「漢方」と聞いて、どんなイメージが思い浮かぶだろうか。
苦い、古くさい、女性のためのもの? いや、決してそんなことはない。漢方は、“心と体はつながっている”という考えのもと、ホリスティックに心身を整えて自然治癒力を上げ、不調が出にくい体へと導いていくことをモットーとする医学。最近パワー不足を感じる40代メンズにとっても心強い存在となること間違いなしだ。
そこで今回は、話題の新刊「おとなのご自愛 漢方養生」の著者、漢方薬剤師・漢方ライフクリエーターの樫出恒代さんに、漢方について聞いた。
「漢方」は男子に向いてるって本当ですか?
漢方薬剤師・漢方ライフクリエーター 樫出恒代さん
生まれ故郷の新潟や、東京・築地の「Kaon 漢方アカデミー」などで、長年にわたり漢方カウンセリングを続けている樫出さん。実際、カウンセリングを受けに来る男性はいるのだろうか。
「もちろん男性もいらっしゃいます。そして興味深いのは、悩みが非常に具体的なこと。女性はぼんやりと“なんとなく不調”を訴える方が大半ですが、男性は『耳鳴りを治したい』、『不眠を改善したい』など、とにかくピンポイント。病院に通って薬を飲んだけれど、治らないので何とかなりませんか?という人が多いですね」
あれこれリサーチしてトライ&エラーを重ね、その過程で得た知識と確信とともに漢方にたどり着く。ファッションや美容に情熱を傾け続けるUOMO読者の行動とも重なる、そんな構図が見えてくる。
「だからでしょうか、皆さん非常に真面目なんです。一度やろうと決心すると、漢方薬を飲む理想のタイミングもしっかり守る。せっかく飲むのなら最も効果の出る方法で、みたいなことも熱心に調べてくださったりとか」
一人ひとりのタイプに合致する漢方薬に出合えれば、求める効果がしっかり出る、と樫出さんは言う。やはり漢方は奥深く、尽きない探求心を抱く男性たちと好相性だという気がしてきた。心身を整えて、QOLを上げたい――。そろそろそんなことを考え始める40代にこそ、必要不可欠な知識と言える。
パートナーの「更年期」問題、どうすればいい?
漢方薬と聞いて、女性の更年期対策というイメージを抱いた人も多いと思う。
そう、我々のパートナーの中には、そろそろ「更年期」という荒波を迎えるタイミングにある人も多いはずだ。個人差はあるものの、彼女たちが悩みを抱えた際は、スマートにアシストしたい。樫出さん、そんなときはどうすれば?
「男性は……静かに見守ってあげてください。たとえば、イライラしているなと感じた時も、あまり反応しない方がいいです。「どうしたの」とか「大丈夫?」とか言われても、そのひと言でさらにイラッとしちゃうこともあるので(笑)。
男性にも更年期はありますが、女性はホルモンの値がストンと下がるのに比べ、男性の場合は徐々に下がっていくこともあり、始まるタイミングも症状もまったく違うんです。だからわからなくて当然。女性は一気に来るんだな、ということだけ知っておいていただければ。
ただ、そんなパートナーの不調に気をもむことで、ご本人のストレス、すなわち不調につながってしまうケースもあるんです。先日カウンセリングを受けに来た男性もそうでした。そういう時はぜひ、おふたり一緒にカウンセリングにいらしてほしいですね。漢方は、人生がやさしく巡るお手伝いもできる存在ですから!」
「おとなのご自愛 漢方養生」
老眼・夜間頻尿・薄毛対策にも漢方を
最後にあらためて、新刊「おとなのご自愛 漢方養生」について。
漢方薬剤師・漢方ライフクリエーターとして30年以上漢方に携わってきた樫出恒代さんが、10年にわたりつづってきたエッセイから人気テーマを厳選し、まとめた1冊。
目次には、慢性疲労・老眼・夜間頻尿・薄毛など、男性も無視できないキーワードが数多く並ぶ。そのページを開くと、分かりやすい解説と推奨の漢方薬、そしておすすめの食材やツボといった養生の知恵まで紹介されている。
また、自分の体質を知るチェックリストや、腹部に触れることでストレス度・老化度など自分の体と心の声を聴くことができる「腹診」の方法も掲載。樫出さんによるイラストも癒しだ。
今は深い悩みはなくても、これからたどる人生を心地よく、“高め安定”状態で生きていく知識としてインプットしたい漢方と養生の知恵を、ぜひこの1冊で。
目次(抜粋)
・「漢方薬は効かない」と思っている方に知ってほしいこと
・緊張しやすい人に伝えたい、3つの知恵
・忘れっぽいにも、役立つ漢方があります!
・夜中に目が覚めてしまう、その原因は?
・食後にぱたっと寝てしまう、それ「氣絶病」です
・頭痛持ちさんに知ってほしいこと
・明け方に足がつる悩みに、三つ星の養生を
かしで ひさよ●Kaon漢方アカデミー主宰、 漢方カウンセリングルームKaon、漢方くすりのヒロヤ代表。新潟薬科大学薬学部卒業。
一人ひとりの心と身体に丁寧に向き合う独自メソッド〈バイタルフットヒーリング〉を取り入れた漢方カウンセリングを実践。東京・築地、新潟を拠点とするほか、「女性ライフクリニック銀座」にて漢方外来を担当している。また、漢方の魅力を伝える人材育成にも力を注ぎ、東京、京都、新潟など各地での漢方アカデミー開講や漢方フェスを通じて普及活動を展開。「一家にひとり漢方アドバイザーを」という想いのもと、漢方を日常に生かし、自分らしく心地よく生きる力を届けている。