2026.06.13
最終更新日:2026.06.13

1位はメゾンマルジェラの「アートピースのような一足」。大人が買うべき新作スニーカーBEST5【2026年6月】

2026年5月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!

BEST5:MARANT | SENNYH LOW SNEAKER

MARANT | SENNYH LOW SNEAKER
スニーカー¥79,200/マラン(イザベル マラン 青山店)
MARANT | SENNYH LOW SNEAKER
MARANT | SENNYH LOW SNEAKER

アクセサリー的なアプローチが活きる新作

「かれこれ10年近く前かな。イザベル マランがメンズラインのマランを立ち上げた当時、パートナーシップを締結していたトゥモローランドが推していて、展示会などでマランのスニーカーをよく目にしていました。今でいうアフォーダブルラグジュアリーという立ち位置で、その頃からクオリティの高いスニーカーを真摯につくっている印象がありました。

その後、意識的に追うことはなかったんですが、先日ショールームで偶然、この『セニー ロー スニーカー』を見かけ、しっかりとラグジュアリーなものづくりをしていることに改めて感心して。ブラウン系のスニーカー、特にスエードアッパーのロープロファイルモデルはトレンドのど真ん中、すごく今の気分でデザインされています。

ガムソールはミリ単位という薄さですが、履いてみるとレザーライニングやインソールのクッション性のおかげで、履き心地は快適。何よりも肉厚で滑り感のあるスエードは高級感があります。どことなくバッグのような佇まいもあり、スニーカーというよりアクセサリー的な発想でつくられているように感じました。ステータス性も含めて、ラグジュアリーブランドが手がけるスニーカーとしての説得力があります」(小澤)

BEST4:SKINNERS®|Easygoer

SKINNERS®|Easygoer
スニーカー¥ 31,900/ スキナーズ
SKINNERS®|Easygoer
SKINNERS®|Easygoer

足をやさしく包む注目のゼロドロップシューズ

「とあるブランド目当てに輸入販売会社であるストライドへリサーチに行ったとき、このスキナーズを紹介されました。聞けば2014年に始動したチェコ発の比較的新しいブランドで、ベアフット理論をベースに日常に溶け込むシューズをつくっているそうです。いくつかモデルがありましたが、オブリークトゥのレトロなルックスがどこか懐かしい『イージーゴアー』に惹かれました。

履いてみると締め付けがなく、本来の足の感覚が呼び起こされるような印象を受けました。心地よさというよりも、ナチュラルな履き心地を志向しています。だからこそ足指が本来の自然な形で広がるワイドトゥボックスで、いかにもベアフットシューズらしいフォルムになっている。個人的にはこのボテッとしたアッパーと薄底のプロファイルがアンバランスで、かわいいなと思いました。

アッパーには最高級のスエードを使用し、天然ラバーを用いた4.5mmのアウトソールは傾斜のないゼロドロップ構造になっています。価格は3万円台と決して安くはありませんが、健康的な姿勢に導いてくれるシューズと考えればリーズナブルですよね。姿勢を整えたい人が日常的に履く一足としておすすめですし、ファッションとしての可能性も感じました」(小澤)

BEST3:AURALEE × New Balance|204L

AURALEE × New Balance|204L
スニーカー¥26,400/オーラリー×ニューバランス(ニューバランスジャパン お客様相談室)
AURALEE × New Balance|204L
AURALEE × New Balance|204L

“引き算デザイン”シューズでのコラボに納得

「昨年6月のパリのランウェイショーの動画を見たときから気になっていた、オーラリーとニューバランスのコラボレーションモデルがやっと発売になります。204Lはこの連載でも取り上げましたが、今のファッションの流れから生まれた新しい品番です。2025年秋にデビューしました。横から見るとY2Kムードのボリュームのあるアッパーに薄いソールを融合したわかりやすい一足ではあるものの、上から見たときのフォルムがきれいです。

1970年代のランニングシューズ、320やスーパーコンプなどの細身のシルエットを現代的にアップデートして採用しているから、とてもシャープ。アッパーはハイテク系のデザインながら、実はすごく引き算でできている。オーラリーとニューバランスのコラボレーションではさまざまな品番が登場しましたが、いつもファッション文脈でスニーカーのトレンドを引っ張ってくれる教科書のような存在になっています。

今回はホワイトライムとダークブラウンの2色展開で、僕はホワイトライムが推しです。オーラリーらしいやわらかくて透明感のあるカラーパレットを、そのまま靴で表現している感じがして好印象を持ちました。合わせやすさでいえばダークブラウンかもしれないけれど、ホワイトライムのような配色のスニーカーをインディゴのデニムパンツに合わせたらかわいいと思うし、ダークトーンのスラックスにも合うんじゃないでしょうか」(小澤)

BEST2:Last Resort AB|GM001

Last Resort AB|GM001
スニーカー¥22,000/ラストリゾートエービー(サンプルデリカ)
Last Resort AB|GM001
Last Resort AB|GM001

革靴ライクな新型スニーカーが好評で再販に

「今年の2月に新登場したスニーカー、GM001をかなり愛用しています。履いていると多くの人に『それどこの?』と訊かれたのですが、ラストリゾート エービーと答えると『意外』と『納得』と、リアクションが分かれたのが印象的でした。5月末発売の新作群にこのブラックが再びラインナップされるという朗報です。タッセルローファーやモックスニーカーもそうでしたが、革靴をイメージしたモデルの人気ぶりには、改めて驚かされます。

ミリタリーシューズやクラシックなドレスシューズを彷彿とさせるシボ革のアッパーに、ラグソールを組み合わせたGM001は、前出のVM005(タッセルローファー)やVM006(モックスニーカー)よりもさらに革靴然とした重厚感があります。それでもオリジナル開発のラグソールのおかげか、これまでのモデル同様、僕的にはあくまでスニーカーを履いている感覚。見た目に反して軽いのも、つい履いてしまう理由かもしれません。

内羽根と外羽根を融合したようなヴァンプのデザインも独特です。どんなボトムにもマッチしますが、最近はブラックデニムに合わせることが多いです。2月の発売直後に完売してしまったサイズも多かったそうで、前回買えなかったという人にはうれしいニュースなのではないでしょうか」(小澤)

BEST1:Maison Margiela|Sprinters

Maison Margiela|Sprinters
スニーカー¥ 147,400/メゾン マルジェラ(マルジェラ ジャパン クライアントサービス)
Maison Margiela|Sprinters
Maison Margiela|Sprinters

記憶を再構築したアートピースのような一足

「1960年代から70年代にかけて、ランニングシューズはスパイクからトラックシューズへと進化しました。メゾン マルジェラの『スプリンターズ』は、60年代のスパイクにインスピレーションを受けているそうです。アッパーのデザインだけでなく、スパイク状のトラックソールを採り入れて無駄をそぎ落としています。

普通のブランドであればテクノロジーを足したり、ファッション的なディテールを加えて当時の空気感に寄せたりしますが、マルジェラの場合は、具体的に参照するようなモデルは存在しないのかもしれません。時代の象徴的な要素だけを抽出してプロダクトに落とし込むからこそ、アートピースのように映るのだと思います。

『スプリンターズ』も、60年代のランニングシューズの本質的な魅力だけを残して、徹底してミニマルに仕上げることで、その時代の輪郭だけが浮き彫りにされている。そこが美術品のような美しさにつながっていると思います。ヴィンテージ加工も見事で、ランニングシューズを復刻したというより、“当時の記憶そのものを再構築した靴”だと感じました」(小澤)

小澤匡行プロフィール画像
エディター
小澤匡行

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。

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