【大人のハワイ旅】「プリンス ワイキキ」で過ごした4日間が最高すぎた理由

正直に言うと、ハワイに対してそれほど強い憧れを抱いたことはなかった。いろんな人から「ハワイ最高！」という話は聞いていたけど、定番すぎるハワイはなんとなく素通りしてきた。でも、今回初めて訪れてみて分かった。これは完全に食わず嫌いだった。

プリンス ワイキキでの4日間は、ハワイに対する自分の価値観を根底から覆してくれた。アクティブにワイキキの街歩きを楽しむのもよし、完全にホテルに籠ってのんびり過ごすのもよし。どちらのスタイルでも最高の時間が過ごせる、そんな稀有な存在がここにはあった。ワイキキの中心部にありながら、全室がオーシャンフロントという贅沢すぎる立地がそれを可能にしている。

1990年の開業以来、株式会社西武ホールディングスが威信をかけて運営する海外フラッグシップホテル。2017年の大規模リニューアルを経て、その格式と洗練度はさらに磨きがかかった。アラワイヨットハーバーを見下ろす高層ツインタワーが印象的で、ホノルル空港から車で約20分という絶好のアクセスながら、ワイキキの喧騒から少し離れた落ち着いたエリアに位置している。

なにより特筆すべきは、全562室すべてがオーシャンフロントということ。ワイキキでこれができるホテルは、ここだけだ。さらに併設するハワイプリンスゴルフコースは、ワイキキで唯一のホテル直営コース。これは期待せずにはいられない。

チェックインを済ませ、エレベーターで客室階へ。今回泊まったのはオーシャンフロント（$370～）だが、ドアを開けた瞬間、思わず「うわっ」と声が出た。床から天井まで続く開閉式パノラマウィンドウの向こうに広がるのは、遮るもののない太平洋。これは反則だろう。

室内装飾にも目を見張る。カーペットは水際にゆれ動く砂をイメージし、壁には河口だったこの土地に繁殖していたナイオフラワーが全客室に描かれている。自然素材を厳選したというインテリアは、まさに「癒しと再生のくつろぎ空間」。普段なら到着後すぐに街に繰り出すところだが、この部屋から一歩も出たくない…。

窓を開ければ、ハワイの風が部屋を通り抜けていく。朝は美しい朝日、夕方にはロマンチックなサンセット。時間ごとに表情を変える太平洋を眺めながら、コーヒーメーカーで淹れたコナコーヒーを飲む。こういう贅沢な時間の使い方を、もっと早く覚えておけばよかった。

ちなみに全客室にウォシュレットが完備されているのは、日本人には嬉しいポイント。

ホテルの5階にあるインフィニティプールは、取材時は残念ながら工事中で実際に体験することはできなかったが、プールの縁が太平洋の水平線と一体化して見える設計は、工事の隙間から垣間見ただけでもその美しさが十分に伝わってきた。完成すれば、ここでぼーっと浮かんでいるだけで、日常のストレスなんて吹き飛んでしまうに違いない。

プールサイドのヒナナバーでは、爽やかなハワイアンカクテルを楽しめる。土曜から木曜は11:00am-7:30pm、金曜は11:00am-8:00pmの営業だから、夕方のサンセットタイムに合わせて訪れるのがおすすめ。カクテルを片手に、オーシャンフロントカバナ（最大4名利用$250〜）でゆったり過ごせば、もうここがパラダイスであることを疑う余地はない。

プールの周りには、オーシャンビューデイベッド（最大2名利用。$75〜）やプレミアムカバナ（最大4名利用。$125〜）も用意されている。オーシャンフロントカバナ（最大4名利用、ホテルゲスト$250～）にはシャンパンボトルまで付いてくるから、特別な日には奮発する価値がある

プリンス ワイキキのシグネチャーレストラン「100 SAILS RESTAURANT & BAR（ワンハンドレッドセイルズ レストラン＆バー）」は、一面に広がる大きな窓から美しいハーバービューを望める、このホテルの顔ともいえる存在だ。

140席のダイニングルームは開放感抜群で、地元の新鮮な食材を使った個性的で多種多様なアラカルトメニューが自慢。朝食は月曜から土曜が6:30am-10:30am、日曜は6:30am-9:00am。ディナーは月曜から水曜が5:00pm-9:00pm、木曜から日曜は5:00pm-9:30pmと、しっかり時間を取って楽しめる。

ディナービュッフェは宿泊客だけにとどまらず、ハワイの地元民にも人気。取材時も満席で大賑わいだった。メニューは新鮮な寿司・刺身から始まり、大人気の蒸しクラブレッグ、プライムリブ、生牡蠣などの海の幸、シェフ特製料理まで、まさに「夢のディナービュッフェ」。韓国風フライドカリフラワーやホイシン・バーベキューリブなど、アジアの風味を効かせた創作料理も人気。食後は看板メニューのプリンスブレッドプディングとクリームアングレーズで締めくくりを。ハワイらしいタロマラサダ・アイスクリームサンドイッチも見逃せない。

特に印象的だったのは、毎日5:00pm–6:30pmのゴールデンアワー。ハーバーに沈む夕日を眺めながらのディナーは、まさに大人の贅沢そのものだった。窓際の席でゆっくりと時間が過ぎていくのを感じながら、創作アイランドフレッシュ料理に舌鼓を打つ。こういう贅沢な時間は、ハワイを実感する瞬間だ。

14名まで利用できるプライベートダイニングルームもあるので、特別なディナーや記念日にも最適。80席のナイオルームや30席のラウンジスペースもあり、シーンに応じて使い分けられるのもポイントが高い。

さらにプレミアムなクラブ プレミア オーシャンフロント（$540～）へのアップグレードもおすすめだ。毎日午前7時から午後8時まで利用できる5階プールサイド隣接した「プリンスワイキキ クラブラウンジ」が利用できるのは、まさに「選ばれた者だけの特権」という言葉がぴったり。

屋内外型のオーシャンビューラウンジからは、美しいハーバービューをクラブデッキから眺めながら朝食と夕食時の温かい料理、終日のスナックバー、そして夜には各種デザートに加えてドラフトビールとワインまで、すべて無料で楽しめる。

滞在中に思わぬサプライズに出会った。4月10日から5月31日まで期間限定でオープンしている「ハウス オブ サクラ（House of Sakura）」は、サントリーとのコラボレーションによるポップアップダイニングバー。常夏のハワイで桜を楽しむなんて、まさか想像もしていなかった。

まるで日本の桜の下でピクニックをしているような魅惑的な空間。木曜から日曜の5:00PM～10:00PMの営業で、完全に夜の大人の時間帯。取材時はDJが入っていて、BGMは日本のシティポップ中心の選曲。ハワイで大橋純子の「テレフォン・ナンバー」が聞けるなんて！

プリンス ワイキキのキュリナリーチームが腕を振るう風味豊かな居酒屋スタイルのメニューが秀逸だ。特におすすめは「お花見詰合せ（2名分）」$48。味噌バターフィッシュ、桜おにぎり、鮪と焦しサーモンの刺身、鶏の唐揚げ、トリュフ入り玉子焼きなど、まさに日本の花見弁当をハワイ風にアレンジした逸品。

ドリンクメニューも充実している。サントリーの代表的な「トキ（季）ハイボール」$15をはじめ、「桜夢」$15（サントリー六Gin、サン・ジェルマン エンダーフラワー、マウイ ハイビスカス、フィーバーツリー トニック）。「海光」$15（ソウザシルバーテキーラ、ライム、ブルーキュラソー）は見た目も美しく、インスタ映えも抜群。

1室1泊につき$44+税金のリゾートチャージには、正直最初は「また追加料金か」と思ったが、実際に利用してみると納得どころかお得すぎる内容だった。

特に重宝したのが、繰り返し利用できるボトルウォーター（1室につき2本、館内給水所にて給水）。ハワイの強い日差しの下では水分補給が欠かせないが、いちいちコンビニで買う必要がなく、館内の給水所でいつでも補充できるのは想像以上に便利だった。プールサイドでも常に冷たい水を持ち歩けるのはありがたい。

そのほかイオラニ宮殿、ホノルル美術館（HoMA）2名入場無料（ルームキーを提示）に加えて、希望者にはセミプライベートツアーが無料（要予約）。ビショップミュージアムへの入場も無料（大人2名、子供2名）で、ワイキキトロリーグリーンラインは2名購入で1名無料。ハワイシアターでのショー鑑賞チケットは10%引きになる。

館内アートツアーに24時間利用可能なフィットネスセンター、プリンスFITT（無料フィットネスクラス）まで含まれているから、アクティブに過ごしたい人にも嬉しい。客室内とホテル内Wi-Fiは当然無料で、コーヒーメーカーとホットポット（コーヒー、紅茶もご用意）まで付いている。

7,000以上の新聞や雑誌を閲覧できるプレスリーダー（PressReader）の利用や、1室に付き1つホテルロゴ入りエコショッピングバッグ、無料電話サービス（市内通話、1-800トールフリー番号、国際通話：1日につき60分まで）まであるから、もはや至れり尽くせりだ。

プリンス ワイキキは、アラモアナショッピングセンター、ワイキキ、ハワイコンベンションセンターに近い便利な立地でありながら、全室オーシャンフロントという贅沢を実現した稀有なホテル。ホノルル空港から車で約20分、タクシーなら$50程度でアクセスできる。

1泊2日の短期滞在でも、1週間のロングステイでも、それぞれ違った楽しみ方ができる懐の深さ。またハワイに来ることがあれば、間違いなくまたここに泊まる。今度はゴルフにチャレンジする旅もいいかも。それとも完全にホテルに籠って、プールサイドで本を読みながら過ごすか。どちらにしても、プリンス ワイキキなら期待を裏切らない特別な時間を過ごせるはずだ。