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2023.12.12

【おしゃれな大人のアイウェア】スタイリストが試着&解説。「トニーセイム」のメガネがどんな服にも似合う理由

港区虎ノ門にある「tonysame(トニーセイム):」のショップにて、大人男子に似合う新作アイウェアを試着ルポ。スタイリストの井田正明さんがファッションの旬に寄り添う珠玉の5本を試着して、リアルな感想とともにリコメンドしてくれた。

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ファッションに合うアイウェアとは?

ここは、おしゃれな文化系メガネ男子が集う東京・虎ノ門の「tonysame: japan office/showroom」。高い次元でのクオリティと職人気質、そして美意識を担保するグローバルアイウェアブランドである「tonysame:(トニーセイム)」の最新モデルを、スタイリストの井田正明さんと編集部員の薬師神が試着ルポ。



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細井社長:弊社での試着ルポももう4回目になります。今回はファッションの最前線で活躍されている井田さんをお迎えしてワクワクしています。

ST井田:メガネはスタイリングのスパイスとして重要です。個人・洋服・メガネ、どれもが互いの引き立て役になる三方よしのセレクトを意識したい。


店内では細井 礼・トニーセイムジャパン社長がお出迎え。談笑する2人をよそに、編集部員の薬師神は先の10月に発表された「第27回 日本メガネ大賞 2024」グランプリ受賞モデルを早くも試着していた。


薬師神:この丸メガネ(上画像で薬師神がかけていたモデル)は、「トニーセイム」のすごさを伝えるには最もシンプルでわかりやすい。井田さんにはこれを含めて5本のセレクトをお願いします!



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ST井田:承知しました。では、この5本で。

常時300本以上のラインナップを揃える「トニーセイム」最新モデルから、バラエティに富んだ5モデルを厳選。「旬のファッションにフィットするアイウェア」の観点でスタイリストから1本ずつリコメンドする。


薬師神:ファッション誌が手掛けるウェブらしい企画。今まで思いつかなかったのはなぜ?


まず1本目、薬師神が試着していた直近の「日本メガネ大賞」グランプリ受賞モデルとは?









ファッションに合うアイウェア(その1)


TS-127-051 [NewWave]


¥29,700



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その傑作は、ボストンシェイプの「TS-127-051」だった。「日々に寄り添うデイリーウェア」をコンセプトに掲げ、エントリー価格帯で人気の高い「NewWave(ニューウェーブ)」からの1本。メタルリムの内側にプラスチックリムをはめ込んだコンビネーションフレームだ。

薬師神:どうですか?


ST井田:文化系のエッセンスが滲み出ている。大人男子向けのステイタスモデルです。


インナーのプラスチックリムを表面にメタルリムを挟む形ではなく、前面に面合わせすることで、メタルとプラスチック双方の質感をしっかりと表現した美麗フレームが授賞理由。知的かつ繊細な印象を王道のボストンシェイプで漂わせつつ、独自開発パーツを駆使したクラフツマンシップに大人男子のこだわりをも感じさせる。リーズナブルな価格帯で良品を市場に広く提供する企業努力も評価された。



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ちなみに、著名プロダクトデザイナーや業界記者、グラスフィッターら第三者が独立審査する「日本メガネ大賞」は、先の10月に東京ビッグサイトで催された「第36回 国際メガネ展 -iOFT-」で発表。2023年の7月1日以降に市場に出た新フレーム・サングラスの中からデザイン部門とテクノロジー部門でエントリーを募集し、審査の結果、各部門5製品ずつの「第27回 日本メガネ大賞 2024」グランプリ受賞作が決定した。

薬師神:取材しました。熱気がヤバい。


細井社長:業界人の業界向けのアワードですし、声高にアピールするほどでもないと思っていたところでした。私としては、井田さんが今着ていらっしゃる洋服に合うアイウェアのほうが興味があります。


井田:僕もあります。









ファッションに合うアイウェア(その2)


TS-122-534 [New Wave]


¥29,700



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果たして、スエードジャケットとの相性を考慮して選ばれたアイウェアは、メガネ大賞受賞作のコンビネーションフレームとは異なる製法で、ナイロールでリムを固定するタイプの「TS-122-534」だった。

全体の印象は、プラスチックとメタルのコンビフレームが絶妙なバランスで絡み合うハーフ&ハーフ。ウエリントンをベースに、天地幅を抑えることでスッキリとしたデザインに落とし込んだ。



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ST井田:ブラウンは今秋冬のトレンドカラーです。ヴィンテージで手に入れたスエードジャケットから色を抽出して、ちょっぴりレトロで落ち着いたなニュアンスも感じ取れるメガネを選んでみました。

薬師神:いい感じ。


グラフィティが描かれたパンツは「JW アンダーソン」。ブラウンの1色展開だった「ロエベ」のスマホケースを真っ先に衝動買いし、その小物に合わせるかたちで、ジャケット、パンツと徐々に他のアイテムを買い足していったという。その締めが「トニーセイム」だ。



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薬師神も井田さん着用モデルのクリアフレームを試着。難易度高めかと思いきや、「実はグレイヘアとクリアフレームは好相性なんです」と井田さんから耳打ちが。小物への挑戦と課金を推し進めるスタイルは、UOMO 2023年1月号にて特集が組まれた「メガネにベルトにギフト、小物だらけの大特集!」に通ずる。

細井社長:メタルフレーム、コンビネーションフレームと続きましたね。さあ、3本めは?









ファッションに合うアイウェア(その3)


TS-10773-527 [Ligament Acetate]


¥39,600



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メタルリムと双璧を成すプラスチックリムから、やや太縁のウェリントンタイプ「TS-10773-527」をチョイス。薄さや軽さを謳うことが多い「トニーセイム」で、ファットでパワフルな存在感は珍しい。


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ST井田:これぞ、シンプル・イズ・ベスト。スタンダードな黒の太縁メガネだからこそ、デザインと素材の良し悪しがルックスを左右すると思います。

細井社長:王道こそ「トニーセイム」で。最上級ラインの「tonysame: premium」に属するプラスチックフレームです。全体にボリューム感を出しながら、リムの上下に大胆にカットを入れて軽やかに仕上げました。



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ここで井田さんから提案。細井社長に色違いを試着してもらった。奥深いミックスカラーがコーディネート全体に馴染んでいる。

ST井田:ビッグサイズのサテン地のショートブルゾンはどこのブランドですか?


細井社長:今秋冬の「エイチ ビューティー&ユース」です。接客がよくても買っちゃいますけど、まずは渋いカラーと絶妙な光沢が気に入りました。


ST井田:もし、トップスもパンツのようにダークトーンのマットな素材感であれば、ソリッドカラーのメガネのほうが合うと思います。ボリューミーな「アグ」のリラックスシューズで崩し過ぎないよう、リュクスなミックスカラーで大人の貫禄をキープさせたい。


細井社長:なるほど。



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まるでエール交換のよう。今度は細井社長から、人間の靱帯を意味する「リガメント」と名付けられたオリジナルパーツの解説が返される。リムとテンプルの付け根に隙間を置き、テンプルの支点にかかる力を外方向にうまく分散させているのだ。

細井社長:片手で斜め前方へ押し出す外し方でも、リムとテンプルの接合部が緩くなりづらい。この外し方は「トニーセイム」では推奨しませんので念のため。あくまで機能パーツのお話です。


ST井田:なるほどです。


細井社長から伝播する作り手側の熱量に井田さんもすっかり惚れ込んだ模様。アイウェアトレンドとファッショントレンドの共通項に話題が飛び火するなか、薬師神は井田セレクトの4本目を物色していた。









ファッションに合うアイウェア(その4)


TS-10776-835 [HD Collection]


¥39,600



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薬師神がチェックしていたアイウェアはペールグリーンが目に鮮やか。「HDアセテート」を使用した、初のオールプラスチックモデル「TS-10776-835」だった。「HD」は高密度(Hige Density)を意味し、角に柔らかな丸みをつけた六角形のフレームが特徴だ。

ST井田:少し前のファッションシーンではちょっぴりウィットのある丸メガネが新鮮でしたけど、2023年の今のタイミングで撮影小物として持参すると、モデルに似合い過ぎて洋服が脇役になってしまう場合がありまして。代わりに多角形のフレームを合わせると、硬質で神経質な印象とともに今のファッションにすんなり落ち着くように感じています。


薬師神:理論よりも時代を掴むセンスみたいな。スタイリスト井田正明らしいコメント。



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ST井田:でも、色は隣の茶系が気分かも。黒タートルとシンプルに合わせて、いつものルーティンからほんの少し外れた違和感を印象づけたい。

薬師神:丸メガネよりも硬質で神経質なニュアンス。なんとなくわかりました。


細井社長:高密度アセテートは通常のアセテートよりも硬く、ハリがあるため、より細く仕上げることができる素材です。今回のモデルはテンプルには使用しておらず、この六角形シリーズのテンプルはすべてフロントカラーと別の色柄を使用し、コントラストを付けています。


ST井田:フォルムも丸みを帯びていて好みです。ロボットみたいな多角形フレームもありますが、「トニーセイム」の多角形はとっつきやすいなと。



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素材の薄さ、それに加えた柔和なフォルムで多角形フレームの門戸を広げた「トニーセイム」だが、コンマ何ミリ単位のシェイプに注力するためにそもそも必須となる条件が、強固な高密度アセテートの生成だ。正面視で上リムが1.8ミリ、下リムが1.6ミリと、限界まで研ぎ澄まされたリムは卓越したクラフツマンシップの賜物である。

細井社長:最後に、「トニーセイム」のクラフツマンシップ、その最高峰をお見せしましょう。


いつしか3人は密に横並びになっていた。ファッションに合うアイウェア探し、そのアンカーは?









ファッションに合うアイウェア(その5)


TS-10925 [T-cut]


¥66,000



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ラスボスに相応しい風格のフローティングデザイン。上級ラインの「tonysame: premium」から、大きなリムの内側に小さなリムが浮いているフローティングデザインのプラスティックリムタイプ、「TS-10925」がカラバリ豊かに登場だ。

フローティングデザインはアウターリムの左右・インナーリムの左右・トップブリッジ・アンダーブリッジと、6つのパーツを立体的に組み上げて構成。独自のアプローチとして、チタンの板を抜いてカーブをつけた後に一部を削り取る切削加工をさらに加えることで、オリジナルのデザインを形作っているのだ。



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ST井田:試着して一瞬で理解しました。こんなユニークなフレームデザインは、1年ぐらい前にはなかなか着用する気持にはなれなかったかも。

薬師神:というと?


ST井田:最近のムードやトレンド的に、解放感といいますか、ファッションを全身で楽しみたいムードが世の中に浸透しつつあると感じています。冒険心の発露として、心が揺さぶられるデザインを旬の大人男子は求めている。薬師神さんもそう感じませんか?


薬師神:いかにも。


細井社長:顧客からも同じような声を聞きます。あと、フローティングリムのデザインは我々が想定していたよりも女性のお客様に高く評価していただいていることがわかり、前回よりもサイズダウンした新作がこちらの「TS-10925」になります。



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実は薬師神もフローティングリムを試着中だが、二重のリムが目立つ井田さん試着モデルの見た目と異なり、内側のレンズがリムレス。同じ品番で、リムの有り無しが選べるのだ。

ST井田:ネイビーで全身を統一する薬師神さんのような几帳面なコーディネートでは、二重のリムがはっきり見えるとトゥーマッチ。レンズが浮いて見えるリムレスのフローティングデザインですと、ちょっとしたヒネリとして、着こなしに抜け感を演出できます。


薬師神:たしかに。レンズまで抜けている。



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そんな薬師神とは対照的に、今日の井田さんはアーティスト然としたスタイル。二重のリムが際立つフローティングデザインでクリエイティブな印象を与えるほうが、ファッションコンシャスなノリに合うのだ。

ST井田:ここまでメガネを考察しながらファッションを語る経験は初めてかもです。


薬師神:同じく。勉強になりました。


細井社長:また遊びに来てください。



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以上、「トニーセイム」のメガネがどんな服にも似合う理由を考察してみた。

トレンドとは、些細な箇所の変化から始まる気付きであり、集合知である。トータルコーディネートの出来を左右してしまう分水嶺にもなり得るアイウェアは、小物の中でもまさに小さな巨人だ。敏腕スタイリストが選んだ「トニーセイム」のアイウェアとともに、2024年は開幕からロケットスタートを切ろう。









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ラストは店舗情報。

ST井田:こちら港区虎ノ門の「トニーセイム トウキョウ」の営業は、年末は12月27日(水)まで、年始は1月5日(金)からとのこと。ぜひ、洋服に合うステキなアイウェアを年末年始に探しに来てください。


紹介した5モデルは公式オンライン掲載前の早出し商品で、現時点では「トニーセイム」実店舗でのみ購入が可能だ。また、購入者特典としてお馴染みの三角柱型アイウェアケースにも2023年冬の新色が加わった。このカラーチョイスにもセンスが問われる!?





TonySame Japan office/show room(オフィス・ショールーム・店舗)
住所:東京都港区虎ノ門1-2-11 ザ・パークレックス虎ノ門 8F
TEL・問い合わせ先(店舗直通):03-5860-9662
営業時間:11:30~18:30(土日祝は予約制)
※時間外は電話相談にて対応可

Photos: Takahiro Michinaka
Model: Masaaki Ida (Stylist)
Composition & Text: Takafumi Hojoh

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