2026.03.23
最終更新日:2026.03.23

【西野七瀬インタビュー】映画『90メートル』|自分の中の世界が広がっていくのはうれしい

人生の岐路に立つ高校生の息子と、難病を抱えながら我が子の希望ある明日を願うシングルマザーの揺るぎない愛を綴った感涙物語『90メートル』。本作で西野七瀬さんは、介護施設で働くケアマネジャー役を演じている。役づくりの過程で感じたこと、平和な撮影現場での出来事、そして最近熱中していることについて話を聞きました。

豚汁にどれだけ七味をかけるかで盛り上がった

西野七瀬

――西野さんは、主人公親子を支える介護施設のケアマネジャーを演じています。本作の出演が決まってから、どのように作品を捉え、役に向かっていきましたか?

西野 私が演じたケアマネジャーの下村香織は、高校生の佑(たすく)くん(山時聡真)と母親の美咲さん(菅野美穂)を少しでも助けたい、特に佑くんにもっと自分のために使う時間を確保してあげたいと思っていろいろ動く人です。事前に資料を読んだり、YouTubeで1日密着動画とかも見ましたが、ケアマネジャーさんの仕事って本当に大変で、利用者の家族もそうだし、ヘルパーさんとのやりとりもあるので、とにかく人のためにすごく動いて、心も使うお仕事なんですよね。そういったところは自分なりに理解したうえで、あとは美咲さんと佑くんが一緒にいる空間の中で実際にやってみて、わからないことがあったら監督に聞いたりしながら撮影に臨みました。


――撮影現場ではどんなふうに過ごしていたのですか?

西野 すごく平和な現場だったんです。ヘルパー役の皆さんが仲よくて、草相撲をやったりしているのを眺めたり、スタッフさんが大きな鍋で豚汁をつくってくれたので、それを食べたりして。そういえば、豚汁にどれだけ七味をかけるかで盛り上がりましたね。私もけっこうかけるほうですが、山時くんがすごいかけていて。そんな感じでほっこり過ごしていました(笑)。

西野七瀬 2

――西野さん自身は、面倒見がいいタイプなんですか?

西野 いやいや。いい人に比べると全然だと思います。そもそも自分からはあんまり動かないほうかもしれないですね。本当に困っている人がいたら「大丈夫ですか」って声はかけたりしますけど、私が何かすることによって、「自分でやりたかったのに」と思われたりしないかなって。そっちが心配というか。「余計なことをしなきゃよかった」ってなるとちょっと切ないので、自分から何かしようとするときはちゃんと考えて動くようにしていますね。

ネガティブなことは言わないようにしている

――最近何かいいことはしましたか?

西野 自分がしたというよりは、いいことしてもらったのは覚えていますね。外で水を飲んでいたらキャップを落としちゃって、拾わなきゃと思ったけど、見当たらなかったんです。そうしたら近くにいた人がばーっと走ってきてくれて、すっとキャップを拾って渡してくれたんです。「ありがとうございます」と言っても、「あぁ、はい」みたいな感じで行っちゃって、それがすごく自然で、素敵だなと思いました。自分もそういうふうに振る舞いたいなって思いましたね。

西野七瀬 3

――人に支えられているなと実感するときってどんなときですか?

西野 何かもやっとする出来事があっても、基本的に人に言わないんですけど、でも言いたいときもあるじゃないですか。そういうちょっとネガティブな話とかを聞いてくれているときですかね。


――ネガティブなことはあんまり言わないようにしているんですか?

西野 はい。20代前半ぐらいからそうするようにしました。10代のときはネガティブだらけで、しょっちゅう「私なんて」と言っていて。あるとき「これ、めっちゃ迷惑じゃん」と気づいて、そこから言わないと決めました。周りのみんなに気を遣わせていたなと思いますし、言っても何もいいことないなって。もし言うときは、「笑って聞いてよ」という感じで明るく話すようにしています。そうなってからは前向きで楽しくなりました。もちろん落ち込むときもありますけど、寝たらリセットされるので、全然平気です。われながら便利だなと思います(笑)。

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――俳優として活躍の場を広げていますが、これまで経験したことのない役柄だったり、新しいことに挑むときはどんな気持ちですか?

西野 楽しみという気持ちがいちばん大きいですね。「うまくできるかな」とかはありますけど、今回みたいに役を通じてケアマネジャーの仕事を知ることができたり、自分の中の世界が広がっていくのは素直にうれしいです。

バドミントンのラリーが続きますように

――お芝居は楽しいですか?

西野 楽しいときもあります。でも、基本わからないです。いまだに「これできているのかな」と思いますし、自分の中で「こうだ」と思えることはあんまりないので、監督やプロデューサーの意見を聞きながら毎回つくり上げている感じです。


――自分の中で「これはいいお芝居だった」と思うことはないんですか?

西野 ないですね。というか、わからないです。「やってみましたけど、どうでしょうか?」みたいな感じです、いつも。


――言われてうれしい言葉ってあったりするんですか?

西野 何だろう。「あれ見てました」とか「あれすごく好きで何回も見ました」と言われるとやっぱりうれしいですね。やってよかったなって思います。

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――最近熱中していることは何ですか?

西野 ゲームは相変わらずやっていますけど、このあいだ友達と公園に行って、バドミントンをやりました。


――どうだったんですか?

西野 めっちゃ面白かったんですよ! だから、「またやろうね」と言っています。ただ、ラリーが全然続かなくて、最高で6回ぐらい(笑)。まずはラリーの数を増やすのが目標ですね。お互いにヘタだと、とにかく打ち返すことに必死で、コントロールとか力加減がめちゃくちゃなんです(笑)。とはいえ、やっていったらきっと上手くなると思うので、ちょっとハマってみようかなと思っています。

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俳優
西野七瀬

1994年5月25日生まれ、大阪府出身。2011年に乃木坂46の第1期生オーディションに合格し、デビュー。中心メンバーとして活躍し、2018年末に同グループを卒業。以降、俳優として数々の作品に出演。映画『孤狼の血 LEVEL2』(21年)では、日本アカデミー賞優秀助演女優賞および新人俳優賞を受賞し、『恋は光』(22年)でヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。近年の主な出演作にドラマ「大奥」(24年)、「未来のムスコ」(26年)、映画『シン・仮面ライダー』(23年)、『帰ってきた あぶない刑事』(24年)、『52ヘルツのクジラたち』(24年)、W主演を務めた『少年と犬』(25年)などがある。公開待機作に『未来』(5/8公開予定)、『免許返納!?』(6/19公開予定)など。

映画『90メートル』
3月27日(金)全国公開

映画『90メートル』

監督・脚本 : 中川駿

出演:山時聡真、菅野美穂、西野七瀬、南琴奈、田中偉登

配給:クロックワークス
©2026映画『90メートル』製作委員会

バスケットボール一筋だった高校生の藤村佑(山時聡真)は、女手ひとつで育ててくれた母の美咲(菅野美穂)が難病を患ったことで、大好きだったバスケを辞め、母のケアをしながら家事をこなす日々を送っていた。東京の大学に進学したい気持ちはあるが、美咲を一人にするわけにはいかず、自分の夢や希望はすべて諦めかけていたある日、担任の先生から自己推薦での受験を勧められる。しかし、日に日に身体の自由を失っていく美咲の姿を見ると、上京したい気持ちを打ち明けられずにいた。そんなある日、介護施設のケアマネジャー・下村香織(西野七瀬)からヘルパーの増員により24時間ケアの体制が整ったことを告げられる。我が子の明るい未来を願う美咲は「お母さん、大丈夫だから。好きなようにしていいからね」と優しく声をかけるが──。

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