2021.08.24

「新品よりもずっといい」パタゴニアが手に入る。Worn Wearポップアップストアが渋谷でスタート

“着古してぼろぼろになった洋服”を意味する「Worn Wear」。パタゴニアが洋服を長く着るために取り組むプログラムの名称でもある。8月20日(金)にパタゴニア 東京・渋谷でスタートしたポップアップストアを、いち早くレポート!

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「Worn Wear」にはストーリーがある

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キャットストリートにあるパタゴニア 東京・渋谷にて8月20日(金)から9月26日(日)まで、古着を販売するポップアップストアイベントが開催される。

普段から買い物する人々に「本当に必要ですか?」と問いかけ、修理を提案するパタゴニア。安易に買い替えず、手持ちの服をできるだけ長く着ることがWorn Wearの基本精神だ。結果的に生産過程で使われる水やエネルギーの節約ができて、地球環境への負担も軽減できる。



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店内には「着ることについてのストーリー」を伝える展示がさまざまな形で展開される。店に入るとまず飛び込んでくるのは、環境アクティビストとしても活動するモデル・小野りりあんが両親から譲り受けた手編みのセーターと、アウトドアライターのホーボージュンがリペアしながら着続けているパタゴニアのダウンプルオーバー。


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クマのリペアパッチはパタゴニアの修理用グッズ「ウォーンウェア・リペア・パッチ」を利用したもの。このほかにも膝の破れをステッチがけで補強したパンツなど、愛するWorn Wearをどんな風にリペアして着続けているのかを、ストーリーとともにリアルに見ることができる。


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2階へと続く壁面ではWorn Wearのインスタグラムに寄せられたストーリーの一部を紹介。店内に置かれたモニターでもカリフォルニアでリペアを担当するスタッフや、多様な環境でパタゴニアを愛用する人々のライフスタイルなど、サイトでも公開されている映像が流され、彼らの言葉に心を打たれる。

愛着のある服を修理して長く着よう

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店内には「修理は急進的な行為」というサインボードが掲げられたリペアブースも登場。イベント期間中はパタゴニア リペアサービスのスタッフが常駐し、中古品の修理を行う。実際にリペアする姿を見ることで、手持ちの製品も修理して長く着続けられることを知ってほしいという。


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プログラムの一環としてパタゴニアでは「Worn Wearカレッジツアー」も行っている。2019年には「壊れたら、修理しよう!」のメッセージを掲げ、リペアトラック「つぎはぎ号」で全国の11大学を訪問して修理やワークショップ、レクチャーなどを行った。コロナ禍でフィジカルなカレッジツアーは延期となっているが、現在はオンラインで開催中。


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リベアブースの隣にはWorn Wear Tourのアイコンでもあるつぎはぎ号の活動も展示されている。リペアトラックの仕様や、木材や廃材でできているなどのストーリーも、このボードで紹介されている。


パタゴニア製品のリユースの形

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今回のポップアップストアの大きな目的は、パタゴニア製品のリユースとしての古着販売だ。「パタゴニアはどの店舗でも、新しい製品を手に取るカスタマーにリデュースを問いかけ、まだ使えるものを持っているならリペアを提案してきましたが、必要な人に譲るというリユースの部分が未だ形として実現していませんでした」とイベントを企画した佐藤拓也さん(リテールサービス シニアマネージャー)。


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販売される中古品の一部は、パタゴニアで働くスタッフから買い取った製品。製品は回収後、修理・クリーニングして販売されている。アロハからダウンまでオールシーズン、また大人のアパレルだけでなくキッズ製品やバックパックなどのギア類も並んでいる。


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中には次のオーナーへの手紙とも読み取れる、持ち主のストーリータグがついている商品も。パタゴニアでは現在すべての直営店でスナップボタンの修理・パーツ破損・パッチシールでの穴あき補修など、簡単な修理を店頭にて店舗スタッフが無料で対応してくれるが、今回販売する中古品に関しても同様のサービスが受けられる。


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オレンジ壁の撮影コーナーも設けられ、誰でも自由に撮影することができる。SNSなどでの情報発信に役立ててほしいとのこと。気になる古着のシンチラベストを試着したWEB UOMOスタッフも撮影にトライ。「このベストは11,800円でした。ほかの商品も見たところ、新品の半額から6割くらいの値段ですね」。


リクラフテッドという取り組みも

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リユースのひとつの形として本国では「リクラフテッドコレクション」が展開されている。こちらはいくつかの中古品を組み合わせて再構築したアップサイクル商品。USAのWEBサイトやボルダーにあるコンセプトストアなど一部で販売されている。今回は展示のみだが、いずれも一点もの。


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ちなみに今回のイベントでは、パーツに不具合があって販売できなかったキッズウエアのファブリックをアップサイクルしたカラフルなポーチ(各¥1,980)が販売されている。


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アウトドアブランドの中でも環境問題にいち早く取り組み、サステナブルなものづくりにシフトしているパタゴニア。同社の古着がこれだけ見られる機会は貴重なので、もし何か必要なものがあれば、新品ではなく中古品という選択肢も頭に入れて、今回のポップアップストアに出かけてみてはいかがだろう。


店舗に足を運ぶと「必要ないものは買わないで」という驚くべきメッセージを目の当たりにして、パタゴニアというブランドについての見方が変わるかもしれない。同時に、熱烈なファンが多い理由もきっとわかるだろう。



Worn Wear ポップアップストア パタゴニア 東京・渋谷
開催期間:2021年8月20日(金)~2021年9月26日(日)
開催場所:パタゴニア東京・渋谷ストア1階
住所:東京都渋谷区神宮前6-16-8
営業時間:月~金12:00~19:00 土日祝日11:00~18:00
定休日:9月15日(水)
• ご入店いただくお客様の数に混雑時は制限を設けさせていただきます。
• 入店制限の際は、整理券を配布する場合があります。
イベント公式サイト https://wornwear.patagonia.jp/event

Worn Wear
公式サイト: https://wornwear.patagonia.jp/
公式インスタグラム: https://www.instagram.com/wornwearjp




Photos:Yumi Yamasaki
Composition & Text:Hisami Kotakemori

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