年齢とともに増えていく白髪。自然体でうまく付き合っていくコツとは? 清潔感を保ちつつ、渋く。グレーヘアを楽しんでいる3人に話を聞いた。
CASE:1|若白髪が目立つ場合はパーマとセットで動きをつける
「嫌悪感があった白髪が一変、美容師の友人に救われました」
「20代後半から白髪が生え始め、28歳のときに大病を患いました。その治療の影響で髪が一度すべて抜けてしまい…。その後、再び生えてきたのを境に白髪が急激に増えました。当時はその姿を見るのも嫌で、精神的にもつらかったですね。鏡を見るのも無理なくらい。だから、30代前半まではずっと黒染めして隠してました。病気でさらに白髪もとなると、はたからは苦労しているように見える。そういう印象にも嫌気がさしていたのですが、転機は37、38歳の頃。すでに白髪が髪の多くを占めていたときに、美容専門学校時代の同級生でもあり、10年以上も僕の髪をカットしてくれているmitsuo hairの早坂光雄くんに相談したんです。そうしたら『絶対黒染めしないほうがいい。こんなきれいなグレーヘアの人なんてほかにいないし、カッコいいよ』と言ってくれたんです。その言葉を聞いて、黒染めをきっぱりやめました。黒髪からの移行期は、白髪との境目を馴染ませるためにパーマを活用したり、白髪で短髪だと老けて見えやすいため、ヨーロッパの人のような少し長めでウェイビーなスタイルを彼は提案してくれました。最初は白髪を気にして大いに悩みましたが、光雄くんをはじめ周囲の人が肯定してくれたおかげで自信がつきましたね。彼との関係性がなかったら、ここまで白髪をポジティブにとらえられなかったと思います。今となっては、このグレーヘアがすっかりアイデンティティになりました」
「クセは強いほうですが、パーマもかけてます。これは2年前ですが、白髪は長めのヘアだと老けて見えず、こなれた印象に映ります」
「髪は、乾燥しやすく毛量多めのクセ毛。美容室には1カ月から1カ月半に1回の頻度で、カットとたまにパーマで整えてます。スタイリングは広がりを防ぐため、内側に多めのスタイリング剤をつけるのがコツ。仕事の日は1のウカのヘアオイルをつけたあと、3のシロのヘアバームでスタイルをキープします。というのも、厨房にあるサーキュレーターの近くで作業すると乾燥がひどく、髪も乱れやすいんです。休日などは、髪が乾燥気味なら2のオーウェイのクリーム、軽やかさを出したいときは4のザ・プロダクトのヘアミルクと使い分けています」
CASE:2|自然体を貫くのであれば、セットもやりすぎずに
「無理に取り繕わないという風潮が白髪に対して前向きにしてくれた」
「白髪は20代後半から出てきて、30代前半にはかなり目立つようになりました。周りから『白髪多くない?』と言われていましたが、自分では洗面台のライトの反射で白く見えているもんだと思っていて(笑)。それくらい気にしていなかったんだと思います。僕の場合は父方が白髪家系なので、ある程度は遺伝もあるよね、と。『もう生えちゃったからしょうがない』という、なるようになるさ精神で受け入れてきました。黒染めは考えていないですが、フォトグラファーという仕事柄、気になる瞬間もあって、例えば10代、20代の若い被写体を撮影するときに『気難しそうなおっさんの巨匠が来た』と思われないように染めるか一瞬考えたり(笑)。今年で43歳ですが、僕らの世代や少し上の先輩って『無理に取り繕わなくていい』みたいな風潮があるんですよね。だから、白髪が増えてもありのままを受け入れて身を任せている人もいる。これがイケてるよねという感覚で、僕も今のスタイルに落ち着いています。今も白髪は増え続けているので、もしかしたら5年後には真っ白になっているかもしれない。でも、それならそれで真正面から受け入れるだけでも十分前向きだと思っています」
「パサつきやすく、洗髪後のオイルは必須。メイソンピアソンのブラシで軽くとかした後、軽めのアスレティアか、重めの柳屋のあんず油を気分で使い分けています」
CASE:3|ヒゲから先に白くなる人は髪と合わせて短く清潔に
「いっそ真っ白になりたいと思うようになってきました」
「今52歳で、白髪に気づき始めたのは45歳の頃。実は昔、ヒゲをもじゃもじゃに長く伸ばしていたんです。そうしたら、髪よりも先にヒゲが白くなってきて…。そこからヒゲは今くらいの長さに整え、徐々に白くなってきた頭の両サイドは短くしました。大事なポイントは清潔感で、それが保てていれば白髪に抵抗はなくなりましたね。白髪染めは最初の頃から考えていませんでしたし、何より妻が白髪まじりのヘアスタイルを『雰囲気があってカッコいいんじゃない?』と肯定してくれているので。ヘアケアもシンプルで、イソップのシャンプーのみ。ただ、白髪になることでファッションは少し変わったかもしれません。あまりいろいろこだわって買うほうではないですが、老眼を機にメガネをかけ始めて、セルフレームよりも白髪と相性がいいメタルフレームを選びました。洋服もここ2年はほぼ黒で揃えていて、それも髪に合うなと。年をとればとるほど、いろいろなことが引き算になっていく実感があります。清潔さはキープしつつ、そのうえで少しずつ老けて変化していくのは当たり前のことですし、それでいいんです。どうせなら、坂本龍一さんのような真っ白な髪を目指したいですね」
「この髪型になって10年以上、ずっと同じ美容師さんが担当。セットはマークスアンドウェブのヘアバームを濡れた髪につけるだけです」