありますし、私はあえてベルトはしない主義なんです。代わりにサイドアジャスターでウエストを絞ってサスペンダーでつっています」。

仕事でもプライベートでも
ドレスウォッチをつけたい

 サヴィル・ロウのヘンリープールで修業し、現在は西麻布でテーラー「フミヤ ヒラノ ビスポーク」を構える平野さん。

「一年の多くをスーツで過ごす私にとって、時計は“自分らしさ”を体現できる唯一のアクセサリー。スーツと調和して美しく見えるデザインや形が選ぶ基準です。また私は腕が細いので、ケース径が小さく、シャツに干渉しない薄さが必要。ただ、そうしたものは現行品ではほぼないので、ヴィンテージで理想の一本を探しました。そんな折、江口時計店で出会ったのが、ヴァシュロン・コンスタンタンの手巻き。マルタ十字のロゴが入らない年代のもので、32㎜と小さくエレガント。これ見よがしではなく、人とかぶりにくいのもいい。ベルトはステッチのない黒のクロコダイルをつけています。黒ベルトは必ず黒靴と合わせますね。
 一方で、カルティエのタンクをカジュアルに使うこともあります。こちらはステッチのないベージュのクロコ革に替えていて、ブレザーとスラックス、ベージュのコットンスーツに茶靴といった装いに合わせることもあれば、ローテクの白いスニーカーにも意外と合うんです」

’60年代のヴァシュロン・コンスタンタン
盛り上がったラグが装飾的な、’60年代のヴァシュロン・コンスタンタン。スモールセコンドがドレスウォッチ特有の緊張感を緩和させている。
ブラックフェイスにローマンインデックスという珍しい仕様
ブラックフェイスにローマンインデックスという珍しい仕様だが、明るいベージュのクロコベルトとのコンビネーションはさらに新鮮な印象を与える。

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