前編はこちら



「ジャンケン小僧」は
エピソードとして出てきてほしい

ドラマの中ではアニメ的なことも
取り入れてみました。

――「岸辺露伴から離れないでいられたことは素晴らしい体験でした」という発言(インタビュー前編)がありましたが、今回特に意識したことはありましたか?

高橋 当たり前のことですが、昨年の1話、2話、3話を経ての今回の露伴であるということです。露伴としての実在性をさらに強化するために、昨年から今年まで生きていたことを感じられるようにしたいと考えていました。加えて、好きなアニメーションのことも考えていました。優れたアニメーションは、画面内のキャラクターをコントロールしているように思います。意図してフリーズさせたり、動かしたりすることで、観る人間の視点をコントロールしていると感じるんです。例えばアニメにおいてはしゃべりかけられている相手が画面内にいる場合、静止していることもあるわけです。手間だから動かさないことももちろんあると思いますし、意図してそうしていることもあると思います。ですが、人間が身体で芝居をする以上、相手が台詞をしゃべっているときに自分が台詞を言うときまで突っ立って待っているという状況はないわけです。最終的にはどちらも観る人間に向かっていく「作品」ではありますが、見せていく手法には決定的な違いがありながら相関しているとも感じているので、『岸辺露伴は動かない』では前述のようなアニメ的なことも取り入れています。これはとても面白がりながらやらせていただきました。今後のお芝居においても、重要なことかもしれないと勉強させていただきながら。


鈴美や鈴美に代わる存在が
出てくるのを期待しています。

――すこし気は早いですが、また新たな続編がつくられるとして、やってみたいエピソードは何かありますか?

高橋 一貴さんと一致しているのは「ジャンケン小僧がやって来る!」(『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』に収録)です。

――おぉ、ジャンケン対決! ぜひ観てみたいです!

高橋 露伴は「夕柳台」(短編小説集「岸辺露伴は戯れない」に収録)でも、第1話の「富豪村」でもそうですが、子ども相手に本気になる描写があります。そこには信念を試される場面に年齢が関係ないことを感じますが、「ジャンケン小僧」では少年の向こうに自分の乗り越えるべき運命を見ています。しつこくジャンケンを挑んでくる少年に対して「何だ、このガキ」と思っているところから、「この少年が持ってきた運命は、今乗り越えなければ何度も起きてくる」と思いはじめていく。側から見たら子どもと小競り合いをしているようでも、実はそこに自分として生き切ることへの真理があると思っています。そういった意味でも、「ジャンケン小僧がやって来る!」はエピソードとして出てきてほしいと思います。

――杉本鈴美とのエピソード(『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』に収録)はいかがですか? 露伴のルーツにもつながる話なので、ぜひ観てみたいです。

高橋 続編があるなら、いずれ鈴美や鈴美に代わる存在が出てくるとは思っています。期待も込めてですが。僕の考えでしかありませんが、露伴の能力である「ヘブンズ・ドアー」でさまざまな人間の生い立ちや秘密を読んでいく好奇心や興味が向かう先は、どこかで自分に向けられているんじゃないかと思います。寺の住職に言われて初めて鈴美との記憶を思い出していく原作のエピソードは、ドラマが続くのであれば必然性を伴って起こってくるように思います。鈴美や藤倉奈々瀬(「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」に登場)のような、自分の過去、露伴という人格を決定付けた影響力のある存在や、ファム・ファタール的な存在が出てくると、露伴の魂の奥行きが見えてくる気がしているので、実現するとますますおもしろくなりそうです。


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ISSEY TAKAHASHI
1980年東京都生まれ。ドラマ、映画、舞台などで幅広く活躍。近年の出演作は、ドラマ「天国と地獄~サイコな2 人~」、映画『ロマンスドール』『スパイの妻』など。2022年1 月10日よりスタートするドラマ「恋せぬふたり」(NHK総合)、2022年春放送予定の「雪国 -SNOW COUNTRY-」(BSプレミアム・BS4K)に主演する。


ドラマ紹介

ドラマ「岸辺露伴は動かない」

2021年12月27日(月)〜29日(水)
NHK総合 22時より3夜連続放送!
(BS4Kでは30日(木)
19時から4~6話を一挙放送)


2020年末に第1話から第3話が放送され、原作ファンだけでなく、ドラマファンからも高い評価を集めた実写ドラマ「岸辺露伴は動かない」。あれから1年、ファンの熱い期待に応えて新作エピソード(第4話~第6話)が放送される。今度の岸辺露伴は、はたしてどんな奇妙な出来事に遭遇するのか――。

【キャスト】
岸辺露伴:高橋一生
泉京香:飯豊まりえ
(第4話ゲスト)笠松将
(第5話ゲスト)市川猿之助
(第6話ゲスト)内田理央

【スタッフ】
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴は動かない」(第4話、第6話)、「ジョジョの奇妙な冒険」(第5話)
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修:柘植伊佐夫
演出:渡辺一貴
制作:NHKエンタープライズ
制作・著作:NHK、ピクス

エピソード

第4話 「ザ・ラン」

12月27日(月)総合 22時~22時49分
露伴は会員制のスポーツジムで駆け出しのモデル、橋本陽馬(笠松将)と出会う。無気力で掴みどころのない陽馬だったが、やがてランニングにのめり込むようになり、走りに対する執着は次第に常軌を逸していく。ある日、久しぶりに露伴の前に姿を見せた陽馬は見違えるほど自信に満ちあふれていた。そして陽馬は、露伴にランニングマシーンを使った「ある勝負」を提案する…。

ISSEY’s Comment

「とにかく走ります。共演の笠松将さんがとても体力もあって、体も相当鍛えている方なので、お芝居として説得力がありましたし、やり甲斐がありました。「岸辺露伴は動かない」というタイトルに反してとてもアクティブに動きまくるので、そこは見ていただけたらなと思います」。

第5話 「背中の正面」

12月28日(火)総合 22時~22時49分
露伴の家にリゾート開発を請け負う会社の営業部に勤める男、乙雅三(市川猿之助)が訪ねてきた。家の中に招き入れると、男は背中を壁につけたまま這いずるようにして入ってくる。靴を脱ぐときも、椅子に座るときも、紅茶を飲むときも、愛想笑いは返しても、男は決して露伴に背中を見せようとしない。その奇妙な行動に猛烈に好奇心をかきたてられた露伴は策を弄して無理やり男の背中を見てしまう…。

ISSEY’s Comment

「とにかく猿之助さんがとても面白く、とても怖いです。猿之助さんと対峙していくお芝居は非常に演劇的で、いい意味で緊張した状態で演じていたので、その切迫感や、その状況の中で反対に露伴が生き生きしていくところが見どころです」。

第6話 「六壁坂」

12月29日(水)総合 22時~22時49分
露伴は妖怪伝説を取材するためだけの理由で「六壁坂村」の山林を買い、破産してしまう。「財産よりもネタが大事」な露伴は妖怪伝説の謎を追って担当編集の泉京香(飯豊まりえ)と村を訪れるが、手掛かりは見つからない。そんなとき露伴の前に現れたのは、村一番の名家の跡取り娘、大郷楠宝子(内田理央)だった。楠宝子の記憶をヘブンズ・ドアーで読んだ露伴は、楠宝子と六壁坂にまつわる驚がくの真実を知ることになる…。

ISSEY’s Comment

「内田理央さんが演じられている大郷楠宝子という女性が、今までの4話、5話を総括するようなキャラクターになっていて、非常に人間的な怖さに迫ってくるところが見どころです」。

©︎ LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社 C NHK・PICS.



プラダ クライアントサービス TEL 0120-45-1913

Interview & Text:Masayuki Sawada
Photos:Teppei Hoshida
Hair & Make-up: Mai Tanaka(MARVEE)
Stylist:Takanori Akiyama