2021.07.17

【東京で暮らすのをやめてみた<4>逗子】40歳男子が移住するときに不安だった5つのこと

コロナ禍を受け、東京を離れる人たちが増えている。検討はしているものの、なかなか実行に移せないという人も少なくないはず。そこで、移住者たちの実体験を取材した。今回は、2017年に東京から逗子に移住した開大輔さんのケース。

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開大輔さん

教育関連企業 人事部 46歳

大学卒業後、株式会社リクルートに入社。結婚情報誌『ゼクシィ』編集長を務めた後、IT企業でキュレーションメディアの運営に参画。現在は教育関連企業で人事部長を務める。2017年、夫婦で世田谷区から逗子に移住した。


妻の想いを尊重して結婚を機に移住

「もともと妻が鎌倉をよく訪れており、友人も増えていたこともあって、半分興味本位で物件を探しました。たまたま逗子に良い戸建物件が出たので購入。ちょうど私自身、満員電車の通勤や都心の生活に疲れを感じていたこともあり、いいタイミングに移住できたと思います」



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不安その①通勤に不便を感じないか


現在も都内の企業に勤務している開さん。電車通勤の時間が長くなることでストレスを感じないか心配していたが、かえって快適で仕事もはかどるようになったという。


「逗子駅から乗り換えの新橋駅まで1時間ほどかかりますが、逗子は始発駅なので大抵座れるのが大きなメリットです。コロナ禍で出勤頻度が減ってからは、電車内で仕事をする時にグリーン車を利用することもあります。会議の資料が作れてしまうくらい仕事がはかどり、都内にいた時よりも通勤に使う時間の価値が高まりましたね」



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不安その②コミュニティに馴染めるか


逗子は縁もゆかりもない土地だったため知り合いもおらず、地域に馴染んで暮らしていけるか不安を感じていたという。しかし、移住後に子どもを授かったおかげでスムーズにコミュニティに入っていくことができたそうだ。


「子どもが生まれたことで妻を中心に子育てを通じたコミュニティが広がりました。同じ移住者で、しかも同世代、子育て世代という共通項を持った人たちと繋がることができ、楽しい日々を送っています。子どもがいなければ馴染むのにもう少し時間がかかっていたかもしれません。地元の方々も暖かい人が多く、どこのお店に良いものがあるかなど色んな地域の情報を教えてくれます」



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不安その③一軒家での暮らし


開さんは、移住するまで世田谷区の分譲マンションに暮らしていた。だが、逗子周辺にはマンション自体があまりなかったため、一軒家も視野に入れて物件を探したという。管理が行き届いたマンションから住環境が大きく変化することに戸惑いもあったというが…。


「築10年ほどの状態が良く、使い勝手も良さそうな戸建てが見つかったのですぐに購入を決めました。子どもが産まれる前に買ったのですが、結果的に戸建てにしてよかったと実感しています。マンションと違って隣や下の階を気にせずに子どもを遊ばせられますし、コロナ禍で在宅ワークが増えても、マンションに比べて家族との距離を適度にとりやすいので、快適に仕事をすることができます。トラブルらしいトラブルはなく、特にデメリットを感じたことはありません」



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不安その④買い物事情


「買い物の利便性についても心配していましたが、実際には大した不便さはありませんでした。駅から自宅まで徒歩10分ほどですが、途中に商店街があるので仕事帰りに買い物をして帰ることができます。ただ、あまり遅くまでお店が開いていないので、仕事が長引いた時は妻に買い物を頼むこともあります。また、車ですぐに行ける範囲にいくつかスーパーがあって、使い分けられるのが便利。洋服などのショッピングは鎌倉や横須賀で楽しんでいます。コロナ禍の影響もありますが、生活用品などはオンラインで購入することが増えました」



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不安その⑤教育環境が充実しているか


夫婦ともに自然の豊かな環境での子育てに満足している開さんだが、その一方、都内に比べて学校の選択肢が少ないことを懸念している。


「特に男の子の小学校受験に関してはあまり選択肢がありません。そのため、どのタイミングで受験させるかは今後、よく検討する必要があります。一方、自然の中で育てたいという理想は叶えられました。子どもを保育園に通わせているのですが、その園が子どもたちを自然に思い切り触れさせる教育方針をとっているんです。海でボディボードに挑戦したり、みんなでイカダを作って浮かべたり、逗子ならではの体験をさせてあげられていることにとても満足しています」



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理想の子育てのために逗子に移り、子育てを通してコミュニティに馴染むことができた開さん。子どもは夫婦の間だけでなく、地域とのかすがいにもなるようだ。子育て移住を考えている人はぜひ参考にしてはどうだろう。




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