2026年9月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!
BEST4:KENZO|STRIKER LOW TOP FLAT SNEAKERS
レトロなボウリングシューズを旬の薄底モデルに
「NIGO®さんが手がけるケンゾーのクリエーションの中でも、僕がいちばん気になっているのはシューズです。この『ケンゾー ストライカー』 ロートップ フラット スニーカーも、レトロなボウリングシューズをとてもうまく今の時代にマッチさせているなと思いました。
トゥ部分のステッチが象徴的で、トゥから一体化したシュータンは70年代ぐらいの古きよきボウリングシューズ特有のデザインです。アプローチシューズ風のソールは踵を巻き上げて、当時のランニングシューズの要素も取り入れている。シュータンはレザーですが、アッパーにはヴィンテージ調ナイロンを採用して、シューレースまわりの補強とヒールカウターにはスエードを配しています。
一見シンプルですが、とても凝ったつくりになっていて、そのアプローチの仕方が秀逸。ロープロファイルで細身のヨーロッパ的なシルエットになっているのも僕好みです。
このモデルはワントーンのカラー展開もありますが、バーガンディベースのコンビネーションが気に入りました。ハリのあるチノパンに合わせたくなるカラーウェイです」(小澤)
BEST3:The Row | Clement Sneakers
ファッションの文脈を反映したモダンな新作
「サイトやお店で見ていると、ザ・ロウはミニマルな洋服に合わせやすい靴をつくっている気がします。その中でも革靴やサンダルに比べて、スニーカーはデッキシューズ風やスリッポンなど、よりベーシックな発想のモデルが中心という印象でした。しかしながら今シーズン登場したこの『クレメント スニーカー(Clement Sneakers)』は、ファッションの文脈がかなり強い一足だなと、見た瞬間に惹かれました。
一枚仕立てのアンコン仕様で、バレエシューズのようなムードがあります。このソフトで細身のフォルムが今っぽくはありますが、僕が注目したのはトゥボックスのバランス。7ホールのアイレット部分に対して、トゥ部分が長いんです。それがただレトロなわけではなく、とても独特なデザインになっています。
ともするとクラシックすぎてしまうバランスや、バレエコア由来のレディースライクな仕様を、しっかりモダンなメンズスニーカーとして再構築していて、大人の男性が履きやすい一足に。
こういう風に仕上げるのは意外と難しく、ザ・ロウらしさを感じました。実はこのモデルにはブラウンもあり、そちらは10月にデリバリー予定だそうです。僕的にはブラウンのほうがおすすめです」(小澤)
BEST2:adidas Originals for BILLY’S|HANDBALL SPEZIAL LOAFER
注目のローファーモデルにシボ革を採用した別注
「ちょうどUOMO10月号の連載でハンドボール スペツィアル ローファーについて書いたところ、タイミングよくビリーズから別注が登場するというニュースが飛び込んできました。インラインのアッパーはスムースレザーでクリーンな印象ですが、ビリーズ別注はシボ革を採用していて、より男くさく、革靴ライクな仕上がりです。
特にヴァンプのモカ縫い部分はふっくらと盛り上がっていて、ここに自分の父親が会社に履いていったような革靴を思わせるレトロ感を個人的に感じました。ローファースニーカー自体、現代のアイデアでつくられているし、ツルッとしたインランは少し若々しい感じがしましたが、これは僕のような世代にスッと寄り添うような佇まい。いいところを突いているなと思いました。
アディダスはヒットしているシューズを、文脈を変えてモダンにアレンジすることに長けています。例えばスタンスミスをデコンにしたり薄底仕様にしたり、ハンドボール スペツィアルをローファーにつくり替えたり。しかもベースのモデルのイメージを引き上げるデザインに仕上げている。
ビリーズ別注はブラックアッパーにブラックのスリーストライプスのワントーンもありますが、僕の推しはブラウン×グリーン。クラシックなカントリームードが大人向きだし、チノパンやジーンズといったオーセンティックなボトムに合わせれば、ほどよくトレンド感も演出できそうです」(小澤)
BEST1:New Balance|Made in UK 991V2
英国製991V2に日本限定でダークブラウンが登場
「ニューバランスの900番台では991が一番好きで、カラバリでたくさん所有しています。最近では昨年2月に、この連載でも紹介したドーバー ストリート マーケットとのコラボレーションのオールブラックの991V2を購入しました。世の中的にはアメリカ製の992や993がずっと人気で、特に993のオールブラックが日本で未発売だった頃は、アメリカで買い付けて履いている、業界のニューバランス好きをたくさん見かけました。
それでも僕が991派なのは、このモデルが2001年のデビュー当初からイングランド製で、992や993よりスタイリッシュな細身のラストを採用しているから。復刻も基本的には英国製で、2023年にアップデートモデルの991V2が登場した際も、Made in UKを貫いていました。だから僕は、少しボリュームのある992や993がブームの時期でも、お気に入りの991を粛々と海外サイトなどで調べては買い集めてきたわけです。
V2ではソールユニットにフューエルセルが新たに採用されましたが、履き心地が劇的に変わったかというと、最旬のハイテクなランニングシューズのように体感できるわけではありません。それでも一日履いていると、“やっぱりニューバランスはラクだな”と実感する。しばらく履いてなかったのですが、最近、出張のお供にして久々に数日間履き続けてみたら、やっぱり快適だった。そんな折に、タイミングよく日本限定カラーのダークブラウンが登場しました。
イングランド製ならではの革靴のような空気感を持つラストに、ダークブラウンのスエードアッパー。ソールユニットはブラックで、少し前なら野暮ったいといわれた配色が、今は“革靴的”なムードで履ける絶妙なカラーリングになりました。スエードも毛足が短く、上品な印象です。さっそく手に入れて、次の出張に履いていこうと思っています」(小澤)
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。











