2022.09.04

【大人の正しい買い物術-①】エアフォース1、アディレッタ…定番の一足を「パーソナライズ感覚で楽しむ」

けっして派手でもわかりやすくもない。なのに持っているものをことごとく「欲しい」と思わせるその人=エディター小澤匡行さん。いったい何が違うのか? センス? 経験? そこには単なるベーシック志向とは一線を画す、買い物への緻密な複眼的視点があった。


定番の一足を「パーソナライズ」感覚で楽しむ

長年買い続けて自分に馴染んだ定番だからこそ、ただ買って履くのではなくRemixして遊んでみる余裕が生まれるのかも。自分だけの「パーソナライズ」の延長の感覚です。

定番の一足を「パーソナライズ」感覚で楽しむ
スニーカーは僕という人間の根幹にあるもので、仕事柄、定番ものもトレンドのものもいろいろ買っていますが、上に挙げたものはサンダル含めて誰もが知っているごく普通のものばかり。僕自身、昔から長く履いていますが、最近は今の年齢に合わせて「高級感」を付加したいと思うように。と言っても、単にラグジュアリーなムードが欲しいという意味ではありません。僕が求めるのは上質なユーモアと遊び心。上のスニーカーやサンダルは、こうしたセンスを併せ持った、オンラインショップ「RECOUTURE」の広瀬さんにカスタムしていただいたものです。  エアフォース1は今の年齢で大人っぽく履きたくて靴ひもを排してジップパーツにカスタム、’90年代のマイベーシック、アディレッタは3本線のストラップ部分を本革に替えて、ビブラムソールへとアップデート。ビルケンシュトックのタタミもソールがはがれたのを機にEVAのミッドソールとビブラムソールを張り合わせ、フットベッドをボロボロのコルクからヌメ革へ新調していただきました。スーパースターは、以前、藤原ヒロシさんから、ショーン・ステューシーが同モデルにキルトをつけて履いていたというエピソードを聞いて興味が湧いたのがきっかけで、僕はJ.M.ウエストンのシューキルトを買って自分でつけてみました。  多様なブランドが提案するセンスのいい別注モデルはもちろん好きですが、「パーソナライズ」の延長線的な感覚でリミックスを試みるのも面白いです。

Masayuki Ozawa 
エディター。「MANUSKRIPT」代表。執筆業ほかウェブサイト等のブランディングなど幅広く手がける。ファッションのみならずプロダクトにも精通。



Photos:Yoshio Kato

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