2023.06.26

祐天寺・三久飯店の牛ニラ定食の牛多め。【「あの人」の定番メシを訪ねる。行きつけで、いつもの。|第19回 】

写真家・平野太呂が、今気になる人の行きつけへ。決まって頼むというメニューを食し、つづったエッセイ連載。今月は三好良さんのお気に入りの町中華!

祐天寺・三久飯店の牛ニラ定食の牛多め。【の画像_1

今月のあの人

味はもちろん、常連さん、新規の方、
すべての
お客さんを大切にする
姿勢がとにかく素晴らしい。

三好 良さん/everyone ディレクター
話題のブランドやショップを手がける、業界でも注目のディレクター。「ホール・キッチンを仕切るまさひろさんとは、本当に親しくさせてもらっています」。


撮影・文・食/平野太呂

第19回祐天寺 牛ニラ定食の牛多め。

祐天寺_三久飯店_牛ニラ定食の牛多め

コーナーショップは町中華

 祐天寺駅から少し歩いたところにある中華屋「三久飯店」。商店街の角に建つ、いわゆるコーナーショップ。白い暖簾に赤いテーブル。これぞ完璧な町中華。出入り口が二カ所あり、気の流れもよさそうだ。早速中に入ると、なにやら見覚えのあるステッカーが…すべての箸立てに貼ってあるじゃないか。なるほど、そういうわけだな。これは期待できそうだ。


 壁に貼られたメニューの多さ、細やかさからもわかるように、ここは庶民の味方であることがうかがえる。いいからこれを喰らえ的な威圧感がゼロなのである。三好さんからのお勧めも「牛ニラ定食の牛多め」である。聞けば、わかめラーメンにワンタン追加で、とかもあるらしい。どこまでお客さんに寄り添ってくれるのだろう。しかし、これは常連さんだけのサービスかもしれないので、一般客はひとまず普通に頼むのがいいのかもしれない。


 町中華にありがちなガッツリしょっぱい味つけではない。しっかり素材の味がする。食べた後もどこかスッキリとした食後感。これなら通える。ほかのメニューにも気になるものがある。よい店は混む。当然だ。しかしこの手の店にはサッと入ってサッと出て行きたい。うーん、いつ行くのが正解なんだろう。僕なりの作戦を立てなくては。


三久飯店
1972年創業の祐天寺の名店。店構えだけでなく、親族で運営しているお店の空気は、どこか懐かしさを感じさせる。三好さん曰く「お店にはENNOYやeveryoneのステッカーを預けていて、お客さんに配ってもらったことも」。三好さんの定番メニューは「牛ニラ定食」¥900の「牛多め」+¥150。

東京都目黒区祐天寺2-17-11
TEL:03-3711-5946 
営業時間:11時30分~15時、17時〜21時
定休日:月・火曜(祝日の場合は月曜営業)


Taro Hirano
カルチャー誌やファッション誌などで活躍。主な著書に『POOL』(リトルモア)、『ボクと先輩』(晶文社)など。



Title Design:Yu Miyama

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