買い物で迷ったら頭の中で「3つ」並べる

ショッピング中に買うべきかどうか迷ったら、すでに持っている同じようなカテゴリーのアイテムとの関係性をまず考えます。それがどんなにいいと思っても、そこから浮いて見えるようなら買いません。

’90年代の空気感と今っぽさとのバランス バッグから広げたときの統一性を考える 自分らしく定番をアジャストできているか 極端に「機能」に振りすぎてはいないか

「その人」の本質は、近くの「友達」とのつながりでわかるといわれますがワードローブや持ち物も同様。僕は買い物で迷うと、まず同じカテゴリーの私物を3つ頭に思い浮かべます。俯瞰したときにテンションの差が生まれるものは僕には必要なく、フラットで心地よいと思えるかが重要です。
 例えば’90年代の裏原のストリートの空気は昔から僕のべースですが、今は当時のリアルじゃなく、現代的にアップデートしたものに魅かれます。Loro Piana featuring Hiroshi Fujiwaraのニットはその最たるもの。またおこがましい話ですが、コモリのもの作りにも共通する’90年代のムードを感じていて…MA-1をそのままじゃなくレザーで作る発想がそう。リーバイスはまた再び501が人気ですが、僕の気分は’60年代の505。3つのどのアイテムも異なる文脈なのに本筋からはハズれていないのが面白い。白のエアフォース1は、昔、DJのMUROさんに履き始めたきっかけを尋ねた際に、ロード・フィネスの『リターン・オブ・ザ・ファンキーマン』のジャケ写のスタイルを挙げていたのに影響されて。さまざまな履き方があっていいのですが、今季はそれをもとに自分らしくアジャストして楽しんでいます。
 年齢を重ねるにつれ昔は好きだった「あえて」のハズシがノイズに映るように。過度なハイ&ローやドレスとストリートのMIXは、40代には作為的にすぎる。自分の私物とフラットにつながるものを素直に買いたいです。


Masayuki Ozawa 
エディター。「MANUSKRIPT」代表。執筆業ほかウェブサイト等のブランディングなど幅広く手がける。ファッションのみならずプロダクトにも精通。



Photos:Yoshio Kato