2023.02.12

【小木“Poggy”基史さんの着こなし講座】「愛する服は、『2周目』からが勝負です!」

久々に着たくなった手持ちの服は、どうすればフレッシュかつ、しゃれた着こなしに落とし込めるか? 縦横無尽にスタイルMIXを楽しむ着こなしの達人、小木“Poggy”基史さんに聞いた!

【小木“Poggy”基史さんの着こなし講の画像_1

POGGYが語る。

愛する服は2週目からが「勝負」です。

トム・フォード時代の グッチのスーツは カジュアルダウンして着る

トム・フォード時代のグッチのスーツはカジュアルダウンして着る

「3年前はシャツや革靴で、モードかクラシックに着こなしていました。今はアメカジっぽさを入れて着るのが面白いなと。中に着たリーバイス557XXは袖がカットオフされたベスト仕様。足元も革靴ではなくビルケンシュトックのボストン。こういうハイブリッドな着こなしが、今いちばん楽しいです」。ちなみにスーツをお直ししたのは原宿のフェニーチェクローゼット。「ここに出会ってからお直しの考え方が変わりました。価格は高めですが、確実に、今着られる服に生まれ変わります」。


2000年代のグラフィック アウターはヴィンテージの フレアジーンズと990v6をMIX
2000年代のグラフィック アウターはヴィンテージの フレアジーンズと990v6をMIX 後ろ姿

2000年代のグラフィックアウターはヴィンテージのフレアジーンズと990v6をMIX

10代で裏原宿のカルチャーに影響を受けた小木さん。「ストリート発のアイテムは、大人になってからのほうがセオリーに縛られず、自分らしく着られる気がします。フレアジーンズもそうですが、僕は今、ポルシェが好きなので、フランス発のKARのキャップを合わせたり。自分の好きなカルチャーをミックスして着ると“服に着られた感”がなくなります」。足元には最新のニューバランス990v6をチョイスしているのも、小木さんらしい。


ハットをアーティストペイントで 自分らしくカスタム
ハットをアーティストペイントで 自分らしくカスタム 全体像

ハットをアーティストペイントで自分らしくカスタム

THE H.W.DOG&CO.のハットには、友人のタトゥーアーティスト、Dr. Wooのペイントを。「仰々しい印象のハットは、ひと手間加えることで自分らしいアイテムになる気がして、アート風にカスタムをしたものが多いです」。


久しぶりのジャケットにはブローチをつけて鮮度UP 
久しぶりのジャケットにはブローチをつけて鮮度UP 全体像

久しぶりのジャケットにはブローチをつけて鮮度UP

「5年前のゴーシャ・ラブチンスキーのジャケットに、最近買ったBODEの馬のブローチをつけたら印象がガラッと変わって、これも一軍入り」。蝶のブローチはニードルズ。意外なブランドのブローチ探しもマイブーム。


新品のスウェットをスーツに合うようにダメージ加工で味出し
新品のスウェットをスーツに合うようにダメージ加工で味出し 全体像

新品のスウェットをスーツに合うようにダメージ加工で味出し

「ループウィラー×ロウワーケース×ポギーザマンの後づけパーカはジャケットの下に着るとフードがいい感じのアクセントに。ダメージ加工すると断然雰囲気がよくなると思い初挑戦」。ボロボロ×ラグジュアリーが気分。


スニーカーはヴィンテージ加工して振り幅を広げる
スニーカーはヴィンテージ加工して振り幅を広げる 全体像

スニーカーはヴィンテージ加工して振り幅を広げる

スニーカーファンの間でヴィンテージ熱が再燃中。「ダンク HIGH×アンブッシュは新品だとモードな雰囲気ですが、加工したらアメカジにも合うんじゃないかとヴィンテージカスタム。さらに気に入りました!」。


昔とは違う今の気分をミックスして着こなすのが楽しい

 最新のモードからヴィンテージまで、カルチャーを織り交ぜてブレンドする独自のスタイルで、世界から注目される小木さん。コロナ禍を機にクロゼットを見直したこともあり、“久しぶりの服”を着ることも増えたそうだ。

「故ヴァージル・アブローが、コロナ禍のルイ・ヴィトンのコレクションで、前シーズンのものをリメイクした手法が象徴的ですが、“最新のものが最高”というムードがなくなりましたよね。僕自身もセレクトショップで20年以上働いて学んだジャンルレス、タイムレスなミックススタイルを、再び今のスタンスで楽しむようになりました」

 この日小木さんが披露してくれたのは、最近また着るようになったと語る、2000年代初期のアイテム。

「どちらも発売された当時は高額で買えず、後に探して手に入れた宝物です。トム・フォード時代のグッチのスーツはサイズ52(XL相当)で僕には大きすぎたので、着丈やウエストを自分サイズに直したもの。8年くらい前に買ってしばらく着ていなかったのですが、今ならヴィンテージのデニムベストと合わせたらよいのでは?と思い立って、最近引っ張り出して着たら見事にハマり、以来一軍に復活です。アンダーカバー×フューチュラのブルゾンも、今の気分で合わせるなら裏原時代とは違う’70sリーバイスのフレアジーンズ。当時はやらなかったシルエットで着ると、また違ったものに見えますよね」

 今まで以上にヴィンテージが面白いという小木さん。今興味があるものをミックスして着こなすことが「2周目」をモノにする一つの正解のようだ。



Photos:Kanta Matsubayashi 
Composition&Text:Hisami Kotakemori

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