2023.05.01

【東京・青山|おしゃれな大人が訪れたい店4選】にわかに盛り上がる「裏青山」は日本のパリなのか?

華やかな表参道を抜け、骨董通りの脇道を進むと、そこは最近にわかに盛り上がる「裏青山」。小さな名店が、ひっそりと、そして続々とオープンしているらしい。キーワードはフレンチシック。ツウ好みな大人たちが青山に戻ってきています。

【東京・青山|おしゃれな大人が訪れたい店の画像_1

青山 Aoyama

ボンジュール!「裏青山」は日本のパリなのか。

裏青山 地図

1st-pour homme

st-pour homme イラスト ショップイメージ図
プレスやバイヤーなどファッション業界人が足しげく通うエスティ プール オムはギャラリーのような無機質な空間に現行のラグジュアリーなブランドと、ヴィンテージが入り交じる店内が新鮮。LVMH PRIZEでグランプリの獲得歴があるウェールズ・ボナーのコレクションや、日本でほとんど取り扱いのないリュテスは要チェック。
st-pour homme ヴィンテージのフランス製リーバイス501。
ヴィンテージのフランス製リーバイス501。バックポケットがやや小さいスマートな後ろ姿が魅力。ジーンズ¥27,500
st-pour homme リュテスのリネンシャツ 
メゾンで経験を積んだ職人が縫製を施すリュテスのリネンシャツは、ざっくり着られるフォルムと美しい光沢のある生地が特徴。シャツ¥116,600

東京都港区南青山5-17-13 1階
TEL:03-6427-4529 
営業時間:13時~19時 
定休日:水曜
インスタグラム@st.pour.homme


2ARCH南青山

ARCH南青山 ショップイメージ図
札幌を拠点にワーク&ミリタリースタイルを発信し続けてきたアーチが南青山に新旗艦店をオープン。欧州ヴィンテージに精通するオーナーが不定期にデザインするオリジナルを心待ちにする常連客が多く、ケイシーケイシーやウティのようなフレンチムードのブランドが人気。その元ネタを教えてもらいながらの買い物が楽しい。
ARCH南青山 アーチオリジナルのシャツ
’50sのイギリス空軍のシャツを忠実に再現したアーチオリジナルのシャツは特殊な織り生地と縫製が魅力。シャツ¥30,800
ARCH南青山 M-47をモチーフにしたウティのカーゴパンツ
M-47をモチーフにしたウティのカーゴパンツは、店内でネタ元のヴィンテージのM-47とはき比べることも可能。お店で購入する醍醐味だ。パンツ¥39,600
ARCH南青山 パドモア&バーンズの“ウィロー”はデッドストック
スムースレザーが大人っぽいパドモア&バーンズの“ウィロー”はデッドストック。シューズ¥55,000

東京都港区南青山6-2-6 1・2階
TEL:03-6434-1203
営業時間:12時~20時
定休日:火曜
インスタグラム@arch_minamiaoyama


3Godard Haberdashery

Godard Haberdashery イメージ図
青山学院大学西門の前にひっそり佇むゴダール ハバダッシェリー。店内にはサルトリアルなオリジナルのウェアや、シャレのきいた服飾雑貨が揃い、ジャケットのオーダーに訪れる紳士も多数。イギリスとフランスに遊学後、ドーバー ストリート マーケットでバイヤーを経験したオーナー、笹子さんの審美眼にファンが増え続けている。
Godard Haberdashery 商品
パリの白シャツ専業ブランド、ブリエンヌ パリ ディスに別注したシャツは襟と袖元のフリルの甘さに対しタフなリネン素材でバランスをとった挑戦的な一枚。オリジナルのリブソックスや、ユニークなハート柄スカーフで赤を差すのもパリっぽい。ベルトは最近見かけなくなった贅沢なクロコダイル。バーガンディに色気を感じる。シャツ¥82,500・スカーフ¥27,500・ベルト¥88,000・ソックス¥5,500

東京都渋谷区渋谷2-2-3
営業時間:15時~21時
定休日:水曜
インスタグラム@godard_haberdashery


4Arms Clothing Store

Arms Clothing Store イメージ図
祐天寺に本店を構えて10年あまり。トレンドを先取りしたセレクトで支持されてきた古着店の新店が2022年春にオープン。従来の西海岸を感じるセレクトに加え、青山では欧州メゾンのヴィンテージが揃う。イヴ・サンローランやバレンシアガのテーラードジャケットに’90年代リーバイスをさらりと合わせる提案はまさに大人向け。
Arms Clothing Store ヴィンテージのパンツ
’70年代以降のクリスチャン ディオールのスラックスは圧巻の品揃え。タック入りかつ太めストレートのシルエットが美しく、さまざまな色と柄が揃うから必ず自分に似合う一本が見つかる。ヴィンテージのパンツ(右から)¥32,780・¥28,490・¥21,780・¥25,900・¥19,800・¥28,490

東京都渋谷区渋谷2-3-3 1階
TEL:03-6427-5708
営業時間:12時~20時
定休日:不定休


週末は表参道より裏青山。 気分はフレンチシック。

 僕らが学生時代、“裏原宿”で遊んでいた頃、ラグジュアリーでハードルの高かった青山。今や当たり前に買い物ができる年齢になったが実は本当に面白いのはまたも“裏”らしい。3 Godard Haberdasheryのオーナー・笹子さんを訪ねると「このあたりはアパレルのショールームで働く方、老舗の飲食店を訪れる方と、ある種イケイケな大人たちの混合生活圏。さらに学生街と交錯するムードがいい。最近はひっそりと洋服店の出店が続き、この通りにもビスポーク出身の職人さんが営む帽子店やArms Clothing Storeができた。わかる人に来てもらえればいいというお店ばかりで、その気高さにパリとの親和性を感じます」。
 その言葉を頼りに早速、古い街並みを残す“裏青山”を巡る。骨董通りを下った脇道に佇む1 st-pour hommeは数千円の古着と数十万円の上質なウェアが入り交じり、店主の自由な感性に刺激される空間。ディッキーズ874をベースにディテールを美しく縫製したオリジナルのドレスパンツを購入して、近くの2 ARCH南青山へ。スタッフ曰く「トレンドばかり追うのを卒業した30代からアメカジ全盛期を過ごした大人まで幅広くフレンチを面白がってくれます。この辺は貿易関係の方も多く客層は多国籍です」。ミリタリーウェアを試着し倒し、結局名品“ウィロー”シューズを予約。最後にスラックスを探しに話題の4 Arms Clothing Storeへ。オールドGAPや年代もののadidasに目移りしつつ円形ラックに並ぶメゾン古着を物色…。夕暮れには笹子さんのお店を再訪する。名優ジャン=ポール・ベルモンドのポスターに囲まれて立ち話。「フランスのテーラーは独特。イギリスの堅さとイタリアの軽さ、その両方を重視しながらもオリジナリティを大切にする国民性。着崩しが粋なんですよね」。パリジャンの遊び心にならって、キザなくらいの小物を調達した帰路、夕飯は近くのビストロで締めたいところ。裏青山の隠れ名店で裏名品、いくつになっても僕たちは“裏”が好きなのかもしれない。



Photos:Mitsuo Kijima 
Illustrations:Megumi Goto 
Composition&Text:Takako Nagai

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