2019.10.06

祐真朋樹の密かな買い物 Vol.29 グラソンのポロシャツ|2016年8月号掲載

今年もポロシャツの季節到来。〈グラソン〉のポロは形が新鮮だ。太くて短いポロには、〈グッチ〉のストレートスラックスが相性抜群、スニーカーは厚めのソールが気分だ。自転車でかき氷を食べに行こう!

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GWは、撮影でLAへ行っていた。LAは今年に入って実に3度目。でも毎回短期間の超過密スケジュールなので、いつもLA観光は満喫できていない。次は休みをドカンと取って、マジなホリデーを楽しみたいものだ。LAから戻った後は、篠山紀信さんのエキシビション用の撮影にスタイリストとして参加させていただいた。



エキシビションの会場となる原美術館に10日間通い、膨大な数の裸のスタイリング(?)に挑んだ。いつもは服を着せるのが仕事だが、今回は「着せない」スタイリングが仕事。初めての経験でスリリングな時間を楽しんだ。



「快楽の館」と題するエキシビションは9月3日から。もちろん篠山先生命名である。篠山先生の写真はもちろん、いつもとちょっと毛色の違う僕の仕事もぜひ観に行ってほしい。撮影中は、裸の被写体(95%が女性)を見ながら、靴、ジュエリー、アンダーウェア(ほとんどつけていない)等々を「使うかどうか」ずっと考えていた。終わってみると、ほとんどが裸。アンダーウェアや服の存在価値をあらためて考えさせられた。



裸は強烈にその人の特徴を表す。服を着せる前に、その人の裸を見るのと見ないのとでは、スタイリングに大きな違いが出るのだということを、今さらながら勉強させてもらった。なので、これからは僕も自分の裸をじっくりと見つめ直し、そのうえでアンダーウェアに洋服など、身につけるものを選ぶことにしようと思う。まずは筋トレが必要だな。



5月は毎年、真夏のような気候の日が訪れる。仕事場では「もう夏じゃん」なんて言葉があいさつ代わりに飛び交う。ちょっと前までコートを着ていたのにいきなり半袖の服を着ることになるので、僕みたいに衣替えができていないとマジで焦る。



GWをLAで過ごし、帰国後は裸のスタイリングにいそしんでいるうちに、クロゼットにある秋冬物は用なしになっていた。こんなときは、膨大なマイアーカイブを収めたトランクルームが家の隣にあってくれればどんなにいいかと思う。が、世の中そんなに甘くないのである。暑さと湿度に負けて、車でほんの10分の所にあるトランクルームに行くのも面倒だと思う怠惰な日々を送っている。



今回着ているのは、ひと月前にキャシディ ホーム グロウンで購入したポロシャツ。強い日差しには、白い鹿の子ポロがよく合う。昼間から白ワイン、てな気分である。昨年はラコステの青ワニをよく着ていたが、今年は、〈グラソン〉のポロシャツがヘビーローテーションになりそうだ。白のほかネイビーも買った。



胸にマークがないのと、ボックスシルエットが特徴で、ネック部の開きが狭いのも新鮮。洗って乾燥機にかけて、軽く縮ませて着るのがちょうどいい。一日着ていると縮んだのがほぼ戻るが、それをまた洗って乾燥機に入れ、軽く縮ませて着る。縮みと伸びを繰り返して着る感じが好きだ。かぶって着るときの、生地が伸びる瞬間の感触がたまらんのだ。



でも油断していると、いきなり秋のような気候が訪れたりして驚くのが5月だが、僕の家は今、簡単に秋冬アイテムが取り出せるからそれは平気。怠惰万歳! なんて。洋服の見せ場は春夏よりも断然秋冬だが、春夏は服よりボディ。原美術館での裸のスタイリングを生かして、この夏は、マイボディに磨きをかけようと思う。



(左)ロンドンの〈ターンブル&アッサー〉で購入。老舗らしからぬ、ナローなシルエットに惹かれた。(中)〈ヒースセラミックス〉のノートはセール中のLA店で。ノート1冊持って列に参加したが、並ぶのは苦手です。(右)シルエットが抜群に好きな〈グラソン〉のポロ。紺色も購入しました。
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Text:Tomoki Sukezane
Illustration:Sara Guindon
Photos:Hisashi Ogawa

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