ケネディ暗殺や地球空洞説、
陰謀論は「操作」されていた!?

 おそらく、日本のアニメファンの情報網には引っかかってこない作品ではないでしょうか。私の場合は、Netflixで毒のあるアニメと海外ドキュメンタリーばかり見ていたらレコメンド機能で紹介されました。何気なく見てみたら、これが名作! ギャグが詰め込まれており、頭がおかしくて最高です(もちろんいい意味で)!



 世の中に無数の陰謀論が実在する世界。ありとあらゆる陰謀論(とされている事実)を操作し続け、裏から世界を操る会社「コグニート・インク」の天才科学者レーガン・リドリーが主人公です。



 コグニート・インクのメンバーは、一様にして問題を抱えています。レーガンは天才だけどコミュニケーション能力は壊滅的、パートナーのブレッドは愛想がよくて体力はあるけれど中身が空っぽ。上司のJRはお金のことしか考えておらず、ほかの同僚もドラッグ常用の科学者、半分人間半分イルカのイルカ人間になった軍人など、とんでもない顔ぶれです。



 ストーリーはレーガンを中心としたコグニート・インクのメンバーがロボット大統領や地球空洞説など陰謀論の操作に奔走する日々を描く一話完結型。ブラックジョークや下ネタも多く含みますが、メインキャラクター同士の関係性がいいおかげか、下品さはありません。随所にちりばめられた数々の小ネタも切れ味抜群。スーパーセレブ、大手IT企業の労働環境、ハリウッドの懐古主義的思想から宇宙開発まで、痛烈かつユーモラスに切り取っています。現代のニュースに詳しいと、何層にも仕掛けが施されていることがわかるはずです。



 ちなみに日本語では字幕版と吹き替え版がありますが、圧倒的に吹き替え版がおすすめ。レーガン役の清水理沙さん、ブレッド役のKENNくんをはじめ、声優さんたちの演技がキレキレ。なお清水理沙さんは「デリシャスパーティ プリキュア」でキュアスパイシー役を担当されています。日曜朝の女児向けアニメのメインキャラクターが、こんなに毒のある作品にも出演しているなんて痛快ですよね。これもひょっとして、陰謀の一つ?


「陰謀論のオシゴト」
出演/リジー・キャプラン、クリスチャン・スレイター、クラーク・デューク
原作・制作/シオン・タケウチ

2021年よりNetflixにて独占配信されているアニメシリーズ。原案はシオン・タケウチ、製作総指揮はアレックス・ハーシュ、シオン・タケウチ、日本語吹き替え版のキャストは清水理沙、梅津秀行、KENNほか。


吉田尚記
ニッポン放送アナウンサー。アニメやマンガ、アイドルに造詣が深く、「マンガ大賞」の発起人でもある。VTuberとしての顔ももち、アナウンサーの枠を超えて活躍中。



Text:Yoshito Tanaka