2019.09.15

祐真朋樹の密かな買い物 Vol.13 VANSの“オーセンティック”|2015年4月号掲載

〈ヴァンズ〉のオーセンティック。僕は齢五十にしてその魅力の虜になった。遅咲きのオーセンティック・ファン。なぜこの靴はこんな魅力的なのか。極寒のパリ。コレクションの合間に、この靴の魅力について考えた。

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この原稿を書いているのは、パリ。2015~’16秋冬メンズコレクションを観に来ている。そしてこのコレクションの会期中、僕は50歳になった。子どもの頃は、周囲にいる50歳はみんなお爺さんの一歩手前に思えた。今自分がその年齢になったことが感慨深い。



でも今や、僕の周りには還暦を過ぎてもまったくお爺さんには見えない人々がたくさんいる。医学的・肉体的にはどうなのかわからないが、とりあえず“見た目”は昔のその年齢の人たちよりも格段に若い。みんな仕事も現役バリバリだし、遊びも本気の本気。年とってる暇がない、という感じだ。この先、僕がそんなふうになれるのかどうかは不明だが、いつまでもチャレンジする気持ちを忘れずにいたいと思う。



さて、最近、僕は〈ヴァンズ〉のオーセンティックを履くことが多い。別にスケートボードをするわけではなく、基本、ファッションとして履いている。2年前、オレンジアッパー×白ソールを買ったのが最初だった。そして2足目に買ったのがネイビーのアッパー&ソール。ヘビロテ(死語?)で履いている。



なぜこのオーセンティックが好きかと言えば、〈ヴァレンティノ〉や〈マルニ〉のスラックスと合わせると、絶妙な感じでドレスダウンが成立するからだ。スラックス丈は少し短めにしてソックスをのぞかせるのがポイント。僕の場合、白のコットンソックスを合わせることが多い。



にしても、スケートボーダーやサーファーはどうしてあんなに格好よく見えるのか。無鉄砲に危険を顧みず、不安定なボードを楽しげに操る。その姿にはやっぱり憧れる。勇敢でクールで、まるで永遠の若さを手に入れているかのような輝きに満ちている。



僕は実際、どちらも中途半端にしかやったことがないが、少しでもそんな男に近づきたいという気持ちで〈ヴァンズ〉のオーセンティックを履いているのかもしれない。別に永遠の若さが欲しいわけではないが、いつもときめいてはいたい。



ネイビーの〈ヴァンズ〉は、自宅近くにある〈JOHN〉で購入。ソールもネイビーなので、ネイビーのパンツと合わせると、何というか、どんより溶け込む雰囲気になる。白ソールだと、“いかにもスニーカーでドレスダウン”の王道感があるが、ネイビーソールのどんより感もなかなかである。



黒のタートルネックセーターはこれまで何枚買ったかわからない。本当にたくさん買ってきた。今回着ているのは〈ロベルト コリーナ〉。ミドルゲージで、柔らかくて軽い素材。首元のリブの具合も上品で気に入っている。この黒以外に、ワンサイズ小さいグレーも持っている。グレーはインナーとして、黒はアウターとして愛用している。



手に持っている白いバッグは〈ロエベ〉。肩に掛けても使い勝手のいい長さの持ち手がついている。僕はこの縦長の形が好きだ。新しく生まれ変わったロゴマークも素晴らしくクール。このロゴはもちろん、洋服のデザインも店舗のコンセプトも最高で、ジョナサン・アンダーソンによるリブランディングは着実に成果を挙げているようだ。キラキラした若い才能が炸裂しているように思える。



ということで、渋さよりも若さに惹かれてしまう、50th Birthday in Parisの午後でありました。



(左)去年の夏、濱田庄司記念益子参考館で購入したTシャツを12月にリピート買い。濱田庄司さんの笑顔がナイス。 (中)ヴァンズのオーセンティック。キャンバスのアッパーとラバーソールの厚みのコンビネーションがエレガント。 (右)ロベルト コリーナのタートルネックセーターは着心地抜群。シルエットも素晴らしい。サイズ違いのグレーと黒を違う着方で楽しんでいる。
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Text:Tomoki Sukezane 
Illustration:Sara Guindon
Photos:Hisashi Ogawa

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