01:アーリーウィンタースのヴィンテージダウンベスト


柳 雅幸さん/フリーランスPR
約10年間所属していたメイデン・カンパニーを、2021年春に退社。現在はフリーランスのPR、ブランドプランナーとして活躍する。


「これまで、赤はあまり着たことがありませんでした。でも30代後半に差しかかったことで、逆に原色に目が行くように。年を重ねたことで、派手な色でもやんちゃな感じが出ることなく、カジュアルに着こなせるようになった気がします。今日はキャップも赤をセレクト。昨年、町田の古着屋で購入したアーリーウィンタースのダウンベストは、1980~90年代のもの。クラシックな型と色を、今また着ることが面白いと思います」


「赤は意外にどんなスタイリングにも馴染みますが、子どもっぽさが出ないよう、ダウン以外はすっきりとしたシルエットでまとめるよう意識しています。今日は上半身をアメカジっぽくまとめ、足元は革靴に。クラシックな形ゆえ、ローテクスニーカーとデニムで合わせてしまうと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックスのように、アメカジ・ド直球になってしまいます(笑)」


「最近、主な通勤手段が自転車になりました。そのため、ロングコートではなく、丈が短く動きやすいダウンを着る機会がいっそう増えそう。このダウンベストは、短丈ながら微妙に後ろ下がりのシルエットなのが、良いバランスだなと思っています。実はいま、仕事でもアーリーウィンタースとはご縁があるんです。現状はマニアックなブランドですが、来春に向けて復活させようと計画しています。個人的にも思い入れがあるので、今年はより着る機会が増えそうです」



02:プラダのダウンベスト


高橋正典さん/スタイリスト
2017年にスタイリストとして独立。ストリートスタイルをベースとしたハイブリッドなコーディネートを得意とし、弊誌をはじめ『メンズノンノ』などのファッション誌やタレントのスタイリングを中心に活躍中。


「アウトドアっぽいけどモダンな雰囲気に惹かれて、去年の秋に購入しました。黒のカラーリングしかり、ナイロンの上品な素材感も都内で着るにはちょうどいい。アウトドアブランドのものだと東京では少しオーバースペックだなと思っていて。ファッション系のブランドが作るアイテムなら適度な保温力で、そこも魅力ですね。ダウンジャケットは好きなので4着ほど所有していますが、ジャケットだとコーディネートのし甲斐がない。ベストならレイヤードも楽しめてコーディネートの幅が広がるので重宝しています。実はダウンデビューも中学生の頃に古着屋で買ったダウンベストでした」


「ハイブランドのこの手のアイテムは内側にポケットが付いていないことが多いんです。でも、これには付いている! タバコや鍵、最近ではマスクを入れるのにも役立っています。ダウンベストに合わせたコムデギャルソン・オム・ドゥのパンツ、ハットにシューズは全て黒。ライトグレーのフーディで明るさをだして、モノトーンでまとめてみました」



03:ウエスタンマウンテニアリングのフラッシュベスト


池田尚輝さん/スタイリスト
UOMOは2012年のリニューアル時からのお付き合い。モノへの審美眼と、シンプリシティが活きるスタイリング、相反しそうな際どいラインをまとめる手腕に定評がある。近年は、自身の眼差しを発展させた独自の企画展も主催する。


「ダウンは、オーセンティックなものしか選びませんね。このダウンもシュラフ(寝袋)のメーカーが作ったものですし、もうひとつ持っているダウンジャケットもL.L.ビーンとエディ・バウアーのコラボ。1年ぶりにクローゼットから出してきて時代遅れな要素が入っていると嫌なので、何も変化なく着られる普遍的なものがいいんです。このベストだって、10年以上前に買ったもの。アウトドアを街で着る〟みたいなことが流行り始めた頃で、〝インナーダウンになる〟って聞いて〝えっ、面白い〟と思って。当時まだ、インナーダウンっていう概念がなかったから」


「この正方形っぽいパックも好きですね。ミリタリーブームで主流になったダイヤモンド形だと3、4年前の時代感がすごい出ちゃうと思うんです。そういうことを感じさせないのがオーセンティックのよさ。そういう視点でもの選びをしているので、ちょっと前のものもバンバン使います。ローンのパンツも5年くらい前のものだし、ドリス ヴァン ノッテンのスカーフもヴィンテージだし。今年買ったものを今年着ようと思って買ってないんです。むしろ『すぐに着ないぞ』って気持ちで買ってる(笑)。ちょっと前のものを自分なりに再編集して、知ってるけど久々に見たなっていうのを、あえてやるみたいな。そんな感覚を楽しんでいます」



04:オーラリーのダウンベスト

100人のダウン_032_オーラリー

綾 瞳さん/専門商社勤務
UOMO恒例企画「試着フェス!®︎」での、細かすぎるコメントで話題の読者代表。普段は服飾資材商社に勤務。この冬買ったお気に入りの冬服はダイワピア39のイエローのダウンベスト。


「週5で電車通勤する僕にとって、厚手のダウンコートはややオーバースペックに感じる部分があるので、ベストぐらいがちょうどいいんです。これは、オーラリーが2019年に初めてダウンをリリースしたときに購入したもの。決め手はやっぱり色ですね。このくすんだピンクが実にオーラリーっぽくて『ダウンにも、いよいよこういうタイプのものが出てきたんだな』と感動しました。スモーキーなトーンなので、意外にどんなアイテムにも合わせやすくて重宝しています」


「ポケットのフラップまでダウンがパンパンに詰まっているところも他にはない特徴。ダウンって丸くて独創的なフォルムなのに、ファッションとしてちゃんと成立している唯一無二の存在じゃないですか。そんなユニークな形を軸にしてコーディネートを考えるのがすごく楽しい。他のアイテムで量感を引き算してダウンの丸みを引き立たせるのもいいし、あえてボリューム×ボリュームのバランスで遊んでも面白いと思います」


「今日の着こなしは白のセットアップを合わせて少し明るい印象に。11月は本格的な冬が訪れる直前。ダウンを脱いだり着たりすることを考えて、どちらでも決まるコーディネートにしてみました。ピンク×白の春っぽいミスマッチな配色をおしゃれに味わえるのも、こんな絶妙な時季ならではです」



05:ディガウェル×エフシーイーのダウンベスト


山本雄生さん/フォトグラファー
スタジオ勤務後、を経て2010年に独立。メンズ、レディース問わずファッションを中心に、雑誌やブランドカタログなどの撮影を数多く手がける。自他共に認めるバイク好き。


「普段バイクに乗ることもあり、インナーとパンツも含めたら15着くらい持っているほどのダウン好き。その中で普段最も活用頻度が高いのが、このベストです。車移動の時なんかは、冬でも今日みたいにスウェットにさっと羽織って完結できますし、とにかく動きやすくて撮影の時にも欠かせません。ベストと聞くとサブのイメージですが、メインとしてフル活用しています。昨年か、一昨年くらいに偶然見つけたものなのですが、グリーンがかった絶妙なベージュとコンパクトに着られる作りが気に入って即決でした」


「僕が選んだのは、サイズ2。スウェットはもちろん、ニットやロンTに重ねてもジャストにフィットしてくれます。肩幅にもちょうどぴったりで、後ろ姿もすっきり見えるのが気に入っています。遊びの効いたストライプのライナーもポイント。ダウン90パーセント、フェザー10パーセントで、たしか3万円くらいだったと思うのですが、ロングシーズン使えてコスパがよく、満足度の高い1着です」



06:シアージのダウンベスト


ニコラ・ユタナン・シャルモさん/シアージ ディレクター
フランス生まれ、日本在住。2018年より自身のブランド『シアージ』のディレクターとして活動する傍ら、フォトグラファーとしても活躍中。


「ダウンアイテムはマフラーからコートまで幅広く持っています。暖かくて軽いので、僕にとって冬のファッションには欠かせない存在。今日の着こなしのテーマは“ウィンターレイヤリング”。ロングコートのインに『シアージ』の新作であるダウンベストを投入しました。カーキとブラウンというシックな色でそろえつつも、『THE NEW DENIM PROJECT』×『シアージ』の白のオーガニックデニムでほどよくクリーンな雰囲気に。さらに足もとや顔まわりには目を引く小物で、さりげなく色を効かせたのがポイントです」


「ダウンは80’sのフランスのヴィンテージベストをモチーフにしたデザイン。キルティング仕立てになっていますが、厚手すぎないので重ね着しやすいのが特徴。今日みたいにインナーとして着てもいいし、ジャケットの上から羽織ってもOK。『Greater Goods』のニットキャップに『ルメール』のバラクラバで顔まわりもあたたかみのあるムードに。ピンク×グリーンの『アヤメ』のサングラスは重すぎないので、冬の着こなしのちょうどいいアクセントになります」」



07:セダン・オール・パーパスのダウンベスト


福本真士さん/会社員
「チャオパニックティピー」のブランドディレクター。カメラが趣味でUOMO誌面のカメラ企画にも出演。


「以前からダウンベストが欲しいと思っていて昨年、神戸の古着屋でデッドストックでピンとくる一枚を見つけたのですが、結局買い逃してしまって…。以降もずっとダウンベストを探し続けていたところ、今年の9月に買い逃したものと似た雰囲気のあるダウンベストに出会いました。ベージュ、オリーブ、ネイビーの3色展開があったので全色試着。少しくすんだマットなネイビーが一番しっくり来ました。身幅とアーム周りが広めのボックスシルエット、そしてレトロさが決め手になりました」


「後ろ身頃が少し長めで横から見たシルエットも絶妙なバランス。今っぽくて考えられているなと。今日は古着のチャンピオンのスウェットにコモリのデニムを合わせオールネイビーでまとめましたが、真冬はコートの上から羽織ってみたいと思っています。裏地にある大きなタグも古着好きにはたまりません。その上、800フィルパワー並みの保温力と軽量さを兼ね備えた高機能性。それが25,000円(税抜)だったら、買わない理由はないですね(笑)」



08:カルのダウンベスト


佐藤佑樹さん/Cale デザイナー
新進気鋭ブランド「カル」のデザイナー。ファッションのみならず、アートや音楽にも精通している。ギャラリーディレクターとしても活動中。


「表地に100%カシミヤを使用したリッチな一着。品のいいミニマルなデザインで、素材の贅沢さを堪能できるものが欲しくて……今季のコレクションで自分で作ってしまいました。肌に直接当たり、人目に触れるからこそ上質さにこだわりました。アウトドアな印象のダウンベストではなく、オーセンティックなデザインも特徴。キルティングを無くし、ボリュームは残しつつ着丈をコンパクトにするなど、ミニマルで洗練された印象になるように配慮」


「カシミヤの魅力はなんといっても優しい肌触り。スナップボタンを全て閉めた時に首元がふんわり包み込まれ、ノンストレスで着られます。逆に、スナップボタンを2つだけ開けて襟のレイヤードを楽しむのもアリ。スタイリングにアクセントが欲しい時は、防寒ではなくファッション性の目的でストールをプラスすることもありますが、薄手のトップスにこのベストを重ねるだけでも十分に暖かいんですよ」


4種のカシミヤ綿を織り交ぜ糸撚りしたことで温もりあるブラウンに。風合いのある生地にシルバーのスナップボタンの輝きをプラスし、ほっこりし過ぎないモダンな印象を目指しました。今日はインナーもカシミヤニットで至福のリラックススタイルを楽しんでいます」




Lead text:Tetsu Takasuka