2026.10.14
最終更新日:2026.10.14

【着る前に大人が知っておくべき「新しいカシミヤ学」③】サイズ展開ではなくシルエットの違いを楽しむ【エクストリーム カシミヤ】

大人を癒やしてくれる素材の筆頭、カシミヤ。ただ、本当の意味でのすごさを僕たちは知っているのだろうか? 生産背景から、どういった技術が使われているかまで、注目の4ブランドのデザイナー・ディレクターに聞いてみた。

年齢や体型を越えて選べる、ワンサイズ550型

アイロン

サイズ展開ではなくシルエットの違いを楽しむ

2016年にアムステルダムでスタートしたエクストリーム カシミヤには、約550もの型が存在する。創設者のサスキア氏、デザイナーのジュールス氏、ブランドディレクターのヴィス氏に、その独特な“カシミヤ・ワードローブ”の考え方を聞いた。

「もともとは、香港・オランダ・中国を行き来しながら欧米のハイレベルなブランドのためにカシミヤセーターを作っていましたが、ビジネスの条件に縛られず、もっと理想を追求したくなった。最高品質の一枚を作りたい。それがブランドの始まりです」(サスキア)。

そこから“for every body and everybody”をコンセプトに掲げて、カシミヤの可能性を考え続けている。

「550型はすべてがワンサイズ。それも、毎シーズン新作を作って入れ替えた結果ではありません。気に入った型は何度でも使い、シーズンカラーを加えながら、新しいデザインやシルエットを足してきた。大切なのはサイズ展開ではなく、そのバリエーション。そうやって生まれたのが550型なんです」(ジュールス)。

「ある人には大きなシルエットが似合い、別の人にはタイトなシルエットが似合う。小柄な人に大胆なオーバーサイズがマッチすることもある。XSやLという区分から離れ、アイデンティティまで含めて最も似合うデザインを考える。裾幅・袖幅・レングス…と可能性は多彩です」(ヴィス)。

糸

一方、完成したプロダクトはむやみに変えない。

「定番のネイビーは、創業以来、色味の調整をしていません。もっと売るために何かを変えなければと考えがちですが、いい色はいい。いいシルエットはいい。もちろん新しさを拒むわけではなく、ジュールスと私が開発したコットン70%・カシミヤ30%の新しい素材からTシャツシリーズが生まれました。昨年には手縫いで仕立てるダブルフェイスも加わっています」(サスキア)。

「ブランドイメージやシーズンテーマありきではなく、素晴らしいカシミヤで何ができるか? いつも素材がデザインの出発点になります」(ジュールス)。

膨大な型数。その前提にあるのは、妥協のない素材選びがある。

「今も繊維の長い原料を厳選し、編みから洗いまで全工程を管理しています」(サスキア)。

「“NO CONCESSIONS”=妥協しない。それが私たち全員が共有している考え方です。素材もデザインも、何かを決めるときはいつもここに立ち返るようにしています」(ヴィス)。

カシミヤ100%のもの
1 Vネックカーディガン¥190,700 2 クルーネックニット¥185,000 3 クルーネックカーディガン¥153,800 4 ハイネックニット¥270,000 5 ジップアップニット¥295,200 6 襟付きニット¥185,000

こちらの6型はすべてカシミヤ100%。ネイビーは、エクストリーム カシミヤが創業以来大切にしているカラー。個人名のようなネーミングも面白く、「Jonah」(1)、「Luce」(3)に、今季は襟付きの「Jan」(6)が仲間入りした。この中で最も長く展開されている「Oversize Xtra」(4)は、肉厚でたっぷりとしたハイネックが特徴。編みのゲージ、起毛感、肩の接ぎ方、リブの太さや長さまで、一枚ずつニッティングが異なる。

Oversize Xtra
Oversize Xtra
コットンカシミヤ素材のロンTシリーズ
7 ロンT¥86,100 8 ロンT¥61,600 9 ロンT¥80,000

柔らかく張りもあるコットンカシミヤ素材のロンTシリーズ。この3型も身幅や着丈が少しずつ違っている。「Jones」(9)は鮮やかなシーズンカラーが目をひく。

Jones
Jones
アウター、パンツ
10 ジャケット¥393,700 11 パンツ¥307,600/エクストリーム カシミヤ

カシミヤを手作業で二重織りに仕立てたダブルフェイス素材を使うことで、立体裁断が可能になり、アウターやパンツなども製作できるようになった。ワークジャケット「Maker」(10)やワイドストレートパンツ「Giorgio」(11)が人気を集めている。

Maker
Maker

サスキア・ダイクストラ/ファウンダー
ジュールス・テン・ヴェルデ/デザイナー
ヴィス・フェルホフシュタッド/ブランドディレクター

さまざまなデザインとシルエットでカシミヤを楽しめる、オランダ発の気鋭ブランド。創業者のサスキア氏が、素材調達から品質管理までを行う。現在は、体型や既存のサイズ概念に縛られずデザインを考えるジュールス氏や、マーケティング担当のヴィス氏などが一緒にブランドを支えている。

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