『ドンケツ第2章』|ロケマサに学ぶ、最高の「聞く力」!【来世で使いたいマンガ名言|劇画狼】
マンガの中には心揺さぶられる名言がたくさんある。そんな名言の数々を、現在連載中の作品から劇画狼がピックアップ! 来世で使いたいと思ってしまう名セリフを紹介します。今回は北九州市を舞台にした、たーし先生による人気極道マンガ『ドンケツ第2章』より。

『ドンケツ第2章』|ロケマサに学ぶ、最高の「聞く力」!【来世で使いたいマンガ名言|劇画狼】
マンガの中には心揺さぶられる名言がたくさんある。そんな名言の数々を、現在連載中の作品から劇画狼がピックアップ! 来世で使いたいと思ってしまう名セリフを紹介します。今回は北九州市を舞台にした、たーし先生による人気極道マンガ『ドンケツ第2章』より。
対人コミュニケーションの要、それは「聞く力」。話し相手の考えと感情を理解し共感し、効果的に意思決定する。それらが円滑に行えることは、プライベート、ビジネスを問わず現代人に最も必要とされるスキルといわれています。では、聞き上手であるためにどうするか。一般のビジネス書には「相手と目線を合わせる」とか「相手の話を肯定して聞く」とか「相槌を効果的に使う」とか「相手の話を中断せず最後まで聞く」などと書いてありますが、あれは噓だ。
そんなもん知るか。『ドンケツ第2章』を読め! という話をします。

北九州市を舞台にした人気極道マンガの第2章である本作。最新刊である10巻では北陸での抗争もいよいよ大詰め。主人公・ロケマサこと沢田政寿一行は、敵対する心会の組員を捕らえ、因縁の相手である杉田丈二の居場所を吐かせるために尋問を開始する。
運よくこの男が杉田の連絡先を知っていたためすぐに電話させようとするが、男は「そんなことをしたらすぐに杉田は逃げてしまう。捕まえるなら心会は協力する。会長の名を使っておびき出そう」と提案を持ちかけてくる。

本来であれば最終目的のためにこの男の話に乗るのが最善のはずだが、ロケマサは違う。自分以外の者が主導権を握ることが我慢ならないから、最短距離の会話をぶっ潰して「ザコのくせしやがってなにを余裕の顔してこの場をコントロールしよるんじゃ」「ワシらと交渉しようとすんな 命乞いだけしとらァええんじゃい」「助かりたいがために必死で足掻け ワシはそんなんが好みなんじゃ」とか滅茶苦茶なことを言う。ロケマサは相手と目線を合わせない。ロケマサは相手の話を肯定しない。ロケマサは相槌を打たない。ロケマサは相手の話を中断して顔面に蹴りを入れる。情報なんて引き出せなくていい。他者を肯定し、モチベーションを上げることなんて考えなくていい。
令和のマンガ界でトップを走る理不尽ヤクザにそんなものは必要ない。目の前の相手が気持ちよくペラペラしゃべりだしたら、どんな手を使ってでも阻止し、自分の屁理屈を押し付けてすべてを解決する。
ロケマサは共感しない。「聞く力」、そんなもん知るか。『ドンケツ第2章』を読め!

『ドンケツ第2章』
たーし 1〜10巻発売中/少年画報社
「ヤングキング」連載中
全国の極道を巻き込んだ覇権争いの中、北陸最強の男・柳田長治との対決を制したロケマサ。その先にある目的とは…!?
文化系男子のための【UOMOマンガ】
劇画狼
特殊出版レーベル・おおかみ書房代表。プロの漫画家が商業誌に掲載したが単行本化されなかった未収録作品の書籍化や書評、大阪の画廊モモモグラでの原画展企画、イベント司会など。
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