藤原ヒロシによる架空の大学プログラム「FRAGMENT UNIVERSITY」の第2期が開講。AIの進化をはじめ、社会の価値観が大きく変容するこの時代に、藤原ヒロシ自身が「いま学びたいこと」を起点にした「一般教養リベラルアーツ」を全9回にわたって実施。9月1日(火)より公式サイトにて生徒募集がスタートした。
2023年に開講された第1期のテーマは「非言語マーケティング」。これまで明かされなかった藤原ヒロシのアイデアの育て方やコミュニケーションスタイル、仕事術などを学術的に体系化した全8回のシラバスから、学生たちは何を学んだのか、3名の卒業生にインタビューした。第1回は、YouTubeやTikTokの動画広告クリエイティブの第一人者、明石ガクトさん。
明石ガクトさんは、クリエイティブカンパニー「ONE MEDIA」を率いて、SNSを中心とした広告のコンテンツや多彩なメディア事業を手掛けている。10代の頃から藤原ヒロシの発信に影響を受け、40代になってFRAGMENT UNIVERSITYに出会った。そこで待っていたのは、カルチャーという知識を得ること、そして再び「学生」に戻るという経験だったそう。
「ヒロシさんを知ったのは1995年の中学3年生のとき。長かった病院の待ち時間で読むために買った『MEN’S NON-NO』が、ちょうど「ア・リトル・ノーレッジ」という連載がスタートした号でした。その特集の前に載っている華やかなモデルたちとは違っていて、紹介しているレコードや服も知らないものばかり。「この人はなんなんだ?」って衝撃を受けて、それから毎月欠かさず読むようになりました。
当時はインターネットもスマートフォンもなかったから、ヒップホップやスケートカルチャーも、マーク・ゴンザレスみたいな固有名詞もすべて僕はヒロシさんの連載を通して知っていきました。当時は静岡に住んでいましたが、雑誌は自分がいる場所から外の世界に連れ出してくれる、窓のような存在だったんです。
だから、FRAGMENT UNIVERSITYの開講を知ったとき、ヒロシさんが教授をするならなんとしても受けたいと思いました。何より聞きたかったのが「メディア」について。時代によってプラットフォームが変わっても、常にそこで時代に合わせてクールなことを表現し続けてきたヒロシさんが、いまメディアをどう考えているのか、聞いてみたかった。実際に受講して、一番印象に残っているのもDAY2のメディア論でした。
とくに心に残ったのは“個人の発信はメディアなのか”という話です。ヒロシさんはインフルエンサーによる投稿は単なる情報で、そこに編集や校閲という第三者の有識な視点が入ることでメディアになる、という話をしていました。僕自身、SNSを中心に仕事をしてきたので、個人の発信が従来のメディアよりも大きな影響力を持つ時代に“個人がメディア化したと言っていいのか”というモヤモヤがずっとあって、そもそもメディアってなんだろう?と思っていたんです。
面白かったのは、メディア論だけでなく、DAY1で話されたパンクやヒップホップの話も、その後の講義につながっていくことでした。過去と未来、西と東、いろいろなものを組み合わせ、新しいスタイルを生み出していく。その考え方の基盤が、その後の授業を理解するためのOSみたいになっていったんです。
新しい事業を始める時、以前なら大きなお金を使って、大々的に発表することばかり考えていました。でも、そうではなく、すでにあるものに小さなひねりを加えるだけで、大きな動きにつながることがある。その考え方である『小さなひねりで、大きなうねりを生み出す』は、今会社の事業方針のひとつに取り入れています。講義で感じたメディアのあり方が、実際に新しいポッドキャスト事業のきっかけにもなりました。そしてヒロシさんと仕事をする夢も叶っています。
じつはFRAGMENT UNIVERSITYを受講していた頃、僕はいわゆるミドルエイジクライシスの真っ只中だったんです。40歳を超えて、何をやっても楽しさを覚えず“なんのために生きてきたのか”を自問する日々が続いていました。でも、この講義を受けたことで、大袈裟じゃなく立ち直れたこともあったんです。僕にとっては、第二の思春期だったのかもしれません。
第一の思春期だった中学生の頃は、ヒロシさんの言葉を読んで『雨が降っても傘をささない』という行動に驚いたのを今でも覚えています。それまで当たり前だと思っていたことにも、違う選択肢がある。それと同じように、40代になった僕に、自分が思ってもみなかった選択肢を与えてくれました。そして講義の内容と同じくらい面白かったのが、もう一度『学生』になれたことです。
僕は毎回、講義の30分前に会場に到着して、一番前の席をとってノートにメモをとっていました。本当の大学生の頃ですら、そんなことしたことなかったのに(笑)。また、ある程度仕事をしてそれなりの立場になると同世代や同じ業界の人としか会わなくなっていくもの。でもFRAGMENT UNIVERSITYでは、現役の大学生とも同級生になれた。年齢も立場も仕事も違う人たちが『藤原ヒロシ』という共通項でつながって、一緒に学ぶ。そんな経験を今になってできたことは楽しかったです。
若い人にもきっと役に立つことが多い授業ですが、僕は同世代の働く人たちにこそぜひ受講して欲しいです。自分の考えや価値観が固まりかけた頃に、もう一度、知らないものに出会ったり、物の見方を変えてみることによって、人生の選択肢が広がると思います」