2022.05.08

柴田聡子(シンガーソングライター)「変なこだわりは捨てて、なんでもできるようになった」

3月に神保町 試聴室でのレギュラーライブを終え、5月25日に新アルバムリリースを控える。今年はデビュー10周年のアニバーサリーイヤー。ピュアな感性で走り続ける彼女の、変わったことと変わらないこと。

柴田聡子(シンガーソングライター)「変なの画像_1

柴田聡子さん (シンガーソングライター)

 アコースティックギターの弾き語りでのデビューから10年、いつまでも自然体の心地よさでリスナーの心をつかんで離さない、柴田聡子さん。近年はそうそうたるミュージシャンとのコラボレーションやバンドサウンドも注目されている彼女に内なる変化を尋ねる。

「音楽の世界はふわっと自然に始まり、『デビュー』という言葉もどこかひとごとのようでした。けれど今は、この仕事が好きだという強い自覚がある。若さゆえの勢いや感覚だけではない、泥くさくても情けなくても音楽をやっていこうという気持ち。向き合い方が、変わりましたね」。そう振り返る柴田さんは、今回の撮影場所である神保町試聴室にて長年ライブを重ねてきた。

「最初から見守っていただき…学生の頃から系列の会場でもライブを観たり、させていただいたり、1stアルバムのプロデューサーと出会ったり。いまだにいちばん緊張する場所ですが、ここでライブを続けたいですね。そしてもう一つ、昔と変わらないことは『何でもやりたい』という気持ち。長い道中、自分のこだわりが強くなった瞬間もあったけれど、今は余計な自意識がなくなりました。信頼してご一緒した方に自由に作っていただく楽しみが大きくて。年を重ねながら一山越え、まだまだ広がっていく感覚です。ちょうど今はアルバムをつくり終え、ふっとひと息ついていますが、気負わない時期ほど、宝の種のようなものが生まれたりするんですよね」とはにかむ。これからも期待せずにはいられない。


神保町 試聴室
柴田さんが長年出演するライブ会場。平野甲賀氏デザインによるロゴが目印。
住所:東京都千代田区西神田3の8の5 1階 
営業時間:ライブ、イベントに準じる  不定休


SATOKO SHIBATA
1986年北海道生まれ。2010年活動開始。’12年に1stアルバム『しばたさとこ島』リリース。詩集『さばーく』が第5回エルスール財団新人賞〈現代詩部門〉を受賞。WEB RADIO「柴田聡子のシャムゴッド・トーク・ドリル」配信中。5thアルバム『がんばれ!メロディー』に続く待望の6thアルバム『ぼちぼち銀河』を5月25日リリース予定。6月5日から全国9都市をバンドで回るリリースツアーを予定。



Photo:Kanta Matsubayashi 
Hair&Make-up:Yosuke Akizuki 
Interview&Text:Takako Nagai

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