磯光雄15年ぶりの監督作。
AIが宇宙の未来を変える!

 私、吉田はアニメやマンガだけではなく、宇宙も好きなのですが、今の宇宙開発で最もホットな話題の一つと言えば、新型のAIが搭載されたH3ロケットです。打ち上げコストにおいて優秀な実績を残したH2ロケットのさらに数分の1以下ですむそう。AIは、宇宙開発を大きく変えようとしています。



 AIによって人間が簡単に宇宙に行ける2045年を描いた作品が、今回紹介する「地球外少年少女」です。
 注目すべきは、原作・監督・脚本を務めた磯光雄さん。磯さんは15年前に放送されたテレビアニメ「電脳コイル」で業界にその名をとどろかせました。少年たちがARメガネをかけて架空の犬を追いかける…という世界をスマホもまだ普及していない2007年にすでに描くなど、近未来を描かせたら磯さん以上のクリエイターはいないと言っていいかもしれません。「地球外少年少女」は、そんな磯さんにとって15年ぶりの完全新作。



 まずストーリーが面白い。月から地球へ移住するために日本製宇宙商業ステーション「あんしん」へやってきた二人の子どもと、地球から宇宙旅行にやってきた3人の子どもが、ステーションと彗星の衝突事故に巻き込まれてしまうところから物語は始まります。災害に見舞われた少年少女は大人たちとはぐれ、ネットもつながらない状況の中、自分たちの力で、ときにAIの力を借りて脱出を目指していく。ネタバレになるので多くは語れませんが、このAIも一筋縄ではいかない存在として巧妙に描かれています。



 そして、なんといっても登場するモチーフが大変魅力的。スマホは進化して「スマート」と呼ばれる端末として登場人物の手の甲にプリント装着され、それを駆使する「宇宙チューバー」なる少女が登場。宇宙服は赤い正方形のロゴが記された「オニクロ」というメーカーが生産するなど、わくわくする仕掛けのオンパレードです。



「地球外少年少女」を見て、2045年に宇宙開発に携わる人が出ることは間違いないでしょう。アニメには宇宙開発への想いを引き上げる力があります。アニメは、未来を導くのです。


「地球外少年少女」
原作・監督・脚本/磯光雄
キャラクターデザイン/吉田健一
メインアニメーター/井上俊之

磯光雄が原作・監督・脚本を務めるオリジナルアニメ作品。2022年1月に劇場公開された前編『地球外からの使者』と後編『はじまりの物語』を6話に分割した、Netflixシリーズ『地球外少年少女』が全世界独占配信中。キャストは、藤原夏海、和氣あず未、小野賢章ほか。

©MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会


吉田尚記
ニッポン放送アナウンサー。アニメやマンガ、アイドルに造詣が深く、「マンガ大賞」の発起人でもある。VTuberとしての顔ももち、アナウンサーの枠を超えて活躍中。



Text:Yoshito Tanaka