ローファーは、カジュアルながらも品格を感じさせるシューズの代表格。UOMOエディターたちが愛用する一足を参考に、理想のローファーを見つけてほしい。
01:J.M. WESTON|#180コマンドソール
(#180+ヨット)÷2の正解
ウエストンの揺るぎない定番であるローファー#180。いっぽうカジュアルシューズとして、強く支持されるヨット。UOMO的にどちらも外せない名品から、ある意味いいとこどりでニコイチにしたのがこの#180コマンドソール。
普通のブラックローファーに、#690ヨットにも使用されているような厚みのあるコマンドラバーソールの組み合わせ。言ってみれば、うまい具合に枯れた旧車にオールテレーンタイヤを履かせているような雰囲気。雨の日でもソールにあまり気を使わなくてもいいし、通常比で数センチ背が高くなるから、普段の#180とはかなり気分が変わる。他のカラー、素材のバリエーションの展開も楽しみ。



ワードローブは、アウトドアやミリタリーものから唐突なハイブランドまで混ぜたもん勝ち。恒例「試着フェス®」発案者だが、ショップに行く暇を惜しみ、試着ゼロ状態で衝動的に通販しがち。好きなモノは、深夜の飲酒からの寝落ち。MT車の運転。スノーボードとキーボード。
02:Enzo Bonafe×EDIFICE|ローファー
「イノシシ革の靴」というパワーワード
紳士靴の世界では、シャープな造形も、ずんぐりとした不格好さも同様に讃えられる。後者の代表格といえば、オールデン。ラストにもよるけれど、丸っこくてずん胴であることに愛着をもつファンは多い。
僕が最初にこのエンツォ・ボナフェのビットローファーを見たときは「ボナフェにしてはずんぐりしてる」という第一印象だった。聞けば、ペッカリー(イノシシ)の肉厚な革を使った別注だという。しかし横から見ると、マッケイ製法とグッドイヤー製法を巧みに使い分けたボナフェ独自のシェイプと、やや高めのヒールが美しい。
手袋ならまだしも、革靴にペッカリーなんて聞いたことがなかったので、その贅沢な発想にも惹かれて購入。やはりかなり異質な存在感なのだろう。「グッチですか?」と聞かれたことは一度もない。



クルマと時計担当。幼少期からのクルマ好きで、大学時代は自動車部に所属。ウェブでは「文化系ネオクラシック車と30人の男たち」も手掛けた。愛車はアルファロメオの「ジュリア」。クルマはイタリア車好き、ワードローブはカジュアルなフレンチスタイルが好み。猫舌のため一年中、アイスコーヒー派。
03:GUCCI|ホースビットローファー
あの名品に厚底が!
副編集長になって改まった場に行く機会も増え、きちんとした靴が欲しいとの思いが日々頭の片隅にあった。グッチのシグネチャーアイテム・ホースビットローファーはずっと素敵だなと思いつつ、厚底の靴を常用する身長155cmの私にとっては遠い存在。なぜならボトムをそれにあわせて裾上げをしてしまっているから。フラットなシューズが履けない…。
が! 今季の新作・厚底のホースビット付きウィメンズローファーは、ヒールが4.5cmとまさに探していたボリューム感のもの。にもかかわらず驚くほど軽い。慌ただしい日常の中で、小走りする局面も多々あるけれど、それすらも苦にならない。グッチのホースビットといえば、ゴールドの金具が定番だけどこれはシルバー。カジュアルなアイテムとも相性ばっちり。
良い靴を履いていると、背筋が伸びる。そのせいか、身長もちょっと伸びたかもしれない。



世界を旅することを愛し、3人の息子たちとともに、これまでに19カ国を訪問。メキシコ、トルコ、モロッコが特にお気に入り。海外の旅行先では必ず料理教室に参加し、帰国後は各国の料理を自宅で再現している。旅好きながらもインドア派で、家に籠もって洋裁やDIYをするのも大好き。