Maison Margiela|Sprinters
記憶を再構築したアートピースのような一足
「1960年代から70年代にかけて、ランニングシューズはスパイクからトラックシューズへと進化しました。メゾン マルジェラの『スプリンターズ』は、60年代のスパイクにインスピレーションを受けているそうです。アッパーのデザインだけでなく、スパイク状のトラックソールを採り入れて無駄をそぎ落としています。
普通のブランドであればテクノロジーを足したり、ファッション的なディテールを加えて当時の空気感に寄せたりしますが、マルジェラの場合は、具体的に参照するようなモデルは存在しないのかもしれません。時代の象徴的な要素だけを抽出してプロダクトに落とし込むからこそ、アートピースのように映るのだと思います。
『スプリンターズ』も、60年代のランニングシューズの本質的な魅力だけを残して、徹底してミニマルに仕上げることで、その時代の輪郭だけが浮き彫りにされている。そこが美術品のような美しさにつながっていると思います。ヴィンテージ加工も見事で、ランニングシューズを復刻したというより、“当時の記憶そのものを再構築した靴”だと感じました」(小澤)
1960年代の陸上競技用シューズをヴィンテージ加工とシンプルなデザインで表現した「スプリンターズ」。2025年春夏に誕生し、2026年春夏「アヴァン・プルミエール」コレクションでレザータイプが登場した。やわらかなゴートレザーのアッパーにヘアリースエードとステッチの補強を加え、薄いドット状ラバーソールで軽快に。履き心地も快適で、合わせる服を選ばない万能な一足。
マルジェラ ジャパン クライアントサービスTEL:0120-934-779
エディター
小澤匡行
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。