藤原ヒロシによる架空の大学プログラム「FRAGMENT UNIVERSITY」の第2期が開講。AIの進化をはじめ、社会の価値観が大きく変容するこの時代に、藤原ヒロシ自身が「いま学びたいこと」を起点にした「一般教養リベラルアーツ」を全9回にわたって実施。9月1日(火)より公式サイトにて生徒募集がスタートした。
2023年に開講された第1期のテーマは「非言語マーケティング」。これまで明かされなかった藤原ヒロシのアイデアの育て方やコミュニケーションスタイル、仕事術などを学術的に体系化した全8回のシラバスから、学生たちは何を学んだのか、3名の卒業生にインタビューした。第2回は、当時17歳という最年少受講者だった、現在大学生の藤井映佑さん。
早稲田大学に在学しながら、現在はアメリカ・ポートランドに留学中の藤井映佑さんがFRAGMENT UNIVERSITYを受講したのは17歳、高校3年生の時。藤原ヒロシの活躍をリアルタイムで知らない、そして大学の授業も経験していない世代にとって、その講義はどう映ったのだろうか。そこで得た学びは、いまも自分の将来を考えるひとつの指針になったという。
「僕は中学から大学の付属校に通っていたので、受験らしい受験もなく、中高生の頃に音楽やファッションなど、自分の好きなものにある程度時間を使うことができました。父の影響でサブカルチャーに興味を持つようになり、その過程でヒロシさんの存在を知ることになったんです。
ただ、僕の世代でヒロシさんを知っている人は、正直多くありません。みんなNIKEとコラボレーションしたスニーカーは知っていても、それを誰が、どうやって作ったかまでは知らない。僕自身にとっても『教科書に載っている人物』のような、自分とは縁のない遠い存在でした。
高校三年生のときにFRAGMENT UNIVERSITYの開講を知りました。自分の進路も定まっていなくて、ただ音楽や映画が好きだったから、将来はそういう仕事に就くのかなと漠然と思っていた頃です。でも、講義を受けて、好きなものは必ずしもその業界だけで仕事をしなくても、いろいろな分野に応用できると気づきました。カルチャーそのものを仕事にするだけではなく、自分の好きなもの、考え方の活かし方を学べて、視野が広がった気がします。
DAY2の『メディア論』で、違和感について聞いたのが面白かったです。メディアの中に自分という違和感を少し加えて、人の目を引くことができる。でも、それが強すぎるとわざとらしい。僕自身、刺激の強い広告や商業的すぎるコラボレーションに疑問を抱くことがあって、それをうまく言葉にできずにいました。重要なのは違和感があるかどうかではなく、そのバランスなのかと思いました。それがセンスの正体であると、少し言語化できた気もします。
講義の最後に、カルチャーの商業化についてどう思うか、ヒロシさんに質問もできました。そんなこと僕が聞いていいのかと緊張もしましたが、年齢や立場で壁を作ることなく、フラットに接してくれました。
最初は周りが年上の受講生ばかりで、正直自分は場違いじゃないかと思いました。でもヒロシさん自身が、人を縦の関係ではなく、横のつながりで見るという話をされていて、実際に高校生だった僕にもそうでした。その姿勢や考え方も、印象に残っています。
大学生になって、FRAGMENT UNIVERSITYを自分の通っている早稲田大学で企画しました。イベントのフライヤーを考えるときも、まずは自分の好きなカルチャーを軸にしてデザインを組み立てました。ヒロシさんにもその過程で見てもらい、アドバイスをいただきました。開催に向けた準備では、社会のハードルがあまりに高くて、迷惑をかけてしまいましたが、好きなものを実際にプロジェクトと組み合わせる経験は、講義で学んだ「バランスを見つけること」の一歩になれたと感じました。
大学に入ると、自分よりもっと早くからイベントを企画していたり、すでに何かの分野で活躍する同世代にたくさん出会いました。周りに影響され過ぎて、自分を見失うこともあり、好きだったはずの音楽を聴かなくなった時期もありました。でも、いろいろなものに対する知的好奇心や、自分の“好き”を深掘りしていくことのバランスが大事だと、だんだんわかるようにもなりました。
いま僕は、カルチャーを音楽などの作品だけではなく、街づくりといった身近なものにも見出せると感じています。商業とどうバランスを取るかも、授業の教えにつながる部分が大きいと思っています。今ポートランドに留学しているのも、海外の都市を見て視野を広げたいと思ったからです。
僕と同じような若い世代にも、ぜひFRAGMENT UNIVERSITYに出会ってほしいです。講義で紹介されるものの多くは“懐かしい”という感覚はなく、初めて見るものばかり。今はファッションでも音楽でもリバイバルはトレンドですが、その源になったものを知ることができる。しかも、それを単なる過去の情報ではなく、どう再解釈して現代につなげるかまで、学ぶことができました。若いからこそ感じている、言葉にできないもどかしさってあると思うんです。それを言語化するためのヒントをもらって、自分なりに解釈してみる。そんな経験が、これからの人生のいいきっかけになると思います」