ファッションの現場で働くおしゃれな大人たちが、私的愛用品をレビュー。今回は「BODHI(ボーディ)」デザイナーの水谷倫さんが、2022年にオーダーした「RALPH LAUREN(ラルフ ローレン)」のジャケットを紹介。冬のアウターとしても着られるよう、生地やサイズ感にこだわった一着には、長く着続けるための工夫が詰まっている。
「BODHI(ボーディ)」デザイナー。カシミヤを中心とした上質な天然素材にこだわり、素材本来の魅力を生かしたものづくりを手がける。服だけでなく、靴やアクセサリーにも独自の審美眼を持ち、ワークやアメカジをベースに、モードなアイテムを取り入れたスタイルを好む。
冬を越せる紺ブレを、誕生日のご褒美に
「これを作ったのは2022年です。当時は暖冬だったこともあって、ジャケットとコートの中間くらいのものが欲しいと思っていたんです。普通の紺ブレだと冬は寒いし、かといって厚手のコートを着るほどでもない。だったら、冬を越せる紺ブレを作ろうと。
伊勢丹新宿店のラルフ ローレンには以前から通っていて、担当の方と親しくなったんです。そこでオーダー会のことを教えてもらって、『今度作ってみませんか?』と声をかけてもらったのがきっかけですね。それならやってみようかなと」
「僕は普段から頻繁に服を買うタイプではないんですけど、年に一度、9月の誕生日には自分へのご褒美として、いいものを買うようにしているんです。このジャケットもそのひとつ。確か20万円くらいだったと思います。
オーダーしたのは8月26日。内側のタグには名前と日付が入っています。秋冬に着られるように、その時期に仕込んだんですよね」
ツイードと金ボタンで、アウター仕様の紺ブレに
「ベースに選んだのは『RL67』というモデル。ラルフ・ローレンさん自身が着るためにデザインしたという型で、通常の商品としても展開されています。
一般的な紺ブレは、表面がツルッとしたウールの生地が多いですよね。でも、今回はアウターとして着たかったので、起毛感のある肉厚なツイード調の生地を選びました。そこに金ボタンを合わせて、紺ブレらしさは残しています」
「それから、あえてサイズを大きめにしています。ラルフ ローレンのジャケットって、ウエストが少しシェイプされていて、ジャストサイズだと結構ドレッシーになるんです。そこを少し緩くして、バサッと羽織れるようにしました。
あと、マチ付きの大きなフラップポケットやサイドベンツも特徴的。あまりカバンを持たないので、ポケットに荷物を入れられるのはありがたいですね」
4年着ても飽きない。ツイードを育てる楽しさ
「着るときは、Tシャツにデニム、その上にこのジャケットというシンプルな合わせ方が多いですね。寒くなったらインナーを厚手のニットに替えるだけ。出張にもこれを着ていけばいいし、アウター感覚で使えるところが気に入っています。
それに、ツイードって着込むほどに育つんですよ。最初は少し毛羽立ちがありますけど、着ているうちに余分な毛羽が落ちて、生地がだんだんサラッとしてくる。そういう変化も楽しみたいので、毛玉取り器で削るより、洋服ブラシで手入れするようにしています」
「以前、アメカジやワーク、トラッドをベースにした雑誌の企画や、別注アイテムの製作に携わっていたんです。そこからずっと、天然素材の服を長く着込んで育てることが好きなんですよね。
このジャケットも、オーダーしてから4年ほど経ちましたけど、今も変わらず着ています。ボタンだって後から替えられるし、これからもっと生地が馴染んでくると思う。せっかく自分で選んで作った一着なので、10年、20年と着ていきたいですね」