オフコートでも着用できるテニスウェアを手がける「パームス テニス ソサエティ」。仲間とのテニスの時間が、インスピレーションに。
「パームス テニス ソサエティ」創設者
自分と他人がイコールになるそれがデンマークの民主主義

「仕事が忙しくなって、仲間と一緒にスケートボードを楽しむ時間がつくれなくなった。ランニングを始めてみたものの、一人で走るとき僕は笑っていなかった。もっとソーシャルにできるアクティブなスポーツはないかと考えていたら、ロジャー・フェデラーの試合を観てテニスの世界にハマったんです。スケートボードもテニスも、頭を使いすぎず、身体が勝手に動く感じが似ています」と話すのは、「パームス テニス ソサエティ」のニコライ。今はコペンハーゲンに住むクリエイターの友人たちと、毎週のようにコートを借りて楽しんでいる。

「みんなが自分たちの好きなファッションや建築、アートやスポーツを結びつけてビジネスを大きくしたいと思っています。コペンハーゲンの人々は“デモクラティック(民主的な)”という表現をよく使うけれど、自分のためとみんなのためがイコール。それは人口が60万人しかない街のサイズ感が影響していると思います。人と人が自然につながる感覚があるんです」。そんなニコライの周りには多くの仲間が集まっている。日本で生きるなら、あえて自分の世界を狭めることも、人生を楽しく生きるヒントかもしれない。


かつてのカールスバーグのビール工場跡地を再開発した注目エリアに、ショールームが一体化したショップがある。テニス文化と現代的なデザインが融合した空間だ。取材日は友人とテニスをするはずだったが、ニコライのケガによりお休み。代わりにお店の外の広場でボール遊びに勤しむ。コペンハーゲンは、ビジター利用できるコートがけっして多くない。だからこそ、もっとテニスをオープンなカルチャーにしたいと考えている。上の写真はいつも使っている伝統的なスポーツクラブ。高級住宅街のオスターブロ地区にある。