定番色こそ、節目節目で「更新」する

黒もネイビーも僕にとって昔から身近な色ですが、定番色に求めるものが変わってきたように思います。今は経年変化を楽しみたいと思えるワークな黒、今の年齢に奥行きを与えてくれるネイビーが気分です。

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黒とネイビーは定番色ですが、役割が微妙に異なります。また年齢に応じて求めるものも変わりました。
 黒はそもそも「若さを感じる」色。ただ最近は、自分が枯れてきたからこそコモリのシルクウールのツナギのような墨黒のよさがわかったり、エイチ ビューティ&ユースやルメールのように黒デニムの経年変化によるヤレ感やアタリを好ましく思えるように。黒のラフな側面を楽しみたいというか…。メデューサは雨の日に濡れまくって大丈夫だし、ビームス別注のアリゾナも気軽に履く前提の一足。バトナーのフリースベストもラフなピリングが面白い。ジル サンダーのレザートートはツールバッグっぽい見た目が僕好み。これだけは唯一、丁寧に使ってます(笑)。
 ネイビーも昔は「いい人に見える」色でしたが、加齢に伴い「奥行きを出してくれる」色へと変化。インバーティアは撥水性を備えたハイテク感を、シャルベのパジャマパンツは肌触りのよさを、ネイビーが視覚的にも引き出している名品。エルメスの廃番「カバス」は書類を入れるサブバッグとして優秀です。コルテッツとワッフルレーサーは’70年代のムードが気分。どちらも一般には明るいコンビカラーの印象が強いけど年齢的にハマりやすいのはやはりネイビー。アンブロ×シュプリームのジャージーのセットアップは上下で着たらかっこいいなと思って買ったのですが、会社の部下曰く「高校サッカーの監督」。着たいと思うには逆に少々遅すぎたのかもしれません…。


Masayuki Ozawa 
エディター。「MANUSKRIPT」代表。執筆業ほかウェブサイト等のブランディングなど幅広く手がける。ファッションのみならずプロダクトにも精通。



Photos:Yoshio Kato