聞いたのは…

マッスルグリルさん

鍛え抜いた筋肉のバランスのよさを競う競技「フィジーク」で活躍するシャイニー薊さん(右)と総合格闘家のスマイル井上さん(左)によるユニット。ジムの同僚だった二人が始めたチャンネルの登録者数は今や31万人と大人気。


おいしく食べられて痩せる減量食の最終形態!

 鶏肉やオクラ、米、カレー粉などを一緒に炊くだけで出来上がる、カレー味のおかゆのような謎の料理。これこそ、今までにない減量食として脚光を浴びている「沼」だ。その手軽さと、パンチのきいた見た目、およそ食べ物とは想像のつかないネーミングで話題沸騰中。軽く引くビジュアルだが「見た目からは想像できないおいしさ…」と実際に作ったファンからも好評で、リピーターが後を絶たない。沼のレシピ動画はYouTubeでなんと330万回再生を記録。レシピ動画の再生回数としては異常に多い数字だ。

考案したのはフィジーカーとして活躍するシャイニー薊さん。

「コンテスト前の減量食として試行錯誤の末に生み出したのが『沼』です。病院で調理師をしていた経歴を生かし、おいしく痩せられる食事を作れないかと考えました」

ただ、当時はYouTubeにあげることには懐疑的だったそう。

「こんな美しくない見た目の料理は、絶対に世に出したくないと渋る薊さんを説得(笑)。やはり予想以上に大きな反響がありました」(スマイル井上さん)

 これまで多くのダイエット法が一世を風靡してきたが、最近はトータル摂取カロリーを制限しつつ、さらにタンパク質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)のPFCバランスを維持することで、ゆるやかに体重を落としていく方法がトレンド。実は「沼」こそその最先端。PFCバランスが非常に優れているのだ。マッスルグリルの理想とする「3:2:5」のPFCバランスで、一日分トータル1800㎉。まさに痩せるために理想的な数値。毎日食べるだけで痩せていく。そんな夢のような減量飯が「沼」なのだ。


食べるだけで痩せていく…それが沼だ!

30分炊飯の後、6時間保温するだけ!

〈沼〉10合分

鶏むね肉orささみ 600g
干ししいたけ 30g 
ワカメ 10g
オクラ 120g (約10本)
カレー粉 大さじ3
米 300g
塩・コショウ 合わせて10g
水 2000㎖

①炊飯器にすべての材料を丸ごと入れ、炊飯する。
②炊飯後、6時間保温し、蒸らしたら完成。



マッスルグリル発
これが沼以外の「痩せメシ」だ!

マッスルグリルの料理が人気を獲得している理由は味と理想的な栄養バランス、そして独特のネーミングにある。YouTubeでも特に人気の激ウマレシピを4つ紹介しよう。沼に負けない名作ぞろいだ。


マグマ

うますぎ食べすぎ注意報発令中!

〈マグマ〉3合分※

米 80g
干ししいたけ 9g
オクラ 3本
トマトホール缶 1/2缶
にんにく 1/2かけ
玉ねぎ 1個
水 600㎖
鶏むね肉orささみ 180g
塩・コショウorクレイジーソルト 合わせて約3g

①炊飯器に米、干ししいたけ、オクラを丸ごと入れる。
②トマト、みじん切りにしたにんにくと玉ねぎを①に入れ、あいたトマト缶を使って分量どおりの水を入れる。
③鶏肉を丸ごと②の上にのせて炊飯を開始する。
④炊飯後、6~8時間保温し、蒸らしたら完成。


トマトベースでリゾットのような味わい。煮込むことでトマトの酸味がまろやかになり、鶏肉は柔らかく仕上がる。できたてを食べてもいいが、じっくりとねかせることで、米がさらに水分を吸って食べごたえが増す。鶏肉、しいたけなどの野菜から旨味がまんべんなくあふれ出て、翌日以降はもっとうまくなるという声も。「うますぎて食べるのを控えるほど(笑)」(シャイニー薊さん)。

ジャガバード

食べ切れないほどのボリュームで満足感ナンバーワン!

〈ジャガバード〉3合分※

じゃがいも 300g
水 じゃがいもが8割浸かる程度
鶏むね肉orささみ 300g
玉ねぎ 1個
トマト 1個
にんにく 1かけ
塩 3g
ローズマリー 少々

①洗ったじゃがいもを半分にカットして皮ごと炊飯器に入れ、じゃがいもの8割が浸かるくらいに水を入れる。
②じゃがいもと同じ大きさにカットした鶏肉を入れる。
③くし形切りにした玉ねぎ・トマト、にんにく、塩、ローズマリーを入れて炊飯。炊飯後、1時間保温し、蒸らしたら完成。


じゃがいもとバード(鶏肉)という間違いない組み合わせに、ローズマリーの風味がアクセントになる。低カロリーだがとにかく満腹になるため、食いしん坊の人はこれを減量食の入り口にしても。いたって簡単な料理に見えるが、鶏肉のだしやトマトの甘さが複雑にからみ合い、味わい深いスープを完成させている。大きめにカットしたじゃがいもの甘さがうれしい。


ボルケーノ

旨味と辛さをたっぷり吸った春雨がクセになる

〈ボルケーノ〉3合分※

A
ホワジャオ 小さじ1弱
豆板醬 小さじ1弱
ごま油 9g
唐辛子 1本
長ねぎ(みじん切り) 1/3本

春雨 60g
にんにく 1かけ
しょうが 1/2かけ
大根 1/3本
小松菜 1/3パック
しめじ 1/3パック
鶏むね肉orささみ 180g
豆豉 1/3袋
八角 3個
塩 2g
水 540㎖

①Aの材料を混ぜ合わせ、フライパンで中火で熱して香りがたつまで炒める。
②炊飯器の底に春雨を敷く。にんにく、しょうがはみじん切り、大根、小松菜、しめじは食べやすい大きさにカットし、春雨の上に。さらにその上から鶏肉丸ごと、豆豉、八角、①の順にのせ、塩と水を入れる。
③炊飯後、1時間保温し、蒸らしたら完成。


豆豉、八角、ホワジャオに豆板醬などスパイシーな具材をこれでもかと投入した挑戦的な一品。味わいは火鍋に近く、鍋の締めが最初から入っているイメージでいただきたい。「かなり辛い」とマッスルグリルの二人がうなるほどだが、トロトロになったねぎの甘さとスパイシーな味つけの春雨のコントラストが楽しい。舌がヒリヒリするような味わいはまさにボルケーノ。食べた後の満足度も高い。

セメント

野菜がたっぷり、和風好きにもってこい!

〈セメント〉3合分※

レタス 150g
玉ねぎ 1/2個
ブロッコリー 90g
しめじ 1/2パック 
米 90g
鶏むね肉orささみ 160g
水 670㎖
白だし 30㎖

①レタス、玉ねぎ、ブロッコリー、しめじを一口大にカットする。
②米、鶏肉丸ごと、①、水、白だしの順に炊飯器に入れたら、スプーンで軽く混ぜてから炊飯する。
③炊飯後、具材を崩すようにしゃもじでしっかりと混ぜ、1時間保温し、蒸らしたら完成。


白だしを使った優しい味わいが疲れた身体にしみ渡るセメント。ランチを食べすぎた日の夜や、外食をした翌朝などに食べるといいだろう。出来上がった瞬間にブロッコリーはホロホロと崩れて、見た目は沼に近いが、具材の水分量が多いので、ねかせる時間は少なくていい。おかゆと炊き込みご飯の中間といったイメージ。白だしは意外と塩分が強いので、しっかりと計量すべし。



※3合炊き炊飯器の場合、吹きこぼれないよう水の量は調節。


Photos:Hiroyuki Takenouchi 
Stylist:Midori Moniwa 
Text:kinmasataka