2024.01.31

【Patagonia】2月2日発売開始。「パタゴニア」の2024年春夏新作を誰よりも早く着てみたら…

日本列島に寒波が訪れていた1月の終わり、表参道にてパタゴニアの2024年春夏新作展示会が開催された。今回もUOMOブランド統括の山崎と副編集長の薬師神が気になる新作を試着して、その実感をレポート!

【Patagonia】2月2日発売開始。の画像_1

パタゴニア展示会場の入り口カウンターにて受付を済ませるふたり。パタゴニア・ファンの山崎は、トップスはすべてパタゴニアという気合の入ったスタイルで会場に現れた。


山崎:きょうは、50周年記念のラグビーセーターとパタゴニアのダウンを着てきた。あれ? 薬師神もラグビーセーターのネイビーのほう、買ったんじゃなかった?


薬師神:女子高生の双子コーデのようになるのは、いかがなものかと…。


そんなやりとりをしていると、前回スポーツカテゴリーのアテンドをしてくれた、パタゴニア マーケティング部の内野宗一郎さんが山崎に声をかけた。


内野:きょうはありがとうございます! 山崎さんは、この冬、もうどこかに滑りに行かれました?


山崎:ええ、ニセコに2回行きました。今回は何からでしょう?


内野:トレイルランニングカテゴリーのフーディニの新作からご紹介させていただきます。


フーディニにフードのないプルオーバーが登場!

パタゴニア_2024年春夏_フーディニにフードのないプルオーバーが登場!
薬師神:フーディニと言えば、我らがUOMOのアートディレクター藤村雅史さんも愛用のジャケット。


内野:パタゴニアのライトシェルを代表するフーディニは、2004年にトレイルランニグカテゴリーに登場して以来、素材などのアップデートを繰り返している定番です。このジャケットは胸のポケットに収納できたりすることから、トラベルに活用される方やデイリーに着られる方も多い汎用性の高いアイテムです。


薬師神:いかにも。


内野:パタゴニアが目指す「それひとつで多用途に使える製品」の象徴として、もっとできることがあるのではないかと。今回、フードなしの新型を作りました。

パタゴニア_2024年春夏_クラシックロゴ
山崎:胸のロゴが50周年記念アイテムのときと同じ、クラシックロゴですね。そして袖にキノコのプリントが…。何か意味が?


内野:2024年春夏シーズンは、「いろんなシチュエーションに使える製品」のお墨付きとして、いくつかの製品にこのクラシックロゴを採用しています。キノコは…遊び心ですね。

パタゴニア_2024年春夏_チャンネルアイランドの自然
ここでパタゴニア マーケティング部の小林優子さんから新柄についての説明が。


小林:今季のテキスタイルとカラーは、ベンチュラの本社から見えるチャンネルアイランドの自然から着想を得ています。「北米のガラパゴス」と呼ばれるチャンネル諸島は、自然と動物たちが相互依存して美しい生態系を保っています。「どうしたら製品を通じて搾取資本主義を解体できるか?」というヒントがそこにはあるんですよね。


山崎:そのメッセージをテキスタイルやカラーのストーリーに載せて、伝えていくと。わかりやすいですね。とりあえず、気になるものを試着してみましょう。

01メンズ・フーディニ・ジャケット ¥15,950(左) 02メンズ・フーディニ・スタッシュ・1/2ジップ・プルオーバー ¥19,800(右)

パタゴニア_2024年春夏_メンズ・フーディニ・ジャケット_スタッシュ
サンプルはすべてMサイズということで、身長165mの薬師神と、身長178cmの山崎、ふたりともMサイズを着用するが、違和感なくフィット。


薬師神:線画パターンはカラフルだけど、白ベースだから派手すぎず、合わせやすいですね。


内野:フーディニは撥水加工もされているので、春のバックカントリーでハイクするときなどにもおすすめですよ!


山崎:もともとフードが好きじゃないので、これはいいですね! そしてこのオレンジはロゴがボディと同色に…。


内野:今回カラーコレクションを3つのスタイルで提案していて、それぞれのロゴが違っています。山崎さんのワントーンの織りラベルは「スピリテッド」という、活気あふれるオレンジやアーストーンのコレクション。さきほどのクラシック織りラベルは「アウトドア」。そしてもうひとつ、「ファンクショナル」というコレクションがあります。

03メンズ・エアシェッド・プロ・プルオーバー ¥19,800

パタゴニア_2024年春夏_メンズ・エアシェッド・プロ・プルオーバー
「ファンクショナル」コレクションではないが、内野さんが紹介してくれたのは、熱転写ロゴを取り入れたメンズ・エアシェッド・プロ・プルオーバー。超軽量の撥水加工を施したウィンドシャツだ。速乾性・透湿性にすぐれ、フードと袖はキャプリーン・クール・ライトウェイトというベースレイヤーの素材を使用した、まさに機能的(ファンクショナル)なトレイルジャケット。今季は胸のポケットが追加され、フィット感がアップデートされた。

海から山までの新作レインジャケットに注目

パタゴニア_2024年春夏_アルパインカテゴリー
続いて内野さんが案内してくれたのは、アルパインカテゴリー。


内野:登山用ウエアではありますが、デイリーにも使えるレインウエアをいろいろとラインナップしています。

パタゴニア_2024年春夏_レインジャケット_旧ロゴ
山崎:これも旧ロゴですね。そして袖にはまたキノコが…。
パタゴニア_2024年春夏_レインジャケット_キノコ
さきほどのフーディニ・コーナーでも気になっていたキノコが、レインジャケットにもプリントされている。クラシックロゴが目印の「アウトドア」コレクションには、キノコやツリーなどカラフルなモチーフがプリントやパッチでついてくる。
パタゴニア_2024年春夏_アウトドアコレクション_キノコやツリーなどカラフルなモチーフがプリントやパッチでついてくる
内野:前回の展示会でもお伝えしたように、自然や人体に有害なフッ素化合物を排除することが世界的なミッションとなっています。パタゴニアでは2025年までにすべての製品からフッ素を排除することを掲げています。


薬師神:日本以上に欧米はシビアだとおっしゃっていましたよね。


内野:そうなんです。パタゴニアを代表するトレントシェル 3L、グラナイト・クレストに加えて、今シーズンは新作でボルダー・フォークが加わりましたが、いずれもPFCフリーDWR加工(有機フッ素化合物不使用の耐久性撥水コーティング)になっています。


山崎:とりあえず着ましょう!


パタゴニアのヘヴィ・ユーザーなだけあって、試着したくてうずうずしている山崎は、気になるものに迷わず袖を通す。

04メンズ・グラナイト・クレスト・レイン・ジャケット ¥37,400

パタゴニア_2024年春夏_メンズ・グラナイト・クレスト
山崎:これはGORE-TEXですか?


内野:こちらはH2No(エイチツーノー)になります。パタゴニアが独自に開発した防水性、透湿性、撥水性と長期的な耐久性を実現した素材です。今回紹介する3モデルはすべてPFC(有機フッ素化合物)不使用で、ラボ、フィールドでの過酷なテストに合格した製品です。


山崎:やわらかくて、パリパリしてなくていいですね! 雪山でも使えるんですか?


内野:使えないことはないですが、かなり薄手で軽量に作っており、丈も短いのであまり向かないですね。


山崎:そうなんですね。

パタゴニア_2024年春夏_新作のボルダー・フォーク
内野:新作のボルダー・フォークは、日常的なトレントシェル 3Lと本格的トレイル用のグラナイト・クレストの中間的存在で、海岸から山頂まで使えるモデルです。釣りにも使えるようにファスナーのプルタブをなくして、スライダーに直に紐のプルを付けています。海水で腐食しやすいですからね。薬師神さんには、あまり興味のない話かもしれませんが…。


薬師神:いえいえ、海沿いに住んでいるので塩害は身近な問題です! ボルダー・フォーク、試着します!

05メンズ・ボルダー・フォーク・レイン・ジャケット ¥33,000

パタゴニア_2024年春夏_メンズ・ボルダー・フォーク
内野:お似合いですよ。


薬師神:H2No、本当にやわらかい(感動)。めちゃくちゃ着やすいです!

パタゴニア_2024年春夏_レインシェル
レインシェルを着たふたりのこのユニット感はさておき、ボルダー・フォークは着丈が少し長めになっているのも特徴だとか。身長差はあるものの、この写真でおわかりいただけるだろう。


山崎:グラナイト・クレストは脇にベンチレーションがあるけど、そっちはどう?

パタゴニア_2024年春夏_メンズ・ボルダー・フォーク_脇のベンチレーションなし
薬師神:ないですね。


内野:両サイドのハンドウォーマーポケットは、フライボックスやトレイルマップなどを入れるのに十分な大きさを確保しています。センターファスナーには防錆のPUコートが施されています。


薬師神:なるほど、ファスナーに防錆加工。ポケットも充実しているし、愛犬の散歩によさそうです!


人気のクアンダリー・パンツにリペアパッチ(共布)が!

パタゴニア_2024年春夏_人気のクアンダリー・パンツにリペアパッチが!
ハイクカテゴリーでは、多機能パンツとして人気を集めるクアンダリー・パンツのリデザインがトピックだ。


内野:玄人好みと思われがちなハイクパンツですが、速乾性があって旅にも最高なんです。


山崎:旅行のときは僕もお世話になっています。洗ってもすぐに乾くからね。あと、ヒップポケットやサイドポケットがファスナー付きというのもセキュリティ上安心だし便利。

06メンズ・クアンダリー・パンツ ¥13,200

パタゴニア_2024年春夏_メンズ・クアンダリー・パンツ
薬師神:一番ベーシックなのはこれですか? ジーンズ風シルエットでウエストがイージー仕様。裾もレングスが調整できるロールアップコード付きなんですね。
パタゴニア_2024年春夏_IF IT’S BROKE,FIX IT!(壊れたら直そう)
内野:クアンダリー・パンツのみに今シーズンから、リペア用の共布が付くというのが大きなトピックです。「IF IT’S BROKE,FIX IT!(壊れたら直そう)」とプリントされた内ポケットを裏返すとその下にリペア パッチが縫い付けられています。


薬師神:以前「WORN WEAR(着古した服)」キャンペーンのときにはアウターにリペア パッチが付属していたことがありましたが、それと同じですね?

パタゴニア_2024年春夏_リペア パッチ
内野:よくご存じで! 僕がきょう着ているフーディニは、そのリペアパッチで修理しています。トレイルを歩いているときは藪などに引っかけて穴があくことも起こりうるので、長く愛用していただくために、必要に応じてすぐに修理ができるように共布をつけることになりました。

07メンズ・クアンダリー・コンバーティブル・パンツ ¥17,050

パタゴニア_2024年春夏_メンズ・クアンダリー・コンバーチブル・パンツ
山崎:年々暑くなっているから、最近は5月頃から10月くらいまでショーツですね…。それこそ速乾性に優れたバギーズばかりはいている。


内野:だったら裾が取り外せるコンバーティブル・パンツはどうですか? 速乾性はそのまま、新しいネットプラスファブリックになって、シルエットもアップデートされています。


山崎:裾って取り外して、皆さん、どうしてるんですか? ポケットに入れるわけにもいかないし…。


内野:トレイルではバッグに入れてますね…。中高山ハイクでは気温差も激しくなりますから、おすすめですよ。


実感できる機能満載のマウンテンバイク・ウエア

パタゴニア_2024年春夏_マウンテンバイク・ウエア
スポーツカテゴリーのラストは、近年ファッションシーンでも注目されるマウンテンバイク・カテゴリー。


薬師神:コロナ禍以降、自転車に乗る人が増えていますよね。


内野:パタゴニアのバイクウエアは、ライダーの実感情報をデザインに反映しています。このパンツは腿の内側と膝の裏側にレーザー加工で通気孔をあけています。

パタゴニア_2024年春夏_パンツは腿の内側と膝の裏側にレーザー加工で通気孔をあけています
薬師神:自転車に乗るとこのあたりが蒸れるんですかね?


内野:おっしゃる通りで、熱がこもりやすい箇所です。ライダーの意見を取り入れてこの仕様にしました。実際に乗っている人でないと思いつかない機能です。

08メンズ・メリノ・3/4スリーブ・バイク・ジャージー ¥14,300 09メンズ・ダート・クラフト・パンツ ¥20,900

パタゴニア_2024年春夏_メンズ・メリノ・3/4スリーブ・バイク・ジャージー_メンズ・ダート・クラフト・パンツ
山崎:同色のメリノウールのジャージーとセットで着ると『死亡遊戯』のブルース・リーみたいですね。自転車には乗らないけれど、ちょっと欲しくなりました(しみじみ)。
パタゴニア_2024年春夏_完全防水タイプ_フロントを少し開ければベンチレーションになる
内野:(スルーして)こちらのジャケットは悪天候に対応する完全防水タイプですが、フロントの止水ファスナーがダブル仕様で、フロントを少し開ければベンチレーションになるという仕掛けがあります。

10メンズ・ダート・ローマー・ストーム・ジャケット ¥41,800

パタゴニア_2024年春夏_メンズ・ダート・ローマー・ストーム・ジャケット
薬師神:配色も大人っぽくて素敵です。


内野:今日、着てきたかのように、お似合いです。

パタゴニア_2024年春夏_この手の防水プルオーバーで、ダブルファスナーは珍しい
薬師神:防水プルオーバーで、ファスナーは途中までなのにダブルファスナー仕様は珍しいですよね?
パタゴニア_2024年春夏_バックにポケットが付いている
内野:はい。素材はPFCフリーのH2Noです。両サイドにファスナーがついていて、ライディング時に暑くなったときにはここを開けて換気ができます。それからバックにポケットが付いているので、犬の散歩用にもいいのではないしょうか?


薬師神:完全にオーバースペックですけどね(苦)。でも着やすくて、配色もいいので、僕もちょっと欲しくなりました。


それぞれの視点でパタゴニアと向き合ったふたりの展示会レポートはまだまだ途中。デイリーに着たい、ライフスタイルカテゴリーのトピックは後編にて!



パタゴニア日本支社 カスタマーサービス TEL:0800-8887-447
https://www.patagonia.jp/home/

Photos:Kanta Matsubayashi
Composition & Text:Hisami Kotakemori

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