2023.04.13

【トラッド感をやわらげる「抜け感のあるローファー」4選】スタイリストがすすめる大人のためのニューウェーブな革靴

久々に気分の革靴だけど、普通に履くんじゃ芸がない。どうアップデートすべきか? レザーシューズひと筋のベテランスタイリスト片貝さんと、リアルなトレンドに詳しい若手スタイリスト中道さんがニューウェーブをキャッチ&プレゼン!

【トラッド感をやわらげる「抜け感のあるロの画像_1

中道康生がプレゼン

ちょっと“ずれた”ローファー

Yasuki Nakamichiプロフィール画像
Yasuki Nakamichi
フレッシュな感性が注目を集める、モードにもストリートにも詳しい若手スタイリスト。今気になっているのはローファーとラフな古着をミックスした、抜け感のあるスタイル。

トラッド感をやわらげる抜け感のある一足を選びたい

「ローファーはすぽっと履けて楽チンですが、意外と扱いが難しい。プレッピーやトラッドを象徴する靴なので、何も考えずに履いていると過去のスタイルを引きずっているようで古くさく映ることも。それを今っぽく抜くために、ほんのり丸い、ぽってりしたローファーを探してきました。足元で主張せず、頑張ってる雰囲気がないほうがゆったりしたスタイリングに馴染みますブルーブルー(A)はサンダル感覚で玄関でさっと履く自分が想像できるし、サンダース フォー ジェームス カワード(B)は古着のフーディに合いそうな優しい表情。どちらも今の気分です」

ぽってりとしたかわいげコインローファー


ぽってりとしたかわいげコインローファー

ABLUE BLUE

ブルーブルー ローファー

Proposal デッキソールが人なつっこい

ブルーブルー ディテール

Detail
シボレザーとスムースレザーの両方を使用することで奥深い表情を楽しめる一足。¥24,200/ブルーブルー(ハリウッド ランチ マーケット)

Comment
「堅牢な作りではなく、柔らかなシボ革を足にフィットするステッチワークで仕上げたラフな表情がいい。ぽてっと丸いアッパーにデッキシューズのソールを合わせているからカジュアルさが増していて履きやすいです」



BSANDERS for JAMES COWARD

サンダース フォー ジェームス カワード ローファー

Proposal 重ためソールがアクセント

サンダース フォー ジェームス カワード ディテール

Detail
トリプルソール&コマンドソールを合わせた特別仕様。¥69,300/サンダース フォー ジェームス カワード(メイデンズショップ)

Comment
「いわゆるドレスシューズの作りですが、武骨なコマンドソールのボリュームで印象がガラリと一変。ころんとしたフォルムがカジュアルにハマるし、ドレスに合わせてもソールの存在感がアクセントになるので重宝しそうです」



コインローファーではないモダンで削ぎ落とされたデザイン

「ローファーのもう一つの難しさは、ツヤっぽく見える問題。ビットやタッセルの装飾がついたタイプはなおさら難度が高いですよね。僕ら文化系が上品にキメたいときのローファーとして、アッパーのデザインが削ぎ落とされたモードなデザインなら問題解決。コインスリットを取り除いたピエール アルディ(C)も、ミニマルなアッパーのフット・ザ・コーチャー(D)の一足も、どちらもモダンで美しいですが高級志向を声高に主張しない、洗練された佇まいが魅力です」

変化球でミニマルなモード系ローファー

変化球でミニマルなモード系ローファー

CPIERRE HARDY

ピエール アルディ ローファー

Proposal
コインスリットがないだけでモード

ピエール アルディ ディテール

Detail
滑らかなカーフスキンを使用。ブランドらしいエレガントなヒールもポイント。¥132,000/ピエール アルディ(ピエール アルディ 東京)

Comment
「ピエール アルディらしいミニマルな造形美が刺さりました。アッパーからコインローファーの象徴的なデザインであるコインスリットだけをなくすことでトラッド色が弱くなり、むしろパンクなマインドを感じました」



Dfoot the coacher

フット・ザ・コーチャー

Proposal 潔さを感じる無表情な一足

フット・ザ・コーチャー ディテール

Detail
無駄を削ぎ落としたその名もズバリ「ミニマルローファー」。¥55,000/フット・ザ・コーチャー(ギャラリー・オブ・オーセンティック)

Comment
「装飾を排しても、構築的なシルエットとステッチワークで簡素なスリッポンに見せない上質な作りは、さすが。シンプルかつ端正な顔つきに対して、古着やはき倒したデニムなど逆の要素を合わせて違和感を楽しみたいです」




Photos:Yoshio Kato 
Stylist:Shun Katakai[tsuji management]  Yasuki Nakamichi 
Composition&Text:Takako Nagai

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