八木隆充さん

カフェオーナー・バリスタ 42歳

アパレルの企画やコンサルを経て、夢だったカフェのオープンに向けて準備を開始。2020年2月、南房総の海の近くにスペシャルティーコーヒー専門のコーヒースタンド「101 BEACH PARK COFFEE STOP」をオープン。2021年7月にはテイクアウト専門のコーヒースタンド「TINY PARADISE COFFEE」を清澄白河にオープンした。現在は鴨川市と東京を行き来する二拠点生活を送っている。



カフェ経営の夢を叶えるため二拠点生活をスタート

「私自身が東京の出身で、両親も東京の人間なので地方にあまり縁はありませんでした。ただ子供が生まれたことで、自然の中で遊ばせられる環境を求めるようになったのです。

東京で暮らす必要性をあまり感じなくなっていたこと、夢だったカフェをオープンしたいという思いが強くなったこと、5年ほど前に始めた趣味のサーフィンをもっと満喫したかったことなどが重なり…2020年に南房総にカフェを開業すると同時にマンションを借りて二拠点生活を始めたのです」



①夢を叶えることができた


八木さんはアパレルの仕事で活躍する一方、自身でカフェを経営したいという夢も持ち続けていた。そのため、5年前から仕事の合間にセミナーに通ったり、様々な店を巡ってリサーチするなど準備を進めてきた。そして、趣味のサーフィンをするために通っていた南房総に理想的な場所を見つけ、ついにその夢を形にすることができた。


「サーフィンをするために南房総に通うようになってから、いつかこんな自然の豊かな場所でカフェをオープンできたらと思っていたんです。ずっと準備を進めてきましたが、運良く理想的な物件に巡り合いオープンにこぎつけました。コンセプトは『海の家』。お客さんが自由に自分の時間を過ごせるような場所にしたかったんです。最初は週末だけの営業でしたが、2021年からスタッフを増やして不定休で営業しています」



②東京に近いというメリットを生かせる


南房総にカフェをオープンした後、縁あって東京の清澄白河にもテイクアウト専門のコーヒースタンドを開業した。現在は両方の店舗を行き来しながら営業を続けている。


「東京でお店をやる予定はありませんでしたが、良い条件でオープンできるお話をいただいたので挑戦してみることにしました。南房総のお店には、東京湾アクアラインと富津館山道を使えば車で1時間半くらいなので不便さは感じません。清澄白河は東京の自宅から近いので、朝のうちに仕込みをして後はスタッフに任せ、南房総に向かうというのが最近のルーティンになっています」



③心身ともに健康になった


「南房総と東京では空気がまったく違いますし、時間の流れも違います。そういう場所に心と体を合わせて過ごしていると、それだけでリフレッシュできるのです。実際、東京だけに暮らしていた時よりも心身ともに健康になったと実感しています。マンションのある鴨川はお気に入りのサーフスポットに近いので、思う存分、サーフィンを楽しめます。朝早く起きてサーフィンをしてから仕事に行ったり、週末は仕事をしている間に子供達を海で遊ばせたりするのが南房総での日常になっています。子供を自然の中で遊ばせるという夢も叶って、今はとても満足しています」



④新しい人間関係が広がった


南房総の地でカフェを始めたことで、いろいろな人と新たに知り合えたのも八木さんにとって良かったことのひとつだ。


「サーフィンに通っていたのである程度の土地勘はありましたが、そこに暮らす人たちとの接点まではありませんでした。南房総でカフェを営業していけるか多少の不安はありましたね。ですが、実際にカフェをオープンしてみると地元の人たちが暖かく受け入れてくれましたし、移住者や二拠点生活者も多いエリアだったのでウェルカムな雰囲気でした。遊びに来ているだけでは知り合えないような人と出会えて、コミュニティが広がっていくことがとても楽しいのです」



⑤完全移住への夢が広がった


「平日はひとりで南房総に行ったり、週末は家族みんなが遊びに来たりと、状況に合わせて二拠点生活を送っています。二拠点生活は確かに移動などで大変な面もありますが、必ず週に1回以上は足を運ぶなど、ルーティンにすることが長く続ける秘訣だと考えています。マンションの家賃分くらいはしっかり楽しんで元を取りたいですしね(笑)。今では東京よりも南房総での暮らしの方が快適に感じるようになりました。子供たちの学校があるため、すぐに実行するのは難しいですが、将来的には家族みんなで完全移住することも考えています」



移住とはまた異なる新しい暮らし方として注目を浴びている二拠点生活。八木さんの場合は東京からアクセスが良く、仕事もできて趣味も楽しめる新天地を見つけたことで人生の幅が大きく広がった。東京を離れて暮らしたい、しかし完全移住はハードルが高い、そう考えている人は二拠点目を探してみてはどうだろう。きっと新しい世界が開けるはずだ。





Text:Tetsu Takasuka