腕時計の顔ともいえる文字盤。その素材は、実に多彩だ。
定番の金属はもちろん、マザーオブパールや隕石など、時計の世界ではさまざまな素材が文字盤に用いられている。色や仕上げだけでなく、「何を文字盤にするか」にもつくり手のセンスが表れる。そんな中で、シチズンが長年取り組んできたのが「和紙」だ。
日本らしい素材というだけでも惹かれるが、独特の繊維が生む表情も和紙ならでは。その魅力を生かした限定モデル2型が、シチズンの最高峰ブランド「ザ・シチズン」から10月8日(木)に発売される。ともに高知県の伝統工芸である土佐和紙を文字板に採用し、年差±5秒の高精度エコ・ドライブを搭載。素材選びのセンスと確かな実力を兼ね備えた、大人の腕元にふさわしい2本だ。
光を通す和紙は、エコ・ドライブとも好相性
そもそも、なぜ時計の文字板に和紙なのか。
障子や行灯などにも使われてきた和紙には、光を透過する性質がある。文字板を通して光を取り込み発電するエコ・ドライブにとって、実は理にかなった素材なのだ。ザ・シチズンでは2017年に初めて和紙文字板を採用して以来、その特性を生かしたさまざまな表現を生み出してきた。
今回の2モデルに使われているのは、ともに土佐和紙。ただし、その種類も見た目も大きく異なる。
深紅の文字板が印象的なのが「AQ4100-65X」。採用したのは、極薄で独特の風合いを持つ土佐の「典具帖紙」だ。和紙ならではの繊維の表情が、深みのある赤に豊かなニュアンスを与えている。
そこにゴールドカラーのイーグルマークと秒針を合わせ、ケースとブレスレットには明るく透き通るようなシルバー色の「デュラテクトプラチナ」を採用。和紙という伝統的な素材を使いながら、仕上がりはあくまでモダンだ。
二つとして同じ表情がない
「AQ4106-00B」は、長い繊維を漉き込むことで独特の模様を生み出す「雲龍紙」を文字板に採用。さらに金色の繊維を織り交ぜることで、白を基調とした文字板に華やかさを添えている。
面白いのは、金色の繊維の入り方が一つひとつ異なること。つまり、同じ表情の文字板は二つとして存在しない。工業製品である腕時計に、わずかな個体差が生まれる。そんな一期一会の楽しみも、和紙という素材ならではだ。
こちらはケースに淡く柔らかな色調の「デュラテクトサクラピンク」を施し、ブラウンのワニ革ストラップをセット。深紅のモデルとは対照的な、上品で柔らかな佇まいに仕上げている。
見た目は工芸的、中身はハイスペック
もちろん、魅力は文字板だけではない。
搭載するCal.A060は、定期的な電池交換が不要な光発電エコ・ドライブで、精度は年差±5秒。2100年2月28日まで月末のカレンダー修正が不要なパーペチュアルカレンダーに加え、衝撃による針ズレを検知する機能や、針ズレが生じた際に自動で補正する機能なども備える。
色や装飾だけでなく、素材そのものの表情で腕元に個性をつくる。しかも、それが日本で古くから親しまれてきた和紙なら、なおさら洒落ている。時計選びで人と少し差をつけたい大人にとって、これはなかなか粋な選択肢だ。
シチズンお客様時計相談室
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